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検査 2026.03.19

製造現場の「表面・外観検査」を支えるCISラインカメラ

WHEC 日本開発センター

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はじめに

製造業において、品質を安定的に確保するために欠かせない工程の一つが「検査」である。検査のうち、表面検査や外観検査ではエリアカメラやラインカメラ、業界によっては目視での検査が一般的である。しかし近年、それらの検査においてCIS(コンタクトイメージセンサー:以下CIS)の技術を用いたCISラインカメラでの検査が普及している。本記事では、CIS専業メーカーという立場から、CISラインカメラが産業検査でどのような役割を担い、どのような点で半導体関連の検査工程と関わっているのかを紹介する。

 

CISラインカメラとは

CISは、イメージセンサー、レンズ、光源が一体となったコンパクトなデバイスである。非常に小さなロッドレンズにより、受光素子に画像を形成させてライン単位で原稿に密着して読み取る。そのため本デバイスは安定性や振動耐性に優れ、狭いスペースにも設置可能である。1:1の画像を取得することで、エッジのぼけや画像の歪みが発生しない。

本デバイスは、銀行ATMなどの金融市場、プリンターやスキャナーなどのOA市場で幅広く使用されてきた。元々は「コンタクトイメージセンサー」という名称が示すとおり、対象物に密着して読み取ることを特徴としており、ガラス面から対象物までの距離(ワーキングディスタンス:以下WD)は0.5 mm以下と非常に短く、また出力方式もアナログが主流であった。しかし、多様な表面・外観検査用途に対応するため、長WD化、高速化、デジタル化など、CISの利点を保持しつつ、さらに高性能になったデバイスがCISラインカメラである。

 

半導体分野の検査工程とCISラインカメラ

半導体の検査工程において、カメラ選定時に「解像度」や「画素数」が重要であることは言うまでもない。しかし実際の現場では、それ以外にもさまざまな制約や課題に直面するケースが少なくない。当社がCISラインカメラメーカーとして顧客から相談を受ける中で、特に多い課題は次のような点である。

・検査装置、検査環境内にカメラを設置するスペースが限られている。

・エリアカメラを用いる場合、ワークを一時停止させる必要があり、工程に影響が出る。

・画像の周辺部の歪みにより、画像処理の負荷が高くなる。

一般的なカメラでの検査では、レンズによって拡大または縮小して撮像するため、画像の周辺部に歪みが生じる。また、検査対象となるウエハのサイズによっては複数台のカメラが必要となり、その分レンズや照明の調整、撮像後の画像合成処理が必要になる。

さらに、エリアカメラやラインカメラを用いたシステムでは、広い画角や高解像度を確保するために高さ方向に大きなスペースが必要である。しかし検査環境によってはこうした大がかりなカメラシステムを設置するスペースを確保できないケースもある。 このような背景から、高精度と省スペースを両立できる検査手法として、CISラインカメラは有効な選択肢の一つとなっている。

 

 

高精度・省スペースを両立するCISラインカメラによる半導体表面検査

ここでは、実際の半導体検査への導入例を2件紹介する。1件目では、ウエハの輪郭検査の際、狭いスペースへの設置が課題であった。そこで当社はスペースに合わせたセンサー部とデジタルボックス部が分離した形状へのカスタマイズ対応で顧客の課題を解決した。

2件目では、ウエハの表面の傷や汚れの検査のため、狭いスペースへの設置に加えて高解像度・高速読取も必要であった。そのため、当社はセンサー部とデジタルボックス部の分離形状への変更に加え、1,200 dpi(分解能 約21 μm)、CoaXPress 2.0 I/Fの製品を提案し、顧客の要望を満たした製品を提供した。

2件に共通して、本製品はウエハ表面の乱反射を抑える当社独自の光源構造のシリーズを利用している。また、ウエハ製造において必須となる防塵のため、CISラインカメラはファンレス冷却タイプが採用された。 この他にも、本製品はウエハID検査、ウエハのノッチング検査、チップ外観検査をはじめ、パッケージング工程やワイヤボンディング品質検査、はんだボール検査など、幅広い用途に導入されている。

 

検査用途に合わせたカスタマイズ

前述のように当社では、標準のCISラインカメラの提供に加え、検査用途と設置条件に応じた製品提案を行っている。検査用途に応じたカスタマイズにおいて、当社が重視している要素の一つが照明ソリューションである。

標準のCISラインカメラは光源が内蔵されているが、検査用途によっては照明条件が撮像画像に大きく影響するため、当社では外付けの照明も用意している。当社の外付け照明を併用することで、CISラインカメラ側から照明の光量と点灯タイミングを調整できるため、調整の手間を省略する。

当社では以下のような項目についてカスタマイズが可能である。

・読取幅:検査対象サイズやレイアウトに合わせ、最大 6,000 mmまで対応している。

解像度:最大 2,400 dpi(分解能 約11 μm)まで選択できる。

読取速度:ライン速度や検査タイミングに応じて最大 69.1 kHz(2,400 dpi、CoaXPress 2.0、Mono)まで対応している。

インターフェース(I/F):CameraLink、CoaXPressをはじめとし、GigEやUSB、LVDS、アナログなど既存装置やシステム構成に合わせた接続方式を選択できる。

ワーキングディスタンス(WD):設置制約や安全距離を考慮し、0.45 mm~48.4 mmの中から選択できる。

外形寸法・筐体形状:狭いスペースや干渉を避けるための小型・専用形状を検討できる。

照明構成:欠陥種別に応じて色や照射方式など、最適な照明を提案する。

冷却方法:導入環境に応じて、機種によりCISラインカメラ・外部照明ともにファンレス冷却形状も選択できる。 ※条件や環境などの要望に応じて当社が製品を提案する。

 

CISラインカメラがもたらす検査工程の最適化

半導体分野をはじめとする高度化・高精度化が進む製造現場において、検査工程には「高解像度」「高精度」だけでなく、「省スペース」「工程への影響低減」「立ち上げのしやすさ」といった要素も強く求められている。 当社のCISラインカメラは、コンパクトな筐体設計と歪みのない等倍撮像、高度な照明ソリューションを組み合わせることで、これらの要求に応える検査を実現した。

当社は、この度、2,400 dpi、CoaXPress 2.0 I/F、読取速度最大 69.1 kHz(Mono)の製品をリリースした。これにより、本製品はより幅広い検査条件に対応できるようになった。 検査精度の向上と生産効率の両立が求められる今だからこそ、CISラインカメラは検査工程を見直す一つの有力な選択肢となる。

 

 

 

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CISラインカメラの開発、製造、販売をおこなう専業メーカーです。2003年の創設以来20年以上にわたり開発改良を重ね、バンキング領域の紙幣真贋判定用から表面・外観検査など新規用途へCISラインカメラを大きく発展させてまいりました。検査用途に応じたカスタマイズで製品をご提案します。レンズ及び金型からのプラスチック部品の加工、組立、出荷検査まで一貫した生産ラインで製造を行っているため、お客さまの少量のニーズに対しても短期間で対応可能です。

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