数枚から数百枚程度の小ロットを対象に、プリント基板をインターネットで簡単に発注できる通販形
式の基板製造サービスが多数存在します。この記事では、そうした基板製造サービスのひとつ「P 板.com」 で基板製造を発注する手順をご紹介します。
| 運営企業 | 株式会社ピーバンドットコム(東京都千代田区) |
| 創業年 | 2002年 |
| 対応サービス | 基板設計、基板製造、基板実装 |
| ウェブサイト | https://www.p-ban.com |
| 決済方法 | クレジットカード決済 |
| 銀行振込(※) | |
| 商社・代理店経由での支払い(※) | |
| ※ 銀行振込および商社・代理店経由での支払いは法人のみ | |
| インボイス制度 | 対応(登録番号T9010001131479) |

今回発注する基板は「基板の窓口」のロゴマーク、ウェブサイトのQRコードなどを入れたArduino用のユニバーサル基板です。フリーの基板エディタ「PCBE」で製作しました。

まずはユーザー登録を行います。P板.comのウェブサイトにアクセスし、ページの右上にある「新規登録」をクリックします。

メールアドレスを入力して「自分宛に確認メールを送信」のボタンをクリックします。程なくしてユーザー登録ページのURLが記載されたメールが届くので、そのURLにアクセスしてユーザー登録を済ませます。
ガーバーデータには、どのファイルがどのレイヤー(層)のものか判断するための情報は含まれていません。
データを正しく認識するため、多くの基板製造サービスではファイル名、もしくは拡張子を指定のものにするよう指示していますが、P板.comでは特にそういった指定は無いようです。その代わり、所定の内容の製造指示書を用意する必要があります。

PCBEを使って基板を設計している場合、ガーバーデータを出力するとき自動で一緒に出力される「gout.list」が製造指示書として利用できます。
gout.listを「メモ帳」などのテキストエディタで開き、それぞれのファイルがどのレイヤーのものであるかを追記します。入力が終わったら上書き保存し、ドリルデータと一緒にZIP形式で圧縮してまとめます。
PCBE以外の基板CADソフトを使用している場合は、用意されているひな形を利用して製造指示書を作成します。

P板.comのウェブサイトにアクセスし、「標準規格/仕様一覧」のページ
https://www.p-ban.com/product/spec.html
の一番下にある「雛形データ」の項目の中から「製造指示書」のExcelファイルをダウンロードします。

必要な項目の入力が終わったら上書き保存し、ガーバーデータ、ドリルデータと一緒にZIP形式で圧縮してまとめます。

基板を発注する前にガーバーデータ、ドリルデータに問題が無いか確認します。
P板.comでは、誰でも無料で使えるオンラインガーバービューア「P板WEBチェッカー」が提供されています。
P板WEBチェッカーのページ
https://www.p-ban.com/kiban/com/csComEntDrc.do
にアクセスし、「ファイルを選択する」のボタンをクリックしてZIP形式で圧縮した製造データをアップロードします。

基板の層構成、アップロードしたファイルの種別などを選択して「設定を適応」ボタンをクリックします。
次に、ドリルサイズが正しく認識されているかを確認します。あわせてスルーホール、ノンスルーホールの設定をおこないます。
「チェッカーを起動」ボタンをクリックするとP板WEBチェッカーが起動します。ポップアップで起動するため、ブラウザ側でブロックしないよう注意してください。

P板.comにログインした状態でP板WEBチェッカーを起動すると、自動的にDRC(デザインルールチェック)が実行されます。製造ルールに違反した箇所には赤色のバツ印が付き、画面左下にその詳細が表示されます。

ガーバーデータ、ドリルデータともに問題が無ければ「検証結果を反映して1-Click見積」ボタンをクリックして見積もり画面に進みます。

ポップアップで新たに表示される見積もり画面で製造枚数、板厚、レジストとシルクの色、表面処理の種類などを指定します。外形寸法、最小パターン幅/間隔など、一部の項目はP板WEBチェッカーでの検証結果が反映されているはずです。
今回発注した基板の仕様は次の通りです。
| 種類 | リジット基板 |
| 材質 | FR-4 |
| 層数 | 2層(両面) |
| 枚数 | 100枚 |
| 外形寸法 | 53.3×68.6mm |
| 板厚 | 1.6mm |
| 銅箔厚 | 35um |
| 最小パターン幅/間隔 | 0.35mm |
| 最小ビア・ランド径 | 0.3/0.6mm(P板.com標準) |
| レジスト | 両面、緑色 |
| シルク | 両面、白色、写真法 |
| 表面処理 | 無電解金メッキ |
| 面付け | なし |
| 特殊加工 | なし |
| AOI検査 | なし(P板.com標準) |
| 検査成績証明書 | 発行しない(P板.com標準) |
| 製造工場 | 指定なし |
| 製造コース | ノーマル |
| 納期 | 実働8日 |
| 価格 | 64,790円(消費税10%込み、2024年1月現在) |

金額と納期を確認して「保存・発注」ボタンをクリックします。
基板の大きさや枚数にかかわらず送料は無料です(2024年1月現在)。

「件名を入力する」という画面に移動するので、発注する基板の名称、品番、あるいはプロジェクト名など、自分が管理しやすい件名を入力して「保存」ボタンをクリックします。

「見積案件の登録が完了しました」と表示されたら「ご注文手続きへ」ボタンをクリックして注文画面に進みます。

納品先の住所、支払方法などを登録して「このまま注文する(確認画面へ)」ボタンをクリックします。
注文内容をいま一度確認し、「注文確定」ボタンをクリックすれば注文完了です。
担当者によるデータチェックが行われたあと、問題が無ければ注文請書が発行されます。発行された注文請書は「マイページ」一番下の「案件一覧」からPDF形式でダウンロードできます。

発注から土日を挟んで11日、基板が到着しました。

ルーターカットされた基板の断面。気になるようなバリや段差はありません。

写真法で印字されたシルクは滲みもなく、細かい部分までハッキリ、クッキリ。約11mm角の大きさのQRコードも問題なく読み取ることができます。

スルーホールを実体顕微鏡で拡大して見た様子。ランドのほぼ中心にスルーホールが形成されています。レジストの開口が左上に向かって少しズレているのが残念ですが、ランド上へのレジスト被りは無いため実用面で問題はありません。
今回は、プリント基板製造サービス「P板.com」で基板製造を発注する方法についてご紹介しました。