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編集企画 2026.05.11

電子製品保護における理想的な選択肢

精密電子部品の防水・耐衝撃に最適な環境配慮型ソリューション―低圧成形(Low Pressure Molding:LPM)―

COMOSS電子株式会社・マーケティング部

プリント基板関連ピックアップ記事 精密電子部品の防水・耐衝撃に最適な環境配慮型ソリューション―低圧成形(Low Pressure Molding:LPM)―

電子製品保護における理想的な選択肢

現代の電子製品では、耐候性、防水・防塵、耐振動といった保護性能に対する要求が年々高まっており、特に車載、産業制御、センサー、船舶・屋外設備、PCB・回路基板封止分野において、その傾向は顕著です。従来のポッティングや高圧射出成形などの封止技術は一定の効果を有するものの、工程の複雑さ、硬化時間の長さ、さらには精密電子部品に対する熱・圧力ダメージといった課題が残されていました。


こうした課題を解決する技術として注目されているのが、低圧成形(Low Pressure Molding:LPM)です。低圧かつ環境配慮型材料を用いた迅速な封止により、精密電子部品の保護、工程効率の向上、環境負荷低減を同時に実現します。COMOSSでは、LPM技術をワイヤーハーネスおよび電子部品の封止サービスに導入し、信頼性・効率性・環境配慮を兼ね備えた製品開発を支援しています。
 

低圧成形-環境配慮型プロセスという選択

低圧成形に使用される材料は、一般に低圧材料またはホットメルト材料と呼ばれ、PVCではなく、ポリアミド(PA)をベースとした特殊エンジニアリングプラスチックです。ハロゲンフリー、無毒性、耐腐食性、リサイクル可能、低VOCでRoHS/REACH適合するなど、高い環境特性を備えています。さらに、優れた流動性、低吸水率、高い封止性、低材料密度といった特長を持ち、成形時に必要な圧力が低い点も大きなメリットです。


環境配慮、材料安全性、廃棄物管理が重視される市場ニーズの高まりを受け、低圧成形は信頼性と環境配慮性を両立した封止技術として注目されています。
 

 

1.低圧成形工法の技術背景と優位性

1-1. 工法原理と発展背景

低圧成形は1970年代、自動車産業における精密電子部品の高い保護性能要求に応えるために発展しました。従来の高圧射出成形とは異なり、低圧成形はポリアミドをベースとしたホットメルト材料を使用し、低圧下で電子部品を被覆して迅速に硬化させることで、高圧高熱による部品損傷を抑制しながら、優れた封止性と耐久性を確保します。

 

1-2. 低圧成形と従来ポッティング工法の比較

低圧成形は、従来のポッティング工法と比較して、以下の優位性を有します。
•    工程を8ステップから3ステップに簡素化
(部品セット → 成形注入 → 製品検査)
•    成形時間は約45~60秒と短く、生産性が大幅に向上 
•    リワーク(再加工)が可能で、不良時のコスト低減に寄与
•    製品形状に応じた設計が可能で、軽量化・材料削減を実現
 

 

低圧成形デモ動画:https://youtu.be/x-TZ7IgckZc?si=U51RIvkQ7joARXEk

 

1-3. 高水準の保護性能

低圧成形は以下の信頼性性能を提供します。
•    防水・防塵性能:IP67以上に対応可能
•    耐衝撃性、耐振動性、防湿性、耐高低温性、耐薬品性に優れる
•    環境規制対応材料(ハロゲンフリー・無毒・再利用可能)
これらの特性により、精密電子製品の耐久性と安全性を大幅に向上させます。
 

2.低圧成形の主な応用分野

低圧成形は高い保護性能、高度なカスタマイズ性、低熱衝撃といった特長を活かし、さまざまな電子製品分野で幅広く採用されています。以下はCOMOSSが実際にサービスを提供している主な応用分野です。

2-1. センサー用回路基板の封止・保護

低圧成形は精密部品を損傷することなく、屋外、車載、特殊環境下で使用されるセンサーの信頼性向上に貢献します。
COMOSSの実績例:
•    車載TPMS(タイヤ空気圧監視システム)
•    土壌・環境用温湿度センサー
•    畜産用途の動物生理センサー

2-2. 船舶・屋外設備向け電子機器

塩害、湿気、紫外線、振動などの過酷な環境下においても、封止性能を維持し、製品寿命の延長に寄与します。
•    船舶制御システム用電子モジュール
•    高電圧システム向け防水コネクタ、屋外用ワイヤーハーネス

2-3. PCB封止

基板上の部品を損傷することなく被覆し、防水・防塵・耐振動性能を付加します。
•    産業用制御基板
•    小型・モジュール型PCB
•    高湿度・高粉塵環境で使用される電子ユニット
COMOSSはPCBの形状、部品高さ、熱感度に応じて最適な被覆設計を行い、耐候性と信頼性の両立を支援します。

2-4. マザーボードおよび重要部品の保護

家電製品、ロボット、スマートデバイスなどにおいて、マザーボードや特定の重要部品は、振動、湿気、外力による干渉などのリスクに常にさらされています。低圧成形は、必要な箇所のみを局所的に被覆・補強することが可能であり、重要エリアの保護性能を高めることで、製品全体の機構寿命向上に貢献します。
•    ロボット制御基板の脆弱部補強
•    家電製品の信号端子・コネクタ部封止
•    引張・屈曲耐性が求められる部位の補強

 

3.COMOSSの低圧成形サービス設計指針

低圧成形の品質と安定性は、設計段階での条件設定が重要です。COMOSSでは、長年の実績に基づき、寸法・肉厚・温度条件などを体系化した設計指針を整備し、安定した量産品質を実現しています。

項目

上限

下限

寸法設計制限

100 mm x 90 mm x 18 mm

10 mm x 10 mm x 1 mm

肉厚設計制限

4 mm

0.8 mm~1 mm

基板エッジ肉厚制限

3 mm

0.5 mm

位置決め設計

位置決め穴 Ø3.0 mm

位置決め穴 Ø1.0 mm

温度制限

240℃(溶融温度)/150℃(射出瞬間温度)

200℃(溶融温度)/110℃(射出瞬間温度)

 

4、COMOSSの低圧成形サービスの特長

COMOSSの低圧成形サービスは、技術の統合、設備レイアウトの最適化、開発から量産に至るまでの一貫した工程サポートを重視しており、顧客がより高い安定性と高効率な製造プロセスを実現できるよう支援します。

 

4-1. 充実した設備体制による安定した量産品質

複数台の国際ブランド製低圧成形設備により、製品特性に応じた工程条件の最適化を行い、成形の一貫性を向上させ、量産リスクを低減します。

 

 

4-2. コネクタ・金型技術を統合した封止ソリューション

•    金型設計・製作
•    製品構造に最適化した封止設計
•    汎用モールドベース活用による開発期間短縮・コスト削減
こうした統合的な対応力により、製品の市場投入までのリードタイム短縮や、設計精度の向上にも寄与します。
 

4-3. ワンストップサービスによる開発・導入管理の簡素化

COMOSSは完全な垂直統合フローを構築しており、開発管理の一元化を実現します。
•    製品評価・設計コンサルティング
•    金型開発
•    ワイヤーハーネス組立・はんだ付け
•    低圧成形封止
•    最終検査・量産品質管理
これにより、工場間の調整コストを削減するとともに、製品開発から量産までの一貫性と時間効率の向上を可能にします。

 

結語

低圧成形(LPM)は、電子製品の耐久性向上、生産効率改善、環境配慮を同時に実現する封止技術です。低圧・低温成形プロセスにより、センサー、IC、FPCなどの電子部品への熱ダメージを抑えつつ、優れた流動性を確保し、複雑な幾何学構造、細線、微小部品への被覆にも対応可能です。また、防水・防塵・防湿、絶縁、耐薬品性、EMI/ESD対策など、複数の機能を一体化した成形も実現できます。


COMOSSは、電子接続ソリューション設計とワイヤーハーネス・コネクタ製造における豊富な実績を基に、車載、産業制御、センサー、船舶・屋外設備、PCB封止など、幅広い分野で低圧成形成功事例を積み重ねてきました。今後も、品質と環境性能を両立した低圧成形ソリューションを提供してまいります。

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