同展は、ネットワーク・クラウド・セキュリティ・データセンター・AI・5Gなど、デジタル社会の基盤を支える最先端のICT技術が一堂に会する国内最大級のICT総合展示会である。国内外から約500社が出展し、展示に加え多数のカンファレンスやデモンストレーションも行われ、来場者は企業のIT担当者やインフラ技術者、DX推進責任者など幅広い層にわたった。
基板の窓口では、注目の出展企業ブースを訪問し、インタビュー動画を通じて最新ソリューションや導入事例を詳しく取材。ネットワークの未来と、ICTインフラの革新がもたらす新たなビジネスの可能性をレポートする。
Interop Tokyoは、インターネットとITの進化を支えてきた歴史ある展示会であり、ネットワークを起点としたテクノロジーの最新トレンドをリアルに体感できる貴重な場である。AI、IoT、ローカル5G、クラウドネイティブ化などにより、企業のITインフラはますます高度化・複雑化しており、それを支える技術・サービスへの注目が高まっている。
2025年展では、「AI×インフラ」「サイバーセキュリティ」「SASE」「ゼロトラスト」「ハイブリッドクラウド」といったテーマが中心に据えられ、多くの企業が実践的なユースケースや最新の製品・サービスを紹介した。
また、同時開催されたデジタルサイネージジャパン、APPS JAPAN、Connected Media Tokyoとの連動により、デジタル社会の全体像を横断的に捉えることができる展示構成となっており、来場者の満足度も非常に高い内容となった。
作業を見て聞いて判断する次世代ウェアラブル端末
https://youtu.be/vFkJvdS26YA
フェアリーデバイセズは、現場の作業を見て・聞いて・考えるAIソリューションとして、ウェアラブルAIカメラを中心に次世代機器を展示した。特に注目されたのは、作業員の首にかけて使用するカメラ型デバイスだ。作業者視点で広角映像を記録・送信でき、熟練者とのリモート支援やセルフメンテナンス支援にも活用できる。
録画映像はAIが自動解析し、日報やエビデンスとしても出力可能。作業手順の抽出も自動で行えるため、省力化・標準化を実現する。さらに、AIが映像内の状況を見て判断し、音声質問に回答するデモも披露された。
セミ・フルカスタム可能な産業用PC
https://youtu.be/6KwnyS8ww_4
ネクスコム・ジャパンは、ネットワーク用途を中心に多彩な産業用PCを展示した。ネクスコムグループの一員として、IoT、スマートシティ、車載、医療・ヘルスケアなど幅広い業界向けに製品を提供する。
標準品の提供に加え、ニーズに応じたセミカスタム・フルカスタム製品の提供も強みだ。また、日本国内にキッティングやアッセンブリ専用のエリアを設けており、ソフトウェアのインストールや修理受付といったサポート体制も充実する。
現場に寄り添うアイセルの在庫管理ソリューション
https://youtu.be/XsS2Xdnsncc
本展では、RFIDを活用した商品管理ソリューションを紹介した。iPadとRFIDリーダーを連携させることで、在庫の棚卸し状況をリアルタイムに可視化し、商品移動の有無を即座に把握できる仕組みだ。
さらに、ICタグを貼れない商品についても画像認識技術を活用し、登録された商品の画像情報をもとに現場での個数確認や所在管理を行える。これにより幅広い商品カテゴリーに対応可能で、在庫管理業務の効率化に貢献する。
顔認証技術を活用した勤怠管理ソリューション「カオパス」
https://youtu.be/7XTznpWgSvU?si=i7C5oVkDp-aHkAKE
本展では、ITインフラの専門企業であるブレーンアシスト株式会社が、顔認証技術を活用した勤怠管理ソリューション「カオパス」を紹介した。
同サービスは顔認証デバイスと各種クラウドサービスを連携させることで、打刻の自動化を実現するシステムだ。今回はキングオブタイムとの連携事例として、顔認証により出退勤情報を正確かつスムーズに記録できる仕組みを提案した。
ICカードやタイムカードのように紛失や貸し借りのリスクがない点も大きな強みであり、不正打刻防止やセキュリティ向上につながる。管理業務の効率化と職場環境の改善を同時に実現できるソリューションとして注目される。
ブロックチェーン事業を一気通貫で支援するWeb3コンサルティング
https://youtu.be/S0ldKS6sdjs
株式会社PacificMetaはWeb3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティング企業だ。ブロックチェーンを活用した新規事業開発やDX支援を強みとする同社は、企画・開発・マーケティングまでを一気通貫でサポートする体制を持ち、国内外から高い注目を集める。
同社の特徴は二点ある。ひとつはブロックチェーン事業における包括的な支援力だ。事業構想から実装、プロモーションまでをワンストップで支援し、企業と伴走するスタイルが評価される。もう一つはグローバル対応力だ。約70名のメンバーの半数以上が英語話者であり、各国にメンバーを配置することで、海外展開や多言語プロジェクトにも強みを発揮する。
KDDIや宇多田ヒカル関連のプロジェクトなど、大手企業への導入支援を200件以上保有する。
iPadで現場の空間を立体化「立体」
https://youtu.be/ivKIRqcsgi8
株式会社fogersは、iPadひとつで現場の空間をスキャンし、デジタルツインを生成する現場DXツール「立体」を展示した。3Dデータ上で設備の配置シミュレーションやマニュアルの閲覧、点検ログの蓄積などが可能で、製造や建設、物流業界を中心に幅広く導入が進む。
「立体」は、現場が見えないという多くの企業が抱える課題を解決する。空間をスキャンし、リアルな現場を3Dで可視化することで、工程理解や設備配置の検討、業務マニュアルの共有が直感的に行える。
自動車部品大手のアイシンや、小売・建設関連の企業でも採用実績がある。
複数プロジェクトを1画面で管理「MOTHMOTH」
https://youtu.be/1hhunyZXRTM?si=wBg2jnCMx7xE73dN
本展では、デザイン会社の視点から生まれた新しいプロジェクト・タスク管理ツール「MOTHMOTH」を紹介した。
社内のデザイン業務における実体験から既存ツールに課題を感じ、より直感的かつ実務的に使えるツールとしてMOTHMOTHを開発。同サービスはリソース管理と実行管理の両面を1画面で完結できる点が特徴だ。
従来のツールではプロジェクトごとの切り替えが必要だったが、MOTHMOTHではタスク、リソース、カレンダー、進捗状況を1つの画面で統合管理できる。これにより、マネジメントサイドの判断スピードが大幅に向上し、作業負担も軽減される。
イベントの課題を解決するWeb型メタバース「VXPO」
https://youtu.be/dC3Q-cKC8uQ?si=YR6xvN_4ersdXcef
本展では、Webブラウザから誰でも簡単に参加できるメタバースイベントスペース「VXPO」を紹介した。株式会社m-labが提供するこのサービスは、アプリやVR機器を必要とせず、PCやスマートフォンからのアクセスのみで参加できる。
オンラインイベントでは、情報発信はできても参加者同士の交流が生まれにくい。リアルイベントでは地域限定の集客しかできないなど、イベント主催者が抱えるさまざまな課題が存在する。VXPOはこれらを解決する手段として、アバターを使った空間参加型のイベントを実現する。心理的ハードルを下げ、参加者間のコミュニケーションを自然に促進し、全国各地からの参加も可能にする。
実際に、大手企業から学校法人、地方自治体で導入実績がある。
企業説明会や学校の入学式、地方移住促進イベント、婚活イベントなど、リアルとオンラインの課題を補完する新しいイベント形態として活用が広がる。
1社ごとに最適化するカスタム画像解析AI
https://youtu.be/l-biURT6gLE
本展では、1社ごとにフルカスタマイズされた画像解析AIの開発サービスを紹介した。株式会社MinD in a Deviceは、一品一様のAI開発を掲げ、製造業やインフラ業界における画像解析ニーズに対応している。
同社の大きな特長は、学習データが少ない環境でも高精度なモデル構築を可能にする独自技術だ。画像解析分野では、データ不足と精度の両立が難題となる中、同社は従来の単純なデータオーグメンテーションに頼らず、質の高いデータ生成と補完技術によりこの課題を克服する。
製造現場では、不良品の画像データがほとんど存在しないことが多いが、同社はこうしたケースにも対応可能だ。
住友電工やアイシンなどの製造業、JR東日本や九州電力といったインフラ企業を中心に多くの導入実績があり、各社の課題に即したAIシステムの提供で信頼を獲得する。
製造業に特化したスタートアップが挑む 現場の課題と知の継承
https://youtu.be/kYaCjGCeA_g?si=gHQafnKNyOAUZCj9
本展では、製造業に特化したオーダーメイドAI開発や、知の継承・特許調査を支援する独自サービスを紹介した。株式会社エムニは、東大・松尾研究室発のスタートアップ企業として創業1年半ながら、既に100名規模の組織へと急成長を遂げており、製造業界におけるAI活用の最前線で存在感を放つ。
主軸となるのは、製造業の現場課題に応じてゼロから設計されるオーダーメイドAIだ。業務効率化や品質向上など、企業ごとのニーズに即したソリューションを構築する。
社内情報をもとに関連データを引き出すチャットボットの開発案件では、わずか2ヶ月間で回答精度を60%向上させた事例も持つ。
加えて、自社サービスとして提供しているのが2つのAIプロダクトだ。1つ目の「AIインタビュアー」は、ベテラン社員の暗黙知をAIがインタビュー形式で抽出し、若手へのスムーズな知識継承を実現。マニュアルでは伝わらない熟練技術の共有を可能にする。
2つ目の「AI特許ロケット」は、特許文書を解析して自動でパテントマップを作成するツールであり、人手による分類と同等レベルの精度を持ちながら、圧倒的な時間短縮を実現する。
高品質・低価格を両立した光トランシーバー
https://youtu.be/dy5H2rghlXY
本展では、AIデータセンターやテレコム向けに提供される400Gbps/800Gbps対応の光トランシーバーを紹介した。サイフィックスは、チップからトランシーバーまでを一貫して自社工場で製造しており、高品質・低価格・短納期という3つの強みを備える。
主力製品は、AIインフラの通信基盤を担う高速光トランシーバーで、特に400G ZR+などのデータセンター間接続やテレコム用途での需要が高まる。また、100Gや10Gといった汎用トランシーバーのラインナップも揃え、幅広い通信インフラのニーズに対応する。
海外ではすでにGAFAといったグローバル大手データセンターに製品を供給しており、信頼性の高い選定実績を誇る。
現在は日本国内市場への本格展開を開始しており、今後のAIデータセンターや次世代通信インフラを支える存在として注目される。
宇宙防衛レベルの国産セキュリティ
https://youtu.be/k1yD98GhAhk
本展では、スカイゲートテクノロジズが自社開発した完全国産のゼロトラストセキュリティソリューションを紹介した。クラウドネイティブ環境に最適化されており、SaaSを積極活用する企業やSMBからエンタープライズ企業まで、幅広く対応可能だ。
同製品は、外部からの攻撃に加え、内部不正なりすましといったリスクに対しても高い防御力を備える。完全なセキュリティを構成するために、サイバーセキュリティとクラウドセキュリティの両要素を統合しているのも大きな強みだ。
宇宙防衛分野などで活用実績があり、機密性の高い環境でも信頼される。現在は民間からの問い合わせも増えており、セキュリティ商材を扱うパートナー企業を通じて、さらに導入が広がっている。
オープンソースで自由なIT戦略を実現 SAPに選ばれるSUSEの強み
https://youtu.be/6vqBHgM4gpM
今回の展示では、ドイツ発のオープンソースOSベンダーとして世界的に知られるSUSEのソリューションが紹介された。SUSEの最大の特徴は、SAPのほとんどの製品に組み込まれて出荷されるほどの高い信頼性と、ミッションクリティカル領域での実績を備えている点だ。実際にMUFGをはじめとする金融機関など、重要業務での稼働例も多い。
さらにSUSEは、AIインフラの基盤として注目が高まるKubernetes(クーバネティス)の提供にも注力しており、世界トップクラスのダウンロード実績を誇る。加えて、軽量Kubernetesとして人気の「K3S」も無償で提供し、自由度の高い選択肢をユーザーに提供している。
SUSEの強みは、オープンソースであることによりベンダーロックインがなく、自由なIT戦略を描けること。必要に応じて部分的に導入・切り離しが可能で、最適なシステムを柔軟に構築できる。さらに、Linuxに深い知見を持つSUSEは、古いバージョンのRHELやCentOSなども含めたマルチLinux環境のサポートを得意とし、低コストでの安定運用を支援している。
製造業、流通、小売、そしてAI基盤といった分野で幅広く採用されており、オープンソースならではの自由さと堅牢さを両立するソリューションとして注目を集めている。