2025年5月14日(水)〜16日(金)インテックス大阪にて「高機能素材Week 大阪展」が開催される。
同展は、機能性フィルム・プラスチック・セルロース・炭素繊維複合材・金属・セラミックスなど最先端の素材とその関連技術が集う総合展示会だ。10の構成展からなり、同時開催展などと合わせ、過去最大の530社の出展を誇る。来場者は38,000人が見込まれる。入場は無料。来場者登録制の本展は、公式サイトから来場事前登録を行える。
本記事では、主催者であるRX Japan株式会社への独自取材やプレスリリースをもとに、その見どころについて紹介する。
目次
■「高機能素材Week 大阪」概要
■ 【新構成展】「リサイクルテック ジャパン」
■ 【新構成展】「素材工場の脱炭素化展」
■ 【同時開催】ネプコンジャパン関西
■ 各素材分野ごとの多彩なセミナー
■「高機能素材Week 大阪」の来場事前登録はこちらから
高機能素材Week 大阪は、機能性フィルム、プラスチック、セルロース、炭素繊維複合材、金属、セラミックスなど最先端の素材技術が一堂に集まる、西日本最大規模の素材総合展示会である。
近年、カーボンニュートラルへの対応や資源循環、脱炭素、海洋プラスチック問題といった地球規模の課題解決が産業界に求められており、素材産業の役割が一層重要視されている。同展は、サステナブルな社会の実現や製品の高付加価値化を目指し、材料メーカー、加工業者、エレクトロニクス、自動車、医療、航空宇宙など幅広い業界の技術者や研究者が集い、最新技術や情報を共有・発信する場として開催されている。
2025年展では、新たに「素材工場の脱炭素化展 -Green Process Japan-」「リサイクルテック ジャパン」が加わり、環境への配慮を前提とした産業促進という同展の方向性がより明確になっている。
また、関西での初開催となる「第1回[関西]ネプコン ジャパン -エレクトロニクス開発・実装展」も同時開催され、エレクトロニクス・実装関連の先端情報へもアクセス可能だ。
[ 高機能素材Week の構成展 ]
・高機能フィルム展 - FILMTECH JAPAN -
機能性フィルムの成形加工技術や材料、機能性フィルムが集結
・高機能プラスチック展 - PLASTIC JAPAN -
機能性樹脂、樹脂原料・添加剤、炭素繊維複合材および成形加工機器、研究開発支援サービスが集結
・高機能金属展 - METAL JAPAN -
金属材料や検査機器・リサイクル技術など、高機能金属に関する技術・装置が集う
・高機能セラミックス展 - CERAMIC JAPAN -
工業炉・粉体技術などのセラミックス成形・加工技術が出展
・接着・接合 EXPO - Adhesion & Bonding Expo -
異種材料接合から一般用途まで、製造業で欠かせない接着・接合技術に特化した専門展
・塗料・塗装設備展 - COATING JAPAN -
機能性塗料から塗装設備・表面処理技術などが一堂に出展
・サステナブル マテリアル展 - SUSMA -
サステナブル材料(環境配慮型材料)およびその製造・リサイクル技術に特化した専門展
・[New] 素材工場の脱炭素化展 - Green Process Japan -
鉄鋼、化学、窯業・セメント、紙・パルプ、非鉄金属などの素材工場の脱炭素化に特化した専門展
• リサイクルテック ジャパン
リサイクルの技術革新と、エコシステムを実現する展示会
・Photonix - 光・レーザー技術展 -
レーザー加工機、光学部品・材料、光計測器・光分析装置などが出展する、光・レーザーの専門展
出典:高機能素材Week | リサイクルテック ジャパン公式ページ
リサイクルテック ジャパンは、カーボンニュートラルの実現に向けてリサイクル分野が本格的に見直されるなか、リサイクル技術の革新とエコシステムの社会実装を目的として新たに開催される展示会である。
現在、社会的要請が高まっている気候変動対策や資源循環型社会の実現のためには、材料メーカー、製造業、物流、小売、産業廃棄物事業者、自治体など、多様な業種が連携し、最先端のリサイクル技術やソリューションを共有・発信する場が必要とされている。
同展では、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクル、カーボンリサイクルに関連するプロジェクトや設備、リサイクル支援技術、回収・選別・破砕・再生機器など幅広い分野をカバーし、新技術や業界動向の情報収集、専門的な商談、業界関係者とのネットワーキングを提供する。
また、同展では周辺分野も含め、リサイクル関連のセミナーを多数開催し、リサイクルの最新の動向についての学びの場を提供する。
[出展製品・技術]
リサイクルプロジェクト(マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル・サーマルリサイクル・カーボンリサイクル関連)/リサイクル支援(ISO認証機関・取得支援、DX/AI技術、リサイクル設計・ソフトウェア、検査・測定・分析、スクラップ回収)/マテリアルリサイクル設備(回収機械、選別・遺物除去機、破砕・粉砕機、洗浄装置、再生ペレタイザー・成型機)/ケミカルリサイクル関連(ガス化設備・技術/油化設備・技術、原料・モノマー化設備・技術、コークス炉化学原料化設備・技術、高炉原料化設備・技術) etc.
[関連セミナー]
■ 2025年05月14日(水)|11:00 ~ 11:45
[ RCL-K1 ] 循環経済の移行に向けた施策の最新の動向について
環境省 環境再生・資源循環局 総務課 循環型社会推進室長 兼
リサイクル推進室長 近藤 亮太氏
環境省では2024年8月2日に第五次循環型社会形成推進基本計画を策定した。2024年7月には初めて「循環経済に関する関係閣僚会議」を設置し、本計画を国家戦略に位置付けるとともに、その実現に向けた具体的な取組を2024年12月に政策パッケージとして取りまとめた。同講演ではこのような政府の最新の動向について説明する。
■ 2025年05月14日(水)|12:45 ~ 13:30
[ RCL-K2 ] 成長志向型の資源自律経済の確立に向けた取組について
経済産業省 GXグループ資源循環経済課
国際資源循環管理官 高橋 幸二氏
近年では、廃棄物問題や気候変動問題に加え、世界的な資源需要と地政学的なリスクの高まりといった資源制約の観点から、サーキュラーエコノミーへの移行が喫緊の課題となっている。同講演では、我が国における資源循環経済政策の最新動向について解説する。
■ 2025年05月15日(木)|12:15 ~ 13:45
[ RCL-S1 ] 自治体を核としたプラスチック資源循環の未来像
CLOMAはプラスチックの循環利用を推進しコミュニティや生活者とともに海洋プラごみのゼロ化を目指す企業アライアンスである。同セミナーでは神戸市を招き、同市が進めるプラ回収に参画する企業との議論を通して官民連携の勘所や未来像に対しての議論を行う。
[モデレーター]
• クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス事務局 事務局次長 柳田 康一氏
[パネリスト]
• アミタホールディングス(株)執行役員 宮原 伸朗氏
• (株)ヤクルト本社 サステナビリティ推進部 資源循環推進課 担当課長 久保 昌男氏
• 神戸市 環境局資源循環課 課長 井関 和人氏
■ 2025年05月15日(木)|14:45 ~ 15:30
[ RCL-K3 ] RecyCreation 再生創造
花王(株)代表取締役 社長執行役員 長谷部 佳宏氏
「使ったら捨てる」という従来の考え方を見直し、「捨てるものが新たな社会の財産になる」という視点で、「廃棄されるプラスチックを活用し、高耐久な道路を実現する技術」「廃棄されるレフィル容器を再生し、自由な発想で新たな価値を創出する取り組み」について紹介する。
■ 2025年05月16日(金)|12:15 ~ 13:45
[ RCL-S2 ] ケミカルリサイクルの社会実装に向けたCLOMA企業連携
[モデレーター]
• クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス事務局 技術統括 南部 博美氏
[パネリスト]
• (株)セブン&アイ・ホールディングス ESG推進本部
サステナビリティ推進部 シニアオフィサー 尾崎 一夫氏
• 三菱ケミカル(株)ベーシックマテリアルズ&ポリマーズビジネスグループ
戦略企画本部 CN・CE戦略部 部長 板東 健彦氏
• 三井物産(株)パフォーマンスマテリアルズ本部
サーキュラーエコノミー推進チーム 次長 道明 太郎氏
日本のプラスチック資源循環を加速するためのキーとなるケミカルリサイクル技術の社会実装にはさまざまな課題が存在する。CLOMAにおける商社、石油化学メーカー、リテーラーといった循環を構成するステークホルダーを交えた議論により課題解決の方向性を探る。
出典:高機能素材Week | 素材工場の脱炭素化展公式ページ
「素材工場の脱炭素化展 -Green Process Japan-」 は、鉄鋼、化学、窯業・セメント、紙・パルプ、非鉄金属などの素材工場の脱炭素化に特化した専門展示会である。
日本政府は「2050年カーボンニュートラル達成」を目標に掲げている。国内のCO₂排出量の約4分の1を製造業が占め、そのうち約8割が素材産業によるという現状をふまえ、素材産業の生産プロセス転換は、脱炭素社会実現のために不可欠となっている。
同展では、燃料転換やCO₂分離・回収、グリーン水素利用、省エネルギー技術、LCAソフトやCO₂計測機器など、素材工場の脱炭素化に資する最先端技術・製品が一堂に集まり、燃料や製造プロセスから工場全体に至るまで、幅広い領域の脱炭素ソリューションが展示される。
[出展製品・技術]
燃料転換技術(グリーン水素、アンモニア、バイオ燃料など)/CO₂分離・回収装置および関連技術/省エネルギー設備・技術(高効率ボイラー、ヒートポンプ、廃熱回収など)/工場全体のエネルギーマネジメントシステム/LCA(ライフサイクルアセスメント)ソフトやCO₂排出量計測機器/カーボンリサイクル技術/脱炭素プロセス設計・最適化ソリューション/再生可能エネルギー導入・活用技術/排ガス処理・浄化装置/鉄鋼、化学、窯業・セメント、紙・パルプ、非鉄金属など素材産業向けの脱炭素化関連技術全般 etc.
エレクトロニクス機器の多機能化・高性能化が進む現在、電子部品・材料や製造・実装・検査装置の分野について、さらなる最先端技術へのニーズが高まっている。従来東京を中心に開催されてきたネプコン ジャパンが、関西地域の製造業やエレクトロニクス産業の発展支援のため、ついに大阪で初となる開催を決定した。
同展には、電子機器・半導体・パワーデバイス分野を中心に、国内外のメーカー・サプライヤーの最新の電子部品・材料、製造装置、検査装置などが一堂に会する。電子機器・半導体、自動車・電装品、航空・宇宙分野のメーカーにとって、最先端技術のキャッチアップや新規取引先の開拓、業界動向の把握に最適の場を提供する。
[出展製品・技術]
電子部品・材料(各種半導体、受動部品、コネクタ)/プリント配線板(PCB)/製造装置(実装機、組立装置、はんだ付け装置)/検査装置(フライングプローブテスタ、カメラモジュール撮像テスタ)/微細加工技術・装置/パワーデバイス関連技術/クリーンルーム対応の試作・量産支援サービス/自動化・省人化ソリューション(ローダー・アンローダー装置)etc.
会期中は120件のセミナー・パネルディスカッションが実施され、各素材分野を代表する講演者・パネリストが登壇する。国産技術として高い関心を集める次世代型の太陽電池技術であるペロブスカイトを主題とした基調講演を始め、基板の窓口が注目するセミナーをピックアップした。
■ 2025年05月14日(水)|13:15 ~ 14:45
[ SUSMA-S1 ] ラベル産業から「未来社会」を考えるー 「資源循環プロジェクト」から始めるサーキュラーエコノミーへの転換
同講演では、循環経済とは何か、なぜそれが必要とされるのか、そして循環経済実現に必要な条件、すなわち競争原理と共創原理の調和について概略を説明する。
[基調講演・パネリスト]
• 東海大学 政治経済学部経済学科 学長補佐、教授 細田 衛士氏
[パネリスト]
• 環境省 環境再生・資源循環局 廃棄物規制課(併任)
総務課・廃棄物適正処理推進課 課長補佐 水島 大輝氏
• 花王(株)生産技術センター SCM戦略部 ESG・業務推進部長 野元 秀利氏
• 第一三共(株)テクノロジー本部 生産統括部
平塚工場 技術管理部 技術課 リードアソシエイト 大西 遼介氏
• 資源循環プロジェクト 代表 /日榮新化(株) 資源循環事業部長 本池 高大氏
■ 2025年05月14日(水)|15:45 ~ 16:30
[ RCL-K2 ] 産学連携で国力を強化する米国 -複合材料の視点から-
金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター 教授・顧問 小田切 信之氏
1990年代、米国の産業界は、垂直統合から水平分業へ転換、これにより、産/学間の人材流動が一気に加速した。強くなった米国の大学の現状を概観する。
■ 2025年05月15日(木)|10:30 ~ 12:00
[ MW-S1 ] マテリアルズインフォマティクスが切り拓く革新的材料の世界
[モデレーター]
• (株)たすきづな 代表取締役 柳原 直人氏
[パネリスト]
• 旭化成(株)デジタル共創本部
データインテリジェンスセンター シニアフェロー 青柳 岳司氏
• 国立大学法人京都大学 大学院理学研究科化学専攻 教授
副プロボスト 理事補(企画・調整担当) 北川 宏氏
• (株)Preferred Networks 共同創業者 代表取締役 最高技術責任者 最高研究責任者/(株)Preferred Computational Chemistry 代表取締役社長/(株)Preferred Elements 代表取締役社長 岡野原 大輔氏
マテリアルズインフォマティクス(MI)は革新的材料の開発において起爆剤になることが期待されている。本講演ではアカデミア、スタートアップ、大手化学企業で革新的材料の開発に関わる第一人者を招き、①MIの現状と、②MIの革新的材料開発への応用や期待されるシナジーについてパネルディスカッションを行う。
■ 2025年05月15日(木)|13:00 ~ 13:45
[ MW-K ] フィルム型ペロブスカイト太陽電池の開発と社会実装に向けた取り組み
積水化学工業(株)代表取締役社長 加藤 敬太氏
積水化学工業は、次世代の革新的エネルギー技術として、独自技術が詰まったフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実用化を推進している。本講演ではその開発状況と、軽量・柔軟性を活かした特長による新たな展開、持続可能な社会実現に向けた可能性について講演する。
■ 2025年05月16日(金)|10:30 ~ 11:15
[ SUSMA-S2 ] ホンダが目指すリソースサーキュレーションへの商品技術開発と提供価値
(株)本田技術研究所 材料研究センター モビリティ材料研究開発室 室長 高田 健太郎氏
地球環境と持続可能な社会のために企業の取り組みとしてリソースサーキュレーションは必要不可欠である。欧州を中心にグローバルで再生材利用の規制が加速する傾向にあり、モビリティへの適用はさまざまな課題がある。商品展開へ向けた課題と顧客への提供価値をどのようにバランスをとり進めるかを考える。
■ 2025年05月16日(金)|14:00 ~ 14:45
[ CERA-3 ] ミリ波帯アンテナ一体型モジュール技術
(株)村田製作所 プリンシパルリサーチャー 上田 英樹氏
ミリ波帯では、伝送損失が大きいという課題を克服するためアンテナ一体型モジュール(AiM)が用いられる。また、ミリ波通信の普及に向けた課題の一つに低コスト化が挙げられる。アンテナのパフォーマンスと低コスト化を両立する村田製作所独自の技術を紹介する。
全来場者登録制の本展は、公式サイトから来場事前登録を行うことで、当日のスムーズな入場ができる。
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