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基板材料・副資材 その他 2018.09.13

マレーシアに感光性フィルムの特性評価を行う技術センタを開設

基板の窓口編集部

マレーシアに感光性フィルムの特性評価を行う技術センタを開設

日立化成(株)は、2018年10月にマレーシア ジョホール州の子会社Hitachi Chemical (Johor) Sdn. Bhd.(以下、HCJH)内に、感光性フィルム『フォテック』を用いて形成したプリント配線板の回路形状の確認や回路幅の測定といった各種特性評価、およびプリント配線板の不良原因分析を行う『技術センタ』を開設する。これにより東南アジア各国をはじめ、韓国や台湾などアジアの顧客のプリント配線板の開発期間の短縮や、プリント配線板の回路を形成する工程における歩留りの改善策のタイムリーな提供が可能となる。

 プリント配線板の回路は、銅箔のついた基板(銅張積層板)の上に感光性フィルムを貼り、フォトマスクを介して光を当ててパターンを描き、フィルムに覆われていない部分の銅箔を酸性水溶液で取り除くことで形成する。
 近年、スマートフォンなどの電子デバイスの小型化によりプリント配線板も小型化が進み、配線板の回路の微細化も進んでいる。例えばスマートフォンに搭載されるプリント配線板の回路幅は、2016年には40μm程度でしたが、2019年には25μm以下と、より微細な回路を有するプリント配線板が主流になると予測されており、こうした微細な回路形成を可能とする感光性フィルムは需要の拡大が見込まれる。                 同社の感光性フィルムは、微細回路の形成に必要な銅箔との密着性に優れる点などがグローバル市場で高く評価され、金額ベースで世界トップシェアとなっている(2017年度同社調べ)。

 同社は感光性フィルムをHCJH、山崎事業所(茨城県日立市)、日立化成工業(蘇州)有限公司(中国江蘇省蘇州市、以下、HCSZ)など、世界10拠点で製造・加工している。そのうちHCJHは最も生産量が多く、東南アジア各国をはじめ、韓国や台湾などアジアの顧客向けに感光性フィルムを製造・販売している。顧客から、感光性フィルムが銅箔に密着しているかの確認(細線密着性評価)や、感光性フィルムを用いて形成した回路形状の確認(微細配線形成性評価)、プリント配線板の不良原因分析などを依頼された場合、従来は各種評価装置を有する山崎事業所またはHCSZまで顧客の基板を輸送する必要があり、評価に時間がかかっていた。

 そこで日立化成は、HCJH内に『技術センタ』を開設し、プリント配線板の回路形成に必要な一連の装置や、回路形成性の確認や回路幅の測定ができる走査電子顕微鏡、感光性フィルムに含まれる物質を測定する赤外分光(IR)測定装置などの各種評価装置を導入した。

 これにより顧客の基板を日本や中国の拠点に輸送する手間が省け、プリント配線板の開発期間の短縮や、プリント配線板の回路を形成する工程における歩留りの改善策のタイムリーな提供が可能となる。さらに、直描露光機やハイブリッドエッチングマシーンなど感光性フィルムを用いて回路を形成するための最新装置の導入により、次世代のプリント配線板を開発する顧客に対しても、最適な材料の提案など、より幅広いソリューションの提供が可能となる。

 今後、同社はこの『技術センタ』を活用し、東南アジア各国をはじめ、韓国や台湾などアジアの顧客に感光性フィルムのさらなる拡販を進め、グローバルシェア拡大を図る。
また、将来的には顧客の『技術センタ』へ来場によって、顧客と同社との間で議論しながら製品開発を進め、顧客の課題のさらなる早期解決や新たな技術テーマの創出を目指す。

Hitachi Chemical (Johor) Sdn. Bhd.の概要
名称:Hitachi Chemical (Johor) Sdn. Bhd.
所在地:マレーシア ジョホール州
設立年:1991年
資本金:150百万マレーシアリンギット
事業内容:配線板用感光性フィルム、電気絶縁用ワニスの製造、販売

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基板の窓口編集部

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