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プリント基板 2026.02.17

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銅張積層板とプリント配線板のサイズ

NPO法人 日本環境技術推進機構 横浜支部 理事 青木 正光

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プリント配線板のワーキングサイズに関して触れるにあたって、使用する銅張積層板のサイズが地区によって異なることも十分に理解した上でないと板取の効率が異なってくる。そのため、先ず、銅張積層板のサイズについて地区別の違いから紹介する。

 

銅張積層板のサイズ

銅張積層板のサイズは使用される積層プレスの熱板サイズで地区によって異なる。

積層多段プレス(36段 熱板サイズ 1,340mm×2,260mm)

 

米国

銅張積層板は米国のGE、Westinghouse、Norplex-Oak等の三大大手の銅張積層板メーカーで生産され、当初は、紙フェノール銅張積層板が生産され、その後、ガラスエポキシ銅張積層板が生産された。生産性を向上させるために3feet × 4feetの3面取りの大型多段積層プレスが導入された。

サイズ

備考

920mm×1,220mm 3feet × 4feet(36inch × 48inch)から由来し、米国版の定尺

1,270mm×1,473mm

特殊サイズ

 

日本

日本はメートル法を採用している関係で米国の3feetを参考にして標準サイズが決まり、1,020mm×1,020mmが定尺サイズとなった。そして一方が幅広(1.2倍)となり、これが長尺サイズとなった。

サイズ

備考

1,020mm×1,020mm 定尺 標準サイズ
1,020mm×1,220mm 長尺
1,020mm×1,510mm

特殊サイズ

1,020mm×2,060mm 定尺の倍サイズ 保有するプレスサイズ、及び顧客の要望で
1,020mm×2,060mm 長尺の倍サイズ 要求される要求されるサイズ

 

欧州

 

欧州は各国で標準化されていないサイズのプレスが導入されたために銅張積層板には様々なサイズが存在することになる。

サイズ

備考

920mm×1,060mm  
920mm×1,220mm 米国の定尺
925mm×1,2250mm

米国の定尺+

930mm×1,220mm 米国の定尺+
1,060mm×1,220mm  
1,065mm×1,220mm  
1,065mm×1,280mm IEC規格で規定したサイズ
1,067mm×1,220mm  
1,070mm×1,165mm  
1,070mm×1,220mm  
1,070mm×1,225mm  
1,070mm×1,285mm  
1,155mm×1,060mm IEC規格で規定したサイズ、ドイツの標準サイズ
1,155mm×1,065mm  
1,155mm×1,067mm  
1,400mm×1,220mm  
2,800mm×1,220mm  

 

東南アジア

東南アジアは、日本、米国などのサイズの銅張積層板が生産されるようになり、おのおののサイズを生産するようになった。

サイズ

備      考

914mm×1,220mm 米国の標準サイズ
915mm×1,220mm 米国の標準サイズ
970mm×1,220mm  
1,016mm×1,220mm  
1,020mm×1,020mm 日本の定尺
1,020mm×1,220mm 日本の長尺
1,066mm×1,220mm  
1,070mm×1,160mm  
1,070mm×1,220mm  

 

中国

中国は、欧米、日本などのサイズを参考にして中国版のサイズとなっていった。

サイズ

備      考

915mm×1,220mm 米国サイズに合わせている
1,020mm×1,220mm 長尺
1,070mm×1,220mm 長尺+
1,830mm×1,220mm 特殊サイズ
2,040mm×1,020mm 長尺の倍サイズ
2,140mm×1,220mm 長尺の倍サイズ

 

プリント配線板のサイズ

プリント配線板の設計技術者は、その国の銅張積層板のサイズを考慮してプリント配線板のサイズを決めて歩留良く、板取ができるように配慮している。
具体例を図化して分かり易く説明をする。銅張積層板1m2当たり16枚の製品が取れる板取の例である。製品サイズより、少し大きいサイズで生産し、これをワーキングサイズと呼ばれる。
 

 

プリント配線板のワーキングサイズ (255 × 510mm)で、1mサイズの定尺から製品が16個生産できた例であり、プリント配線板の製品サイズによって多面取りの個数が異なってくる。
銅張積層板には縦方向と横方向では収縮率の違いがあるため、長方形のプリント配線板は機械方向に長手を合わせて対応する必要があるため、板取に配慮が必要となる。
ワークサイズの周辺部は製造に必要な穴、合わせマーク、合わせズレ確認マーク、製造性確認用パターンなどに必要領域として製品配置禁止区域になっている。
では、代表的な製品で、1mサイズで多面取りの個数(取り数)の例を示すと表1のようになる。
 

代 表 的 な 製 品 名

取り数

備    考

ブラウン管式カラーテレビ

9~12個/㎡

片面プリント配線板

スマートフォン

130~150個/㎡

多層プリント配線板

一体型携帯電話

160個/㎡

スマートフォン

210個/㎡

折り畳み式携帯電話

220個/㎡

表1 1m2当たりのプリント配線板の取り数

 

プリント配線板のワーキングサイズ

プリント配線板の製品サイズの比較的大きいサイズは、民生機器ではカラーテレビで、産業機器ではメインフレームコンピュータ関係であった。
民生機器では東芝小向工場内にあった片面プリント配線板のラインは1m角の定尺の銅張積層板をそのまま使用して生産する方式であった。1970年代、旺盛なカラーテレビの需要を賄うために1m角の銅張積層板を使用してカラーテレビ用プリント配線板を生産していた。世界でも東芝の小向工場のみであった。1) 他は、定尺から半裁した510mm角を使用するのが一般的であった。
元々、東芝小向工場でカラーテレビを生産しており、それに使用される片面プリント配線板は同じ小向工場で内製化していた。旺盛なカラーテレビ需要を賄うために生産性の良い製造ラインが想定され、東芝千鳥町工場(現、京セラ川崎工場)に定尺の2倍サイズが積層成形できる能力4,300トンの30段の多段積層プレスが導入されて、定尺または長尺の片面銅張積層板が生産され、裁断することなく、東芝小向工場で片面プリント配線板の製造に使用された。生産性の高い製造方法であった。
メインフレームコンピュータ関係では日本IBM、富士通、日立製作所などが比較的大きなサイズのプリント配線板のため、多層プリント配線板のワーキングサイズは最大で610mm × 510mmであった。これは、長尺(1,220mm×1,020mm)を4裁すれば製造ラインで生産ができていた。
メインフレームコンピュータ関係以外では、510mm幅で製造ラインを流すのが一般的であった。唯一、特殊基板の製造に特化したプリント電子研究所や沖電線が長尺のフレキシブルプリント配線板を製造する例がある。

 

最近のプリント配線板のワーキングサイズの傾向

最近は、新たな動きとして新規に導入されるプリント配線板のラインで、ワーキングサイズが620mm × 710mmのラインを導入する例が台湾系、中国系プリント配線板企業である。2) これはサーバー基板などが大型化の傾向のためにその対応と推察される。
また、多層プリント配線板の例で、622mm × 935mmや624mm × 1,090mmのサイズを生産する会社が出現している。この多層プリント配線板は中国のASK PCBのタイの工場のSundellで生産したもので、2024年7月に開催された第1回Thailand Electronics Circuit Asiaの展示会で紹介された。

写真1 622mm × 935mmのワーキングサイズ

 

 写真2 624mm × 1,090mmのワーキングサイズ

 

【参考資料】

1.大島錬三,”次世代に伝えたいこと<片面プリント配線板の全自動化製造” 温故知新~実装技術者の回想と夢~ pp239~pp242 NPO法人 サーキットネットワーク (2023)
2. 青木正光,"展示会レポート 第1回 Thailand Electronics Circuit Asia" エレクトロニクス実装技術 Vol.41 No.1 pp60~pp63 (2025) 
 

 

NPO法人 日本環境技術推進機構 横浜支部 理事 青木 正光
http://www.jetpa.jp/jetpa/
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