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展示会レポート 2019.08.09

Medtec Japan 2019/ファインケミカルジャパン 2019

エレクトロニクス 実装技術 編集部

Medtec Japan 2019/ファインケミカルジャパン 2019

 

 医療機器の設計/製造に関する専門展示会/セミナーである『Medtec Japan 2019』と、国内外の有力ファインケミカルメーカーと様々な産業分野の化学・製品メーカーが集結する『ファインケミカルジャパン2019』が、UBMジャパン(株)の主催により、3月18日(月)~20日(水)の3日間、東京ビッグサイトにおいて開催された。

 同展示会は、『CPhI Japan 2019(国際医薬品原料・中間体展)』、『ICSE Japan 2019(製薬業界受託サービスエキスポ)』、『P-MEC Japan 2019(医薬品原料機器・装置展)』、『BIoPh Japan 2019 (バイオファーマジャパン)』、『InnoPack Japan 2019 (DDS・医薬品包装展)』、『FDF Japan 2019(FDF 最終製剤エキスポ)』、『Pharma IT & Digital Expo 2019(ファーマIT&デジタル エキスポ)』との同時開催で行われた。

 来場者数は、合わせて51,346名に上った。

 

 (株)ナノでは、コンパクトでありながら高精度、簡単操作を実現した小型フライス盤『NANOWAVE MTS5R』を紹介していた。

 同製品は本体サイズ570×510×520mmと設置面積が小さく、仕様変更により、フライス盤としても旋盤としても研磨加工機としても使用することが可能。

 カバーのないオープンスペースな機械なので工具やワークの取り付けが容易であり、PCによる操作によって難しい技術を必要としない。

 主軸は最高回転数20,000min−1とし、さらに振れを極限まで抑えることによりφ0.1mm以下の小径穴加工も可能で、主軸の振れは2μm以下(調整で1μm以下も可)。

 主軸にはφ3の貫通穴が開いており、旋盤仕様の場合、長物の加工も行え、超硬などの難削材の加工も可能となっている。

 ソフトに至るまですべて自社で設計・製造を行っている点も大きな特徴となっている。

 

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小型フライス盤『NANOWAVE MTS5R』

 

 神鋼アクテック(株)では、同社工場で製造している脱臭/オゾン分解/有害ガス除去用フィルタを、デモを交えて紹介していた。

 同社では高性能接着剤、金属触媒、薬剤をハニカム形状に押出成形/添着加工する技術を有している。

 ハニカムの利点としては、粒状品に比べて圧力損失が低い、成形体のためハンドリングが容易、粉落ちが少ない、目詰まりがしにくい、などの利点があるという。

 同社製のオゾン分解用フィルタAKHは、非貴金属系触媒(AKH)をハニカム上に成形することでオゾン分解に適応するものとなっている。

 

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神鋼アクテック(株)のブース

 

 (株)木幡計器製作所では、小型、軽量、乾電池稼動の呼吸筋力測定器『IOP-01』を紹介していた。

 同製品は、同社と国立国際医療研究センターが、呼吸器疾患患者のリハビリ用に共同で開発した、操作がきわめてシンプルな携帯型の呼吸筋力測定専用器。

 口腔内圧測定法によるATS/ERS推奨法に準拠した測定器で、圧力変化グラフを見ながら呼吸筋力を測定できる。

 IDごとにデータ(測定年月日、PImax値あるいはPEmax値)を保存。

 本体寸法は76W×135H、35Dmmで、単3型アルカリ乾電池2本で稼動するので、リ八ビリ室や病棟への機器移動に手間がかからない。摂食嚥下障害などの診断や回復訓練、リハビリテーションに用いられるという。

 

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呼吸筋力測定器『IOP-01』

 

 (株)クローネでは、先進的なデザインを採用した、使いやすい高精度デジタル圧力計『KDM30』を紹介していた。

 同製品は、ユーザー側に立った設計思想を取り入れ、表示部を見やすい方向や角度に330°回転できるフレキシブルディスプレイ機構を新開発。

 本体の首振り機構によって様々な方向に取り付けても正面に調整でき、また表示部も回転するため取り付け位置に左右されず表示を見やすく調整することができる。

 さらに、圧力計の測定スペックとしてはほとんどすべての測定機能を取り入れており、また、接ガス/接液部の材質には腐食しにくいSUS316Lを採用しているので、様々な測定媒体に対応することができる点も特徴となっている。

 

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高精度デジタル圧力計『KDM30』

 

 NKKスイッチズ(株)のブースでは、抵抗膜方式の採用により、流れるような操作感、なめらかなマルチタッチを実現した、アナログタイプ4線式タッチパネル『TP01シリーズ』を紹介していた。

 抵抗膜方式タッチパネルなので入力方法を選ばず、指、ペン、手袋をしたままの入力も可能。

 フィルム表面にノングレア表面処理を施しているので蛍光灯などの映り込みを緩和している。

 また、軽荷重入力で2点ジェスチャー入力にも対応しており、同社従来品比1/2以下の入力荷重で確実な入力と軽快な操作感を実現。

 専用のコントロールボード(オプションを使用することで、ピンチイン/アウ卜などのマルチタッチ操作も対応となっている。

 金属テールを標準で採用している点も注目される。

 

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アナログタイプ4線式タッチパネル『TP01シリーズ』に関する展示

 

 関西電子(株)では、ナノファイバ紡糸量産を可能にする装置、溶融紡糸装置『KNTタイプ』に関する展示を行っていた。

 ナノファイバは繊維同士の分子間力が強く働くため、空気は通すものの吸着力が得られ、特に溶融紡糸技術のものは、①断熱性、②高い溌水性と親油性による油水分離能力で自重40~50倍の油を吸着する、③フィルタの圧損が少ない、などの特徴がある。

 ナノファイバは断熱材、吸音材、油吸着材(油回収)、保温材、アパレル素材、アグリ資材、除染、ウィルス防御、エアフィルタ、保水材(緑化)、吸水シート(医療)など幅広い分野での使用が期待されているが、大量生産が難しいことから高価なものとなっている。

 本装置は、高分子樹脂を溶解し、微細ノズルより高圧で噴出して長繊維を量産するもので、ポリマの材質により300~900nmの繊維を製造することができる。

 

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関西電子(株)のブース

 

 同展示会の次回開催は、2020年3月16日(月)~18日(水)の3日間、東京ビッグサイトにおいて開催される予定。

 

Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社エレクトロニクス 実装技術 編集部

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