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広告 2024.06.27

【限定資料公開!】エレクトロニクス業界に貢献する樹脂「SPS」の特長を徹底解説

基板の窓口編集部

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▼本資料で得られる情報の一部
・SPSの特長と想定事例について
・SPSが誇る誘電特性(電気特性)と耐熱性について
・実用例/加工例/アンテナ評価
・リフロー耐熱性をはじめとした、コネクターへの適正評価
・高周波用途への提案(5Gアンテナカバー、高周波対応コネクタ等)

出光シンジオタクチックポリスチレン_カタログイメージ

 

本記事では、エレクトロニクス業界で働く研究開発・生産技術職の方たちを対象に、出光興産により開発された、エンジニアリングプラスチック「シンジオタクチックポリスチレン(SPS)」について取り上げます。

同素材の最大の特徴は、優れた誘電特性と耐熱性であり、高速通信分野や、SMT関連分野などでの活躍が期待されています。自動車分野をはじめ、様々な分野で導入が加速しているSPSについて前回の紹介編に続き、エレクトロニクス分野への用途をメインに解説します。

 

目次

エンジニアリングプラスチックとは?

SPSとは?他樹脂との違いや特長など
 ‐従来の樹脂と何が違う?
 ‐優れた耐熱性と誘電特性について

SPSの応用事例
 ‐耐熱性と誘電特性を生かした応用事例の紹介
 ‐めっき用途例・MID加工例・アンテナ評価の紹介

新規材料・開発材の紹介
 ‐SMT実装に対応した新規グレード「S145」とは?
 ‐開発材(S146・S840X)とは?

CAE解析(Computer Aided Enjineering)支援について
 

 

エンジニアリングプラスチックとは?

エンジニアリングプラスチック(通称:エンプラ)とは、長期耐熱性(UL温度インデックス)が、100~150℃の温度領域にある結晶性/非晶性の熱可塑性樹脂を指します。従来の金属部品の代替だけでなく、その特性を生かし多様な製品が生み出されています。

SPSに類するエンジニアリングプラスチックには、66ナイロン(PA66)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)などがありますが、新グレードのSPSには耐熱性が向上し、これら素材と比べても良好な物性を発揮します。

出光シンジオタクチックポリスチレン_プラスチック市場におけるSPSの位置づけ

 

SPSとは?他樹脂との違いや特長など

従来の樹脂と何が違う?

シンジオタクチックポリスチレン(SPS)は1985年に当時の出光興産(株)中央研究所にて、メタロセン触媒技術を用いて世界で初めて合成に成功した結晶性のポリスチレンです。SPSは前述の通り、出光興産独自開発のエンジニアリングプラスチックです。

SPSはベンゼン環が交互に規則正しく配列しており、これをシンジオタクチック構造と言い、ベンゼン環同士が凝集して結晶化構造をとります。故に融点を持ち、その温度は270℃です。

SPSの特徴は、主に6つあり、ポリスチレンが一般的に持つ、低比重、電気特性、良成形性、耐加水分解性に併せて、結晶性が故の、耐熱性、耐薬品性を持ちます。

また、シンジオタクチック構造は、小さなエチレン鎖に巨大なベンゼン環凝集体が配置されています。そのため、成形熱収縮後は樹脂の流れ方向とその直角方向であまり差のない等方性を示し寸法精度が高く、板状成形体では反りにくい、箱形状では内ソリが出にくいという特徴を持ちます。

ポリスチレンの構造の種類3種


 

優れた耐熱性と誘電特性について

融点が270℃ということで、耐熱性があります。GF強化系グレードの荷重たわみ温度は、低荷重で265℃前後、高荷重で245℃であり、短期耐熱性では、スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)群と同等の耐熱性を持ちます。

長期耐熱性としてはUL(アメリカ保険業者安全試験所規格)のRTI(Relative Thermal Index:相対温度指数)は130℃となっています。一部市場で競合するPBTやPA66よりは優れた耐熱性を示します。また、ハンダ耐熱性も高いことから、鉛フリーのハンダによる局所フローを使うハンダ実装や、スルーホールリフローなどのSMT実装についても十分対応できるため、自動車分野のコネクターでは世界的に実績を上げています。

また、炭素と水素のみで構造しているため、ポリオレフィン系と同様、誘電率や誘電損失が小さいことが特徴です。また、周波数依存性が比較的少ないため、低周波から高周波領域で誘電率、誘電損失が低いことも特徴です。これらの特徴に加え、自動車分野では76GHz~82GHz領域のミリ波でも誘電率/誘電損失が低いことからミリ波レーダーカバーに採用されています。

一方日用品分野では、電子レンジのマイクロウェーブを透過させて中のモノだけが温まるため、電子レンジ調理器部品及び電子レンジ食器への採用も広がっています。

シンジオタクチックポリスチレンの誘電特性グラフ

シンジオタクチックポリスチレンの耐熱性グラフ

 

SPSの応用事例

SPSの持つ耐熱性・誘電特性を生かした応用事例(問題解決)

自動車分野では、ハンダ耐熱性と低誘電率/低誘電損失を必要とする高周波コネクター、高速通信コネクターの応用事例があり、SPSでも実績化しています。

また、日用品分野では、100℃近辺の食用油に耐えられ、電磁波を透過させるSPSの特性から、電子レンジ調理器の容器への採用が進んでいます。たとえば高温の食用油を使うアヒージョも、SPS製電子レンジ容器を用いると、熱劣化の心配がなく容易に調理できます。

シンジオタクチックポリスチレンの車載部品への適用例

 

SPSのめっき用途例、MID加工例、アンテナ評価について

SPSはABS樹脂で使用する湿式メッキのクロム酸エッチングによるメッキや、レーザーエッチングによるMID(Molded Interconnect Device: 成形回路部品)加工が可能です。

(1)ABS樹脂と同様なメッキ工程でメッキが可能です。
アルカリ脱脂⇒クロム酸-硫酸エッチング⇒中和⇒コンディショニング⇒
キャタリスト⇒アクセレータ⇒無電解メッキ

(2)SPSの低誘電損失を維持したMID回路の形成
SPSは各種MID加工方法(レーザー描画法、LAP方式、マクセル方式、PEP方式
など)でMID回路を加工できます。

    ・レーザー描画法:金属錯体を樹脂中に含ませ、レーザー照射で金属錯体を触媒化
させ無電解メッキでMID加工する。
    ・LAP方式:成形体表面をレーザーエッチングし、エッチング部に触媒を付与させ、
 無電解メッキでMID加工する。
    ・マクセル方式:失活材を成形体へ含侵させ、以降はLAP方式と同様。
    ・PEP方式:成形体表面をサンドブラストし、凹部に触媒を付与、その後全面無電解メッキを施し、レーザーで部分的にメッキを除去。電気メッキで回路部(メッキ部分)を厚化。不要部分を溶解除去してMID加工する。

出光興産ではこれらのMID加工方法から、SPSの低誘電損失を活かした、スマホアンテナ回路、
フィルム回路、回路集積度の高い回路基板など、様々なMID回路基板へ挑戦中です。

シンジオタクチックポリスチレンのメッキ用途例

シンジオタクチックポリスチレンのMIDアンテナ評価表

 

新規材料・開発材の紹介

リフロー耐熱性に優れたコネクター向け新規SPS材料「S145」とは?

車載向けコネクターは、コネクター成形体が大きいため、従来は局所フローが主流でしたが、実装工程が2工程のため、それを1工程化する目的で、近年スルーホールリフローなどのSMT実装へも展開が進んでいます。

また、SMT装置自体の技術革新があり、大物成形体でも表面温度の管理が十分なされるSMT装置がマーケットへ投入されたため、従来、オーディオ、ナビ向け小型コネクターで使用されていたSMT実装が車載向け大型コネクターでも採用され始めています。そこで、出光興産ではSMT実装に対応したS145という新規グレードを立ち上げます。

S145の特徴は、
(1)耐熱性を従来品よりも15℃上げました。(荷重たわみ温度 高荷重で15℃向上)従来品では実装温度260℃が限界であり、それ以上になると表面粗度が急激に上がり、寸法変化も大きくなる傾向でしたが、S145は265℃においても表面粗度、寸法変化とも小さく、従来グレードよりも優れています。

(2)実用特性評価として、SMT実装前後のピン穴間、コネクター成形体全体の寸法変化、コプラナリティ、端子保持力、ブリスターを測定したところ、従来材、他社材(PPS, LCP, 芳香族PAほか)と比較しても、寸法変動値は小さい、コプラナリティは同等ないし小さい、ピン保持力は同等、ブリスターは発生しないことが分かりました。

これらの特徴を活かして、車載向けSMTコネクターにおいて採用実績を増やしています。

シンジオタクチックポリスチレン開発材 XAREC S145特性

シンジオタクチックポリスチレン新素材 XAREC S145特徴

 

開発材の紹介(S146X・S840Xについて)

自動車業界は、中国を主軸としたEV車の進展、欧米、中国、日本ではPHEVの拡大、日本では、HV/PHEVのエンジン車からの置き換えが進んでいます。EV車のパワートレインの主部品はインバーターを含むE-アクスル、HV/PHEVの動力源にインバーターが必須です。

これらの部品には、金属電極をインサートしたバスバー部品やモーターターミナルが存在し、インバータなどを構成しています。近年、このバスバーには −20~120、130℃レベルでのヒートサイクル、ヒートショック試験が必須となっており、これに耐えられる材料が求められています。

特に金属と樹脂の界面間の耐性が必要であり、現在、SPSにおける課題だったこのタフネスを解決する開発材、S146X(非難燃)、S840X(難燃)を検討中です。

シンジオタクチックポリスチレン開発材 XAREC S146X、S840X特性

 

CAE解析(Computer Aided Enjineering)支援について

SPSのもつ6つの特徴(低比重、電気特性、良成形性、耐加水分解性、耐熱性、耐薬品性)と等方性に近いが故の良寸法精度の特徴を活かして、自動車分野、家電・日用品、電機電子などの工業製品全般に採用が広がっています。

特に自動車分野では、各種コネクター、高速伝送コネクター、バスバーインサート部品、ヒューズターミナル、モーターターミナル、センサー、ミリ波レドーム、ソレノイドバルブ、電動ウォーターポンプ、電動オイルポンプなど多岐にわたって提案を進めています。製品開発サポートに際しては、単なる材料商売に限らず、設計提案にかかせないCAE解析支援も行っておりそれを出光興産の強みとしています。

出光興産では、全分野の製品の図面作成過程で、3DCADデータなどの情報にもとづき、以下のような解析を行い、SPS製品の部分最適化、設計変更提案などを進めることができます。

(1)    流動解析(射出成形時のシミュレーション)
(2)    ゲート位置の最適化
(3)    ソリ解析(製品寸法変化を追跡できます)
(4)    応力解析(どの部位に応力集中しているかの予測)
(5)    振動解析(振動がどのように伝わっていくか?)
(6)    熱電動解析(熱の伝わり方の予測)

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