台湾のプリント配線板メーカーは、AIサーバー・高周波高速用途向けを中心に、ICサブストレートなどを含めてプリント配線板事業は投資・増産・海外拠点シフトを同時並行で進展している。
台湾電路板協会(TPCA)は、2025年の台湾のプリント配線板生産金額を9,157億NTD (4.45兆円)で、前年比12.1%増と予測しており、過去2年を上回る成長局面に入ったとしている。
市場を牽引する成長ドライバーはAIサーバー、衛星通信、高速通信用途で、特にAIサーバー向け出荷は2025年通年で前年比約82.8%増と見込まれている。
2025年5月に台北で開催されたComputex TaipeiではNVIDIAの最新GPUのGB300を搭載した機種が各社から展示された。

AIサーバー (Computex Taipei2025)
1.製品別・技術別の新しい動き
サブストレート(ICパッケージ基板)は2025年2Qの年成長率が約20.6%と高く、ABF (Ajinimoto Buildup Film)はAIスイッチチップ・GPU・PC向け、BTはメモリ・スマホ向けの需要回復で伸長している。
ビルドアップ多層プリント配線板や多層プリント配線板もAIサーバーや低軌道衛星向けで2桁成長(ビルドアップ多層プリント配線板 約16%増、多層プリント配線板 約19%増)とされ、高多層・高電流・広帯域対応のサーバー用プリント配線板関係の投資が加速している。
2.材料・装置とサプライチェーン再編
高速高周波銅張積層板やHVLP(=High Very Low Profile)銅箔、低Dkガラス布など高級材料の需要がAIサーバー向けで急増し、2025年上期の台湾プリント配線板用材料生産額は1,959億NTD (9,529億円)(前年比6.8%増)とされている。
特に低CTEのICサブストレート用のガラスクロスや銅箔に構造的な供給ギャップが出始めており、日本製材料への依存度の高さがリードタイムリスクとして意識されている。
3.個別メーカーと設備・海外拠点
台湾のプリント配線板装置産業も、東南アジアでの増設需要とAIサーバー用プリント配線板のドリル工程向けで、2025年上期の生産額が360.6億NTD (1.75兆円)、前年比33.4%増と報告されている。
大手プリント配線板メーカーはタイなど東南アジアで新工場を立ち上げつつ、台湾国内では高グレードサブストレートやサーバー基板向けクリーンルームやドライフィルムラミネータ装置への投資を拡大している。
4.今後数年の見通し
TPCAは、2024年の台湾のプリント配線板サプライチェーンの総生産額は1.22兆NTD (5.9兆円)からさらに伸び、2025年も材料分野を中心に成長が続くと見ている。
2026年にかけてもAI・HPC向けを中心に1.3兆NTD (6.3兆円)超えが視野とされる一方、為替・関税、中国需要減速などマクロリスクが懸念点として挙げられている。
(出典:TPCA、経済日報、PCB007、CNT)