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2026.02.27

【能力の見える化】ジョブ型移行とスキルベース給与の再構築

基板の窓口編集部

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製造現場への「ジョブ型賃金」導入の実態と、職務定義の重要性

内閣府の「令和7年度(2025年度)年次経済財政報告」によれば、国内製造業は構造的な人手不足を背景に、個々の職務内容と賃金を連動させるジョブ型人事制度の導入を加速させている。従来のメンバーシップ型において、「現場の阿吽の呼吸」で補完されていた業務に対し、デジタルトランスフォーメーション(DX)化や自動化に伴い、国内製造業では「誰が・何を・どこまで責任を持つか」というジョブディスクリプションへ落とし込む作業を進めている。

人事部門は、単なる作業工程の羅列ではなく、トラブル対応時の判断権限や改善提案の期待値までを言語化し、賃金に紐付ける「職務評価」の精度向上を求められている。労働者(転職希望者)にとっては、2026年の市場では「何年働いたか」よりも「どの職務記述書の要件を満たせるか」が交渉における重要な要素だ。厚生労働省の「職業能力評価基準(職業能力見える化ツール)」などを活用し、自身の経験を公的な基準に照らして定義し直すことで、企業側の提示する職務給のレンジを上限で勝ち取る戦略が有効である。
 

 

人事部門に求められる「スキルベース給与」の再構築

厚生労働省の「令和7年(2025年)版 労働経済の分析」の分析によれば、ジョブ型を補完する「スキルベース給与」を導入する企業が、専門職や技術職を中心に増加している。これは、特定の職務に固定されず、高度な「多能工」としての技能や、グリーントランスフォーメーション(GX)に対応した新技術を持つ人材に高い報酬を支払う仕組みである。

人事部門は、技能検定1級や高度熟練技能者といった「公的資格」と、自社の生産性向上への寄与度をクロスさせた評価マトリクスを構築し、納得感のある昇給モデルを提示する必要がある。
また、労働者側は、2026年現在の労働不足を背景に、単一の技能だけでなく「DX×保全」「品質管理×データ分析」といったスキルの掛け合わせを証明することが重要である。公的な「教育訓練給付金」の対象となる高度専門教育を修了している事実は、賃金交渉において「客観的なスキルの証明」として強く機能する。

 

ミドル・シニア層の賃金カーブと、これからの昇給モデル

内閣府の「令和7年度(2025年度)年次経済財政報告」では、ミドル・シニア層の「労働移動の円滑化」を構造改革の柱として強調している。終身雇用を前提とした「50代をピークに下降する賃金カーブ」から、役割の重さに応じて賃金が決まるモデルへの移行が政策的に推奨されており、40代以降でも市場価値の高いスキルを持つ層の賃金は維持・上昇する傾向が見られる。
人事部門は、シニア層を「余剰人員」ではなく「専門知の継承者」として再定義し、マネジメント職以外でも高待遇を得られる「スペシャリスト・コース」の確立を急いでいる。


【参照元URL】

・内閣府:令和7年度(2025年度)年次経済財政報告(経済財政白書)
 https://www5.cao.go.jp/keizai3/whitepaper.html

・厚生労働省:令和7年(2025年)版 労働経済の分析(労働経済白書)
 https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/25/25-1.html

・厚生労働省:職業能力評価基準(製造業)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/ability_skill/syokunou/index.html

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