2024年10月29日(火)〜31日(木) 幕張メッセにて「高機能素材 Week」が開催された。
同展は、機能性フィルム・プラスチック・セルロース・炭素繊維複合材・金属・セラミックスなど最先端の素材とその関連技術が集う総合展示会だ。3日間の来場者数は予測を上回る46,813名となった。
基板の窓口では、同展における注目の出展企業を総力取材。出展各担当者によるブースでのインタビュー動画をもとに、各社の最新製品や技術をお届けする。本記事では後編として、全取材動画のうち半分を紹介する。
公式サイト:https://www.material-expo.jp/hub/ja-jp.html
「高機能素材 Week」概要
高機能素材 Weekは、機能性フィルム・プラスチック・セルロース・炭素繊維複合材・金属・セラミックスなど、ものづくり産業の礎であり、また昨今注目されるサステナブルな産業構造へ大きな影響力を持つ、各種の最先端素材とその関連技術が集う総合展示会だ。毎年東京・大阪でそれぞれ開催され、2024年の東京展で第15回を数える。
今期は、新たな構成展として素材工場の脱炭素化展 - Green Process Japan - 、新規の特別企画としてオープンイノベーション World、材料分析・評価 Worldが開催されるなど、業界の新たな動向や技術者、研究・開発関連の事業者の期待に応えるための変化が続いている。
インモールドエレクトロニクスで広がる可能性!3D成形対応導電性ペースト「DOTITE XA-3737」
https://youtu.be/nORBUGAfjrY
藤倉化成株式会社は、3D回路形成が可能な導電性ペーストを開発・提供している。このペーストは、プラスチック基材上にスクリーン印刷で回路を形成した後、成形加工を行うことで3D回路を作り出すことができる。成形時に基材の伸びに優れた追従性を持つ点が特徴であり、特にインモールドエレクトロニクスに対応可能だ。
これにより、部品点数の削減や製造工程の短縮、軽量化や薄膜化といった多くの利点を提供できる。また、配線用の導電性ペーストに加え、部品接合に使用できる導電性接着剤や回路保護用の絶縁性材料も取り揃えており、トータルで材料提案を行うことが可能である。
現在、複数のクライアントと共同開発を進めており、一部ではタッチセンサー用途として既に導入されている。
用途に応じた最適なクリーン環境を提供!「クリーンブース施工」
https://youtu.be/Tl61vUUy7oI
蒲田工業株式会社は、クリーンルームやクリーンブースの設計・施工を専門とする企業である。同社は、顧客の多様なニーズに応じた最適なクリーン環境を提案し、これまでに3,800件以上の施工実績を誇る。
今回紹介する「KAMATAクリーンブース」は、同社独自のオリジナルフレームを使用した製品である。このフレームは内側と外側の両方に板を貼れる構造となっており、形状が非常にフラットで埃が溜まりにくい特徴を持つ。また、美観に優れ、完全オーダーメイドのため、小型装置を囲むマシンカバーから大型サイズの構造物まで幅広く対応可能である。
オールエア駆動で電気工事不要!VOLKMANN社 エアー駆動式粉粒体真空搬送装置 「バキュームコンベア」
https://youtu.be/mcT4Wzuqwdk
ジャパンマシナリー株式会社が紹介するのは、ドイツのVOLKMANN社が提供するバキュームコンベア粉体搬送装置である。この製品は以下の3つの特徴を備えている。第一に、オールエア駆動により電気工事が不要であること。第二に、クランプバンド方式を採用し、ユーザーが簡単に着脱できること。そして第三に、東京都大田区にあるサービス工場で改造やデモテストが可能であることである。
この装置は、人手不足の解消や作業効率の向上に貢献している。特に、自動投入による製造工程の均一化が実現される点が評価されている。
実績としては、セラミックス製造の原料混合器への投入や、原料メーカーでのフレコンバッグ原料の受け入れ・重点用途など、さまざまな分野で活用されている。
完全自動化で人手不足問題を解消!「自動化ロボットソリューション」
https://youtu.be/43Kg6Cl_x_w
株式会社西村製作所の同ソリューションは、将来的な完全自動化を目指した最新の取り組みを反映した製品である。本機を通じて、製造現場で深刻化している人手不足の解消を目指している。
長年の経験と実績が生み出す高品質!パンチングマシン「ファインプレス」
https://youtu.be/5MD7kBtfv60
株式会社アイセルが提供する「ファインプレス」は、打ち抜き加工において他社製品を上回る高い品質を実現した製品である。同社は長年にわたる打ち抜き加工の経験と実績を活かし、高精度かつ効率的な加工技術を提供している。また、ワーク投入から排出までの工程を自動化することで、人員削減と生産性向上を可能にしている。
特に、MTプレス機については、50%の小型化に成功するとともに、従来製品の約約3分の1の消費電力での運用を実現している。
最大500℃までのガス風速計測を実現!「多点式アネモマスター PRO PLUS」
https://youtu.be/m-dNA-w59Nw
日本カノマックス株式会社は、創業90年となる気流計測や微粒子計測を得意とする企業だ。同社は新製品「中高温多点式アネモマスター PRO PLUS」を発表した。同製品は最大500℃までの計測が可能で、従来の単点測定に代わり、複数箇所を同時に測定できる特徴を持つ。
同製品は最大72チャンネルの計測を実現し、特にフィルムメーカーに向けて、ノズル吹き出し口の風の均一性を正確に測定するソリューションを提供する。この均一性の計測はフィルムの性能向上に直結し、生産効率と製品品質の改善に貢献する。
高耐久&低汚染で産業用クリーニングのニーズを満たす「テクニクリーン」
https://youtu.be/mM4U4HUNk9k
株式会社オーディオテクニカは、粘着ローラーを用いたゴミ取り装置およびハンドクリーナーを紹介した。同製品の特徴は、耐久性や低汚染性に優れた独自のローラー技術に加え、50μほどの極めて薄いフィルムにも対応可能な点である。これにより、製造現場における不良率や不具合率を効果的に改善できる。
実績としては、電子部品や基板、印刷業界など幅広い分野の顧客から、不良率の大幅な改善とコスト削減が実現したとの評価を受けている。同製品は30年以上にわたり、多くの現場で愛用されてきた。
硬質クロムめっきとロールのトータルサプライヤー「各種ロール製品」
https://youtu.be/et83dM1hYVU
オテック株式会社は、ロールの製造からメッキ加工、さらにその表面の最終仕上げまで一貫して行う企業である。特に特殊なオリジナルメッキや合金メッキの開発に注力している。
同社の製品やサービスは、光学フィルムの生産に必要な超鏡面ロールや、製紙用ロール、また印刷やコーター、ラミネーターなどの塗工機械の生産効率向上に寄与している。
また、オリジナル技術である「テフ・ロック」は、優れた離型性を持つメッキで、通常のコーティングが剥げやすい環境下でも長期間滑らかに機能することが特徴である。
同社の技術は、高性能ディスプレイの製造ラインや電池のセパレーター製造機器、さらには身近な牛乳パックのシーラーに至るまで、多岐にわたる用途で採用されている。