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基板設計 2026.01.05

Autodesk Fusion でできること

統合設計環境がもたらす新しい基板設計

オートデスク株式会社

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Autodesk Fusionで実現する「電子」と「機械」の垣根を超えた開発:製品の小型化・高機能化が進む中で、電子回路設計と筐体(きょうたい)設計の密接な連携はこれまでになく重要になっています。
従来、電子設計(ECAD)と機械設計(MCAD)は別々のソフトウェアで行われ、設計変更や干渉の確認には手間と時間がかかっていました。この課題を根本から解決するのが、Autodesk Fusionです。
Fusionは、3D CAD、CAM、CAE、そしてPCB設計機能までを単一のクラウドプラットフォーム上に統合した次世代の製品開発環境です。

Autodesk Fusionには、電子回路設計のための強力なツールが標準搭載されています。これはオートデスクが数年前に取得したEAGLE(PCB設計ソフトウェア)の技術を移植しており、直感的な操作性と高度な統合性を兼ね備えています。回路図設計からPCBレイアウト、3Dモデル生成までをシームレスに行うことができ、機械設計者と電子設計者の間の情報断絶を解消します。

 

主な特徴と機能

1.回路図エディタ
Fusionの回路図エディタでは、シンボルやコンポーネントのライブラリを活用しながら、 ドラッグ&ドロップ操作で素早く回路図を作成できます。ネット接続、ERC(Electrical Rule Check)、階層設計などの基本機能に加え、クラウドを通じて他の設計者と同時編集することも可能です。
また、Autodeskライブラリには数十万点規模の部品データが用意されており、メーカー情報や3D形状データも紐づいている部品も用意しています。

オートデスク Fusion 回路図エティタの画面


2. PCBレイアウト設計
2層から多層基板まで対応したレイアウト設計機能を備え、差動ペア配線、ビア管理、DRC(Design Rule Check)などの高度な設計支援を行います。
さらに、3D モデルとの完全な同期により、部品配置や配線経路を立体的に確認でき、筐体との干渉を事前に防ぐことができます。これは従来のECAD単体ツールでは実現が難しかった、Fusionならではの強みです。

オートデスク Fusion PCBレイアウトの画面


3. ECAD – MCAD連携
Fusion最大の特長が、このECADとMCADのシームレスな統合です。電子基板上の部品やパターンを3Dモデルとして自動生成し、機械設計環境にそのまま渡すことが可能です。
設計変更が発生した場合でも、クラウド上で双方向にデータが同期されるため、「電子側で部品を動かしたが筐体と干渉した」「機械側が形状を変えたが基板が合わない」といった問題を未然に防げます。

 

4. 3D基板モデリング
PCB設計が完了すると、Fusion上で即座に3D基板モデルが生成されます。これにより、筐体設計との統合検証、熱冷却解析や応力解析、さらには外観レンダリングまでワンストップで実施可能です。
例えば、USBコネクタやLED、スイッチの位置合わせ、ネジ穴位置の確認などを3D空間で行い、実装段階での手戻りを大幅に減らします。

オートデスク Fusion 3D基板モデリングの画面


5.クラウドベースのデータ管理
すべての設計データはクラウド上に保存され、履歴管理やバージョン管理が自動で行われ ます。ブラウザ経由で常に最新のデータにアクセスでき、コメント機能を通じて設計レビューを効率化します。
また、BOM(部品表)の自動生成や部品のライフサイクル管理も可能 で、調達や製造プロセスへの連携もスムーズです。

オートデスク Fution クラウドベースのデータ管理の画面

機械設計との融合が生む新しい価値

近年の製品開発では、回路設計と筐体設計が密接に関係しています。例えばウェアラブルデバイスや小型家電では、基板形状がデザインを左右し、逆に外観デザインが電子配置に影響を与えるケースが増えています。
Fusionを使うことで、エレキとメカが同一データ空間で作業できるため、初期段階から協調設計が可能になります。さらに、Fusionのシミュレーション機能(CAE)を併用することで、熱解析や筐体変形の影響を基板設計にフィードバックすることもできます。
設計から製造までの一貫性を確保することで、開発リードタイムを短縮し、品質向上とコスト削減の両立を実現します。

 

実装・製造を見据えた拡張性

Fusionは単なる設計ツールにとどまらず、製造プロセス全体を見据えたプラットフォームとして進化しています。基板設計データはそのまま3DモデルとしてCAM(加工データ生成)やレンダリングに活用でき、アセンブリの確認や設計レビューも行えます。
また、Fusion Operationsと連携することで、基板実装後の生産管理やトレーサビリティまで統合することができます。

 

教育・スタートアップにも広がる利用

Fusionは商用ユーザーだけでなく、教育機関やスタートアップ企業にも広く利用されています。クラウドベースで動作するため、複数拠点での共同開発にも適しています。
また、サブスクリプション型の柔軟なライセンス体系により、プロジェクト規模や期間に応じて導入しやすい点も評価されています。

 

PCB機能導入メリット

FusionのPCB機能を活用することで、設計リードタイム短縮、設計品質向上、試作費・コストの削減といった実用面での効果も大きく期待できます。ECADとMCADが分断された従来の環境では避けられなかった手戻りや情報の齟齬(そご)を根本から解消し、開発プロセス全体を効率化します。

部品情報付きのライブラリやBOM自動生成による調達効率化、クラウドによる多拠点コラボレーションなど、企業規模を問わず導入効果を発揮します。

 

設計の未来は「融合」にある

Autodesk Fusionは、これまで分断されていたECADとMCADの領域を一つにまとめ、真の意味でのエレメカ連携を実現しています。クラウドを軸としたデータ連携、3Dモデルとの完全同期、チームコラボレーション機能など、あらゆる面で次世代の設計体験を提供します。基板設計をより正確に、よりスピーディに、そしてより創造的に。

Autodesk Fusionは、電子と機械が一体となった製品開発の新しいソリューションとしてご利用いただけます。

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