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加工技術 試作 2026.06.22

微細化する電子部品・精密機器開発に、3Dプリントはどこまで対応できるのか ― 高精度マイクロ3Dプリントによる試作・検証の新たな選択肢 ―

BMF Japan株式会社

プリント基板関連ピックアップ記事 微細化する電子部品・精密機器開発に、3Dプリントはどこまで対応できるのか ― 高精度マイクロ3Dプリントによる試作・検証の新たな選択肢 ―

電子機器やセンサー、精密機器の小型化が進むなか、開発現場では、基板や電子部品そのものだけでなく、その周辺にある治具、固定部品、センサー構造、微細流路などにも高い寸法精度が求められるようになっています。

たとえば、微小部品を保持するためのカスタム治具、検査工程で使用する位置決め部品、小型センサー周辺の微細構造、流体制御や冷却評価に用いる微細流路などは、数量は多くなくても、開発スピードや評価精度に影響します。一方で、こうした部品を従来工法だけで短期間に試作することは、コストや納期の面で難しい場合があります。

こうした課題に対する選択肢の一つが、マイクロスケールに対応した高精度3Dプリント技術です。BMFは、PµSL(Projection Micro Stereolithography)技術を活用したマイクロ3Dプリンター「microArch®」シリーズを展開し、研究開発、精密試作、小ロット生産向けに微細構造の造形ソリューションを提供しています。
 

微細構造試作で生じやすい課題

BMFのマイクロ3Dプリント技術によるマイクロ流路造形例

図1:BMFのマイクロ3Dプリント技術によるマイクロ流路造形例

電子部品や精密機器の開発では、製品の小型化に伴い、数十µmレベルの構造再現性が必要になるケースが増えています。しかし、開発現場では、主に次のような課題が生じます。

● 課題1:微細精度と複雑な三次元形状の両立 

アンダーカット、曲面、格子構造、内部流路などは、微細切削や射出成形では加工方向や工具径、型抜きの制約を受けることがあります。そのため、設計上は必要な形状であっても、試作段階で加工方法の制約を考慮しなければならない場合があります。

● 課題2:頻発する設計変更と「試作スピード」の乖離 

開発初期には、形状や寸法、組み付け条件を確認しながら、複数回の設計変更を行うことが一般的です。しかし、外注加工や試作金型を前提とすると、1回ごとの修正に時間と費用がかかり、検証サイクルが長くなりやすくなります。

● 課題3:数cmサイズの中に数十µmを組み込む「クロススケール」の難しさ 

単に小さな部品を作るだけでなく、数mmから数cm程度の部品の中に、微細な流路、薄肉構造、微小な突起や凹凸を組み込むニーズが増えています。このようなクロススケールの加工では、微細形状の再現性と部品全体の寸法安定性の両方が重要になります。

 

BMFのPµSL技術とは

図2:BMFのマイクロ3Dプリンター「microArch®」シリーズ

図2:BMFのマイクロ3Dプリンター「microArch®」シリーズ

BMFのマイクロ3Dプリント技術は、光造形をベースとしたPµSL技術により、微細構造を高い再現性で造形する技術です。デジタルモデルから直接造形できるため、金型を必要とせず、複雑な微細形状を短期間で試作することが可能です。

BMFの「microArch®」シリーズは、2µmまたは10µmの光学解像度に対応し、用途に応じて±10µmまたは±25µmの加工公差制御を実現します。これにより、従来の汎用3Dプリンターでは難しい微小部品や微細構造の試作にも対応できます。

また、BMFの技術は、単なる小型部品の製作にとどまりません。微細構造、複雑な三次元形状、実用的な造形サイズを組み合わせることで、研究開発段階の設計検証、機能評価、少量生産において、従来工法を補完する新たな製造手段となります。

 

電子部品・精密機器開発での応用可能性

BMFのマイクロ3Dプリント技術は、プリント基板そのものを製造する技術ではありません。しかし、電子部品・基板周辺技術・精密機器開発において、微細構造を必要とするさまざまな場面で活用できます。

図3:microArch®S240によるRJコネクタ造形例

図3:microArch®S240によるRJコネクタ造形例

【主な活用領域】

  • 治具・固定具: 微小部品の位置決めや保持、検査工程で使用するカスタム治具
  • センサー・光学: センサー周辺の微細構造部品、光学・測定機器向けの精密部品
  • 流体・化学: 分析装置や流体制御デバイスに用いられるマイクロ流路(バイオ・医療含む)
     

特に、形状、機能、組み付け性、流体特性、光学特性などを早い段階で確認したい場合、高精度3Dプリントによる試作は有効です。CADデータから直接造形し、評価結果を次の設計にフィードバックすることで、開発初期の検証サイクルを短縮しやすくなります。

また、社内や研究室内で高精度な内製試作(インハウス化)が可能になれば、外注依存による図面説明の手間や仕様調整のタイムラグ、さらには開発中の機密情報の流出リスクを最小限に抑えながら、柔軟に設計検証を進めることができます。
 

用途・精度・生産性で選べるmicroArch®シリーズ

BMFは、求められる精度、造形サイズ、生産性に応じて複数のマイクロ3Dプリンターを展開しています。

図4:microArch® S230による微細構造の造形サンプル

図4:microArch® S230による微細構造の造形サンプル

  • microArch® S230(光学解像度:2µm):超高精度を極めたフラッグシップモデル。極限の寸法精度が求められるマイクロ流路、薄肉構造、小型部品など、形状再現性が重視される研究開発・精密試作用途に適しています。 
  • microArch® S240 / S140(光学解像度:10µm) :10µmの光学解像度に対応し、精度と造形サイズのバランスが求められる試作・小ロット用途に活用できます。実用サイズの部品に微細構造を組み込みたい場合にも選択肢となります。
  • microArch® S150 / S150 Ultra(光学解像度:25µm):25µmの光学解像度に対応し、造形スピードや生産性を重視する用途に適したモデルです。試作回数が多い部品や、小ロット製作を効率的に進めたい場合に選択肢となります。
     

図5:精密コネクタの造形例と造形時間比較

図5:精密コネクタの造形例と造形時間比較
個別サイズ:41.0mm(L) × 4.6mm(W) × 9.7mm(H)、造形数量:12個
 

試作・検証プロセスで期待できる効果

  • 「設計検証サイクル」の圧倒的な短縮:  CADデータからダイレクトに造形。設計変更後の再試作・評価を数日単位で回せるため、開発期間の短縮につながります。
  • 「試作金型ゼロ」による初期コスト・リスクの低減:  量産前の検証段階で高額な金型投資が不要になり、開発初期のコストリスクを劇的に抑えることができます。
  • 工法の制約に縛られない「設計自由度」の解放:  切削工具が届かない、金型から抜けないといった複雑形状や微細な一体構造をそのまま形にできるため、設計者のアイデアを制限しません。
  • 試作から小ロット生産までの柔軟な対応:  少量多品種の部品製作や、特殊用途のカスタム部品にも柔軟に対応。試作フェーズから実用部品の製造まで、製品開発の幅を広げます。
     

微細化時代の開発を支える新たな選択肢

電子部品、センサー、医療機器、精密機器の開発では、今後さらに小型化・高機能化・複雑化が進むと考えられます。それに伴い、微細構造を高精度かつ短期間で試作できる技術の重要性は高まっていくでしょう。

BMFのマイクロ3Dプリント技術は、プリント基板製造そのものを置き換えるものではありません。しかし、基板周辺の精密部品、検査・組立用治具、センサー構造、マイクロ流路、光学・医療・研究開発向け部品など、微細構造を必要とする幅広い領域で、従来工法を補完する有効な手段となります。

微細化する製品開発において、「高精度」「短納期」「複雑形状」「小ロット対応」をどのように実現するかは、多くの開発現場に共通する課題です。BMFは、PµSL技術とmicroArch®シリーズを通じて、研究開発・精密試作・小ロット生産における新たな選択肢を提供しています。

微細構造の試作、精密部品の設計検証、特殊治具の製作などで課題をお持ちの方は、BMF Japanまでお気軽にご相談ください。

BMF Japan株式会社

BMFは、精密微細加工分野に特化したマイクロ3Dプリンターメーカーです。独自のPµSL技術により、最高2µmの光学解像度と±10µm/±25µmの公差制御を実現し、研究開発・精密試作・小ロット生産向けに微細構造の造形ソリューションを提供しています。

https://www.bmf3d.co.jp/
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