通信・計測器大手のアンリツ株式会社は2026年1月8日から、オーストリアの計測器メーカーDEWETRON(デヴェトロン)のソリューションを国内で販売している。DEWETRONは高精度な電力計測に加え、さまざまな物理量や制御データの同期収集に強みを持ち、2025年10月にアンリツの完全子会社となった。
製品は世界各国の開発・評価現場で活用されており、アンリツのグループ会社である高砂製作所の電力制御技術と組み合わせることで、モビリティの電動化開発をさらに強力にサポートするテストソリューション提供を目指す。
アンリツは「国際カーエレクトロニクス技術展」(会期=2026年1月21~23日)に出展し、DEWETRONのソリューションを紹介した。

「DEWE3‑A4」は、多チャネルの電流・電圧・温度・振動・回転数・CAN・デジタル信号を同時計測できる可搬型データ収集(DAQ:データ・アクイジション)システムである。4つのモジュール用スロットを備え、1台でデータ収集・リアルタイム表示・解析までを行うオール・イン・ワン設計となっており、自動車の走行試験時の車載計測や再生可能エネルギー設備のフィールド計測など、さまざまな現場での活用ができる。
本体には13.3インチのフルHDタッチディスプレイとPC機能を内蔵し、計測現場で画面操作・測定結果の確認が可能である。

「DEWE3‑PA8」は1台で最大16相までの電力を高精度に解析できるパワーアナライザである。8つのモジュール用スロットを備え、DEWE3-A4同様に電力に加えて混合信号の記録・表示・解析にも対応している。EV(電気自動車)や航空宇宙分野の電動パワートレイン解析や再生エネルギー分野のパワーエレクトロニクス機器の解析を多角的にサポートする。
さらに、複数システム間の同期も DEWETRON の大きな特長である。システム同士を直接接続して 1つの統合システムとして扱えるほか、異なる設置場所にあるシステムを GPS・PTP・IRIGなど多様なソースを用いて同期することができる。
1チャネル当たり最大 10MS/s(1000 万サンプル/秒)の同時計測と高速データ保存により、短時間の高密度データ取得から信号構成に応じた長時間の連続計測まで柔軟に対応する。

高砂製作所は、電動化とバッテリー評価の高度化に対応した電力回生型ハイブリッド電源「RZ‑X2シリーズ」を紹介した。双方向直流電源と充放電電源の機能を1台に統合しており、二次電池の充放電試験やモーター・インバーターの特性試験など、多様な評価用途に対応する。
RZ‑X2シリーズは、電源と計測制御を統合したラック構成でバッテリー試験環境を容易に構築できる。電力回生技術の採用により効率と低ノイズ性能を確保し、CAN/CAN‑FDの通信インターフェースも標準装備されている。複数台の連結による大容量化や外部制御インターフェースも可能で、バッテリー評価から電動機器の試験まで幅広く対応する。