TDK(株)は、オーディオラインに挿入した際の音声信号歪みを業界最高水準(※1)にまで抑え、セルラー帯のスプリアスレベルを従来比で最大50dB抑制したノイズ除去フィルタMAF1005Gシリーズを開発した。
近年のスマートフォンやタブレット端末の高性能化に伴い、オーディオの音質と通信品質の両立が求められるようになってきている。また、CDを超える音質であるハイレゾリューションオーディオの普及により、さらなる高音質化へのニーズが高まってきている。
携帯無線端末のオーディオラインの輻射ノイズ対策は、一般的にチップビーズなどのノイズ対策部品を挿入することで行われている。しかし、対策部品の挿入により音声帯域の信号品質の劣化や、セルラー帯域のスプリアス発生により各種ノイズ規制をクリアすることの両立が難しくなってきている。
今回、新たにラインアップを追加したノイズ除去フィルタは、小型(L:1.0×W:0.5×T:0.5mm)でありながら、セルラー帯の高減衰特性を実現し、輻射ノイズ対策やスプリアス抑制に最適である。同社が独自に開発した低歪みフェライト材料を使用し、製品の設計を最適化することで、ノイズ除去部品の挿入弊害であった音質劣化を、ノイズ除去部品を挿入しない時と同等にした。同製品の挿入により、オーディオIC本来の性能を発揮し音質劣化の無いノイズ対策が可能となる。
(※1)2016年8月現在、TDK調べ