2025年2月19日(水)〜21日(金)東京ビッグサイトにてエネルギーの生産・運用をテーマとした展示会「第23回 スマートエネルギー WEEK【春】」が開催された。
同展は、水素・燃料電池、太陽光発電、二次電池、スマートグリッド、洋上風力、バイオマス発電、ゼロエミッション火力、脱炭素ソリューションなど、エネルギーの生産・運用に関わるさまざまな技術が集結する総合展示会である。同展の2025年における3日間の来場者数は同時開催展を合わせて 68,840名となった。
基板の窓口では、同展における注目の出展企業を総力取材。出展各担当者によるブースでのインタビュー動画をもとに、各社の最新製品や技術をお届けする。本記事では後編として、全取材動画のうち半分を紹介する。
[公式サイト]
https://www.wsew.jp/hub/ja-jp.html
[次回開催予定]
スマートエネルギー WEEK【秋】 2025
日時:2025年9月17日(水)〜 19日(金)
場所:幕張メッセ
「スマートエネルギー WEEK【春】」概要
「スマートエネルギー WEEK」は、先端技術によるエネルギーの生産・供給・消費の効率化・持続化を目指すスマートエネルギーの分野で世界最大規模を誇る総合展示会だ。
政府が策定する「第7次エネルギー基本計画」においては、2040年度の電源構成について再生可能エネルギーを「4~5割程度」とし、2050年にはカーボンニュートラル達成を目標とするなど、企業や社会インフラの再生可能エネルギーへのシフトは喫緊の課題である。
第23回を迎える今回展は、7つの構成展および特別展からなり、水素・燃料電池、二次電池、太陽光発電、スマートグリッド、風力発電、バイオマス発電、ゼロエミッション火力発電 といった各エネルギー関連分野の多様な企業が集結し、現在と将来に向けたソリューションを展示した。
来困難だった大電流下での測定を実現!電解セルアナライザ「ALDAS-Mini」
https://youtu.be/3LJDNPBdAtk
「ALDAS-Mini」は、水素製造用の水電解セルおよびセルスタックのインピーダンスを最大500Aの大電流下で計測できる装置である。本装置は、水電解セルの研究開発を行う研究機関や企業に採用されている。
従来のインピーダンス測定装置では、大電流での通電中にインピーダンスを特定することが困難であった。そのため、小型の評価用セルを別途用意し、それを用いて測定する方法が一般的であった。しかし、「ALDAS-Mini」を使用することで、大電流下での計測が可能となり、評価用セルを準備する手間が不要となる。
本装置は、国内では産業技術総合研究所(産総研)や大学などの研究機関で採用されており、民間企業でも導入が進んでいる。また、海外においても研究機関や企業での活用が広がっている。
大容量ワイドレンジ直流安定化電源「PHUシリーズ」
https://youtu.be/5whYcrwizzU
株式会社テクシオ・テクノロジーは、新製品「PHUシリーズ」として、大容量ワイドレンジ直流安定化電源をリリースした。本シリーズは、80V・200Vの低電圧モデル、500V・750Vの中電圧モデル、そして1000V・1500Vの高電圧モデルの計6種類をラインナップしている。いずれのモデルも同一筐体で5kW・10kW・15kWの高出力に対応している。
本製品の開発背景には、車載EV市場の高電圧化や、電池・パワーデバイス分野における高電圧ニーズの高まりがある。これらの市場の課題解決に貢献すべく、同社は本シリーズを提供する。
テクシオ・テクノロジーは、これまでにも600Vクラスの直流安定化電源を市場投入しており、高電圧化に関する要望も多数寄せられてきた。今回の新製品により、より幅広いニーズへの対応が可能になった。
課題解決への新たな一歩「スウェージロックエンジニアリングサービス」
https://youtu.be/DpM2B_KNM4U
創業以来78年の配管技術を活かしたスウェージロック・ジャパンのエンジニアリングサービスは、ユーザーと一緒に課題の認識と解決策の提示を行い、結果がでるまでフォローアップする点が特徴である。 他社に類を見ないサービスであり、ユーザーの操業の安全性と信頼性をサポートする。
同社は人材開発(育成と伝承)、安全性の確保、タイムリーで確かな技術的サポートにより、ユーザーのパートナーとして課題を解決する。
同社のエンジニアリングサービスは、ユーザーのトレーニングプログラムの確立、 現場のサーベイによる安全性の高いオペレーションの実現、組立て加工サービスにより信頼性を高めながら製品開発のオペレーション工数と費用の削減をサポートしたなど、数々の実績を持つ。
幅広い分野を支え、豊かな未来をつなぐ真空配管「積層断熱真空配管」
https://youtu.be/zc703YDsXFU
超低温液体ガスは、沸点が非常に低いため、熱の影響で気化しやすい。積層断熱真空配管は、配管を二重構造にすることで外部からの熱を防ぎ、超低温状態を維持する。これにより、液体の状態で効率的にガスを移送できる。
株式会社千代田精機は、液体窒素、液体アルゴン、液体酸素用の真空配管技術を活かし、大口径の液体水素用真空配管の開発を進めている。この技術は、移送エネルギーの節約によるエネルギー効率の向上、配管内温度の安定とガス漏れや過剰気化を防ぐことによる安全性の確保、水素エネルギー利用促進による環境への負荷軽減に貢献する。
これまでに、液体窒素や液体酸素の真空配管を1000件以上導入しており、食品業界や医療分野、研究機関、大型アミューズメントパークなどで活躍している。
狭い・暗い・危険な場所の点検で大活躍「点検専用ドローン」
https://youtu.be/03Yk-VnzguI
株式会社Liberawareのドローンは、超狭小空間に特化した小型機体であり、暗く狭く危険な環境でも飛行可能である。機体のサイズは20cm×20cmと非常にコンパクトで、人が立ち入れない場所での点検作業に適している。
日本では、バブル期に建設されたインフラが老朽化し、建設業の担い手不足が深刻化している。そのため、人が入りにくい空間や、これまで足場を設置して点検を行っていた場所の維持管理が課題となっている。同製品は、そうした環境下でも飛行し、点検作業を効率化できる点で注目されている。
すでに製鉄所やプラント内での点検に導入されており、足場設置に対して大幅なコスト削減を実現している。
高度な電池技術で社会に貢献
https://youtu.be/cgjGrU5zUFI
株式会社クリオテックは、東芝と連携し、優れた電池技術を提供している。この電池は、特にコロナ禍での対応において重要な役割を果たし、短期間で社会に貢献することができた。この電池の特徴は、わずか3分で充電が完了する点にあり、今後、AGV(自動搬送車)、ドローン、EVバイクなど、さまざまな分野に応用される予定である。同社は、日本のハイレベルな電池技術を世界に広め、より多くの分野での活用を進めていく計画だ。