(株)東芝は、府中事業所において「水素エネルギー利活用センター」の建設を開始した。同センターは、再生可能エネルギー由来の水素を燃料電池車に供給する地産地消型水素供給システム「H2One事業所モデル」として設計されており、2017年4月に運転を開始する予定である。同センターを、「H2One事業所モデル」の営業活動に活用し、同モデルの工場、物流拠点、空港等への納入を目指す。
「水素エネルギー利活用センター」は、事業所内の太陽光発電と新たに設置する太陽光発電により水素を製造、圧縮・蓄圧して、事業所内で運用する燃料電池フォークリフトに充填する施設である。府中事業所に導入する燃料電池フォークリフトは、再生可能エネルギー由来の水素を燃料にしており、稼働時にCO2を排出せず、環境負荷の低減に貢献する。また、燃料の充填時間が、バッテリ式フォークリフトよりも短く高い運用効率を実現できる。
「H2One」は、同社独自の水素エネルギーマネジメントシステム「H2EMS」により、再生可能エネルギーと水素を活用して、電力を安定的に供給できるCO2フリーの自立型水素エネルギー供給システムである。「H2One事業所モデル」では、「H2EMS」に、新たに車両用の「水素需要予測アルゴリズム」を搭載する。同アルゴリズムは、燃料電池車側の水素需要を予測することで水素の製造・圧縮量を最適に管理し、車両の水素充填ニーズに対応するとともに、事業所全体の水素貯蔵量を低減するなど省スペース化にも貢献する。