台湾上場のプリント配線板メーカーであるUnitech PCBが、子会社のUnitech PCB(Thailand)Company Limitedを通じて、タイ初の生産拠点となる工場の開所式を、アントン県にあるSインダストリアル・エステート・アントン(SIE)で開催したと現地メディアが2026年1月15日、報じた。これは、タイの電子製造分野における注目すべき外国直接投資案件となる。
Unitech PCB(Thailand)Company Limitedは2023年6月20日に設立され、登録資本金は約250億バーツ(1,247.9億円)。工場敷地面積は56ライ(約9ヘクタール)で、ビルドアップ多層プリント配線板の生産に特化し、主に輸出市場向けに供給する。

Unitech PCB(Thailand)Company Limitedのタイ新工場
正式な開所式は2026年1月15日に行われ、アントン県のナティー・モントリワット知事が主賓として出席し、同投資に対する地元政府の強力な支援姿勢を示した。式典にはUnitech PCBの経営陣に加え、工業団地開発を手掛けるSingha Estate Public Company Limitedの幹部も出席した。
タイ工場は当初、サーバーおよび低軌道(LEO)衛星向けのHDI基板に注力し、生産能力の立上げに合わせて、将来的には車載関連製品の導入も計画している。
台湾メディアMoneyDJの報道によれば、同工場は2025年12月11日に竣工しており、2026年第1四半期に少量出荷を開始する予定でフル稼働時には、月次売上高として1.5億〜2億台湾ドルの貢献が見込まれている。

Unitech PCB (Thailand)の開所式
Unitech PCBは、タイ拠点を中国以外のサプライチェーンを求める世界的な高付加価値プリント配線板需要に対応するための、重要な海外生産戦略の一環と位置付けている。今回のUnitech PCBによるタイ進出は、高付加価値プリント配線板における“脱中国”トレンドの象徴的事例といえる。
ビルドアップ多層プリント配線板はサーバー、通信インフラ、衛星といった成長分野に不可欠であり、地政学リスクや顧客のBCP要請を背景に、生産地分散の重要性が一段と高まっている。
タイは現在、ASEAN最大のプリント配線板製造拠点であり、プリント配線板の生産額では世界でも中国、韓国、台湾、日本に続いて第5位にランクされるまで成長してきている。
なお、この工場を擁する工業団地は、総容量400メガワットを超える複数の複合サイクル発電所、22kVと115kVの二重電力システム、1日あたり最大10,000立方メートルを生産できる限外濾過システムを通じて供給される高品質の水など、電力集約型製造向けに設計された信頼性の高いインフラストラクチャを提供している工業団地である。
タイでは多くのプリント配線板工場が建設され、稼働状況となってきている反面、プリント配線板関係の人材不足という課題に直面することが予想されている。
(出典:IC&PCB Union, MoneyDJ)