2025年5月14日(水)〜16日(金)インテックス大阪にて「高機能素材Week 大阪展」が開催された。
同展は、機能性フィルム・プラスチック・セルロース・炭素繊維複合材・金属・セラミックスなど最先端の素材とその関連技術が集う総合展示会だ。10の構成展からなり、同時開催展などと合わせ、過去最大の530社が出展。来場者は36,013人であった。
基板の窓口では、同展における注目の出展企業を総力取材。出展各担当者によるブースでのインタビュー動画をもとに、各社の最新製品や技術をお届けする。
[公式サイト]
https://www.material-expo.jp/osaka/ja-jp.html
[次回開催予定]
高機能素材Week 大阪展2026
日時:2026年5月13日(火)~15日(金)
場所:インテックス大阪
高機能素材Week 大阪は、機能性フィルム、プラスチック、セルロース、炭素繊維複合材、金属、セラミックスなど最先端の素材技術が一堂に集まる、西日本最大規模の素材総合展示会である。
近年、カーボンニュートラルへの対応や資源循環、脱炭素、海洋プラスチック問題といった地球規模の課題解決が産業界に求められており、素材産業の役割が一層重要視されている。同展は、サステナブルな社会の実現や製品の高付加価値化を目指し、材料メーカー、加工業者、エレクトロニクス、自動車、医療、航空宇宙など幅広い業界の技術者や研究者が集い、最新技術や情報を共有・発信する場として開催された。
2025年展では、新たに「素材工場の脱炭素化展 -Green Process Japan-」「リサイクルテック ジャパン」が加わり、環境への配慮を前提とした産業促進という同展の方向性がより明確になっている。
また、関西での初開催となる「第1回[関西]ネプコン ジャパン -エレクトロニクス開発・実装展」も同時開催され、エレクトロニクス・実装関連の先端情報へもアクセス可能だ。
多用途に広がる高機能素材「HUMOFIT」
https://www.youtube.com/watch?v=kOeLze8BXGk
三井化学ファイン株式会社が展開する「HUMOFIT®(ヒューモフィット)」は、体温によってやわらかくなり、身体の形状にフィットする機能性素材だ。
この素材は、装着後に体温で柔らかくなり、個々の体のラインに沿って自然にフィットするのが最大の特徴だ。これにより圧力を分散し、ストレスフリーな着用感を実現する。
同製品はインナーウェア、インソール、帽子、寝具などの身につける製品や肌に触れるアイテムに多く採用されており、快適性とフィット性が求められる領域で高い評価を得ている。
マグネシウム合金の製品化と量産
https://www.youtube.com/watch?v=BF20RWM56jQ
日本金属株式会社は、精密圧延ステンレス製品を主力としながら、軽量金属であるマグネシウム合金の製品化と量産にも注力する。
マグネシウム合金はノートPCでは外装筐体に多く採用されており、1kgを切るような超軽量モデルの多くに、日本金属のマグネシウム材が使われている。また、スマートフォン内部のシャーシーにも採用されており、軽量化とともにバッテリー搭載量を増やすことで、使用時間の長時間化にも貢献する。
マグネシウム合金の持つ特性を活かした製品開発を通じて、日本金属は次世代のものづくりを支える素材ソリューションを提供する。
積層造形技術を用いた高速3Dクラッディング装置
https://www.youtube.com/watch?v=U6TOwpwvwQk
丸文株式会社が取り扱うのは、ドイツ・Ponticon社が開発した高速3Dクラッディング装置だ。
同製品はアディティブ・マニュファクチャリング(AM:積層造形)技術を用いた装置で、従来のAM装置に比べ、圧倒的に高速かつ高精度な造形を実現する。
従来のAM技術においては、造形時間の長さが大きな課題とされてきた。しかし同製品を活用することで、従来のAM装置と比べて造形時間を約半分に短縮することが可能だ。
航空宇宙分野を中心に、シャフトやギアといった部品の製造に多く採用されており、特に従来の金型では対応しづらい複雑形状の造形において、その性能を発揮する。
反りを抑えた3Dプリンター用ポリプロピレン材料
https://www.youtube.com/watch?v=Y95E4_bqUUU
城東テクノ株式会社は、FDM(熱溶解積層)方式の3Dプリンターで造形可能なポリプロピレン材料を開発し、試作や治具製作の分野で注目を集める。
最終製品で多く使われるポリプロピレンは、3Dプリンターでの試作は反りが発生するため非常に難しいとされてきたが、同社はこの反りを大幅に抑制し、ポリプロピレンでの安定した造形を可能にした。
ポリプロピレンの持つ高い耐薬品性や柔軟性といった特性をそのまま試作段階に活かせることで、試作から量産への移行がよりスムーズになる点が評価されている。
幼齢木を守る「獣害保護ホース」
https://www.youtube.com/watch?v=nT1rk0fQqDo
機能性樹脂製品の開発・販売を手がけるクラレプラスチックス株式会社は、
森林や山間部での植林現場を対象とした「獣害保護ホース」を展示した。
同製品は、植林したばかりの若木(幼齢木)を、鹿などの害獣から守るための保護カバーだ。
軽量で取り扱いやすく、現場での作業効率に行える。
現在は国内市場を中心に、全国の代理店を通じて販売を行っており、森林組合などへの導入実績をもつ。
難加工樹脂の精密切削に挑み続ける60年の技術力
https://www.youtube.com/watch?v=Cl-skK2uH94
河本化成工業株式会社は、創業60年以上の歴史を持つ樹脂加工の専門企業だ。
本展では半導体分野向けを中心に展開する高精度なフッ素樹脂の切削加工技術を展示した。
同社は、熱膨張による寸法変化が大きいフッ素樹脂に対し、温度管理を徹底した加工体制を持つ。
また、深穴加工といった難加工にも対応しており、工具や条件を細かく調整しながら、精度を確保した加工事例も紹介された。
スパッタ装置で化粧品・太陽電池業界の高機能コーティングを支援
https://www.youtube.com/watch?v=Guc04EoGT84
長年にわたりスパッタ装置(薄膜形成装置)を提供する株式会社メディア研究所は、化粧品ボトルなどの装飾用コーティングや、太陽電池セルの製造工程で使用されるコーティング装置を展示した。
化粧品業界向けには、主にパッケージ用の白膜コーティング装置を提供する。
太陽電池や半導体業界向けには、大規模生産に対応可能なインライン型のスパッタリング装置も取り扱う。
特に、太陽電池分野ではすでに国内企業への導入実績があり、量産設備として高く評価されている。
幅広い分野で活用できる再生材
https://www.youtube.com/watch?v=P4lITJGSrvA
奏商事株式会社では、プレコンシューマー由来の再生樹脂原料を中心に、安定した物性を持つ素材を供給する。
物流面では大阪府内に自社の物流倉庫を保有しており、国内向けの安定供給はもちろん、海外輸出にも対応可能だ。
同製品は、雑貨や建築資材、包装資材など幅広い分野で活用されている。
ハンドヘルド型の蛍光X線分析装置「FISCHERSCOPE XAN 500」
https://www.youtube.com/watch?v=JuGzX29IjLQ
株式会社フィッシャー・インストルメンツでは、ハンドヘルド型の蛍光X線分析装置「FISCHERSCOPE XAN 500」を展示した。
これまでの卓上型装置では、ステージに収まるサイズのサンプルしか測定できなかったが、本製品は持ち運びが可能で、大型の測定対象物にも対応できる点が特長だ。
従来の卓上型装置が設置できなかった現場や、グラビア印刷用シリンダーロールのクロムメッキ測定などに導入実績を持つ。
金属と樹脂の“直接接合”が切り拓く次世代ものづくり
https://www.youtube.com/watch?v=AUP9dmvEqzA&feature=youtu.be
日本アビオニクス株式会社は、金属と樹脂を接着剤や締結部品を使わずに直接接合できる技術を開発する。
金属表面にレーザーで微細な凹凸を形成し、プラズマで樹脂側を処理。最後に同社のパルスヒート技術で樹脂を溶かし固着するアンカー効果による接合方式だ。
量産用途での採用はまだ少ないものの、新素材や次世代製品の開発現場での引き合いが増えている。先進的な研究開発用途としての活用に期待だ。