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展示会レポート 2022.04.15

SEMICON Japan 2021 Hybrid

エレクトロニクス 実装技術 編集部

SEMICON Japan 2021 Hybrid

 

 

 2021年12月15日(水)~17日(金)の3日間、東京ビッグサイトにおいて、半導体を中心としたマイクロエレクトロニクスの製造を支える装置/材料産業の総合イ
ベントであるSEMICON Japan 2021 Hybridが、SEMIの主催によって開催された。

 展示会出展者数:452、出展小間数:1,358、出展国数(国/地域):9、そして3日間の展示会の総来場者数は、26,626名に上った。

 

 

 

 

 THK(株)では、製造業向けIoT サービス『OMNI edge』を紹介していた。

 同サービスは、製造現場で稼働する同社製の機械要素部品に専用センサを設置してネットワークを自動構築し、現在の部品の状態を収集/解析し、数値で見える化する、というもの。

 最近、新たな特典として、センサを取り付けた同部品に不調、異変が生じ、交換を迫られた際に優先的に待ち時間ゼロでTHK の工場に交換部品の製造を手配できる「製造ゼロ待ちチケット」、予兆検知機能が働かず、センサを取り付けていた同部品に損壊が発生した場合に限り、原因個所の部品の価格と交換を保証する「IoTリスク補償」の提供を開始。

現場を支える安心な仕組みが新たに強化された。

 

製造業向けIoTサービス『OMNI edge』に関する展示

 

 

 

 (株)ハイテック・システムズのブースでは、ドイツ・sciaSystems 社製の、量産用のイオンビームトリミング装置『scia Trim 200』を紹介していた。

 最大200mm径基板までに対応する装置で、フォーカスしたイオンビームを基板上に照射し、基板面内上の膜厚分布や周波数分布を改善。

 基板全面エッチング(静電チャック)、サブナノメートル精度、大幅な歩留まりの改善の実現、といった特徴を有しており、SOI、LT/LNウエハなどの膜厚トリミングや、BAWフィルタ/SAWフィルタなどの周波数トリミング、MEMSやTFHなどの形状修正などへの応用に適する製品として、来場者の注目を集めていた。

 

(株)ハイテック・システムズのブース

 

 

 

 (株)アイエイアイのブースでは、デモを交えながら、同社の各種製品/技術を展示。

 たとえば単軸ロボットを採用することで、高剛性、優れた直進性、ならびに低コストを実現できる機構が紹介され、来場者は熱心に説明に耳を傾けていた。

 搬送ユニットと反転機を一体化したデモでは、従来はストッカー→反転機→洗浄機という機構であったものを、同社のロボシリンダを採用することによって反転機を不要にし、ストッカー→洗浄機という機構となることで、サイクルタイムの短縮と省スペースを実現する。

 

写真3 (株)アイエイアイのブースでのデモ

 

 

 

 (株)第五電子工業では、ファイバレーザ溶接を紹介していた。

 これは細く深い溶け込みが可能な高強度の溶接で、熱影響部が少ないため部材の変形が抑えられるという特徴を有する。

 また、幅の狭い水路溶接(水路の幅を掘り、ふたをする構造)に適用可能で、連続CW照射溶接ができ、なめらかで巣のないビードを実現。

 TIG溶接に比べ、約2~10倍のスピードアップが図れるので、全体工程の迅速化にも寄与する。

 高反射材であるアルミニウムの溶接が可能で、美観を保った溶接が行える他、パイプ溶接において1層でt=4mmまで裏波溶接ができ、薄板/微細溶接も厚み0.5mm以下の薄板溶接が可能である。

 

ファイバレーザ溶接に関する展示

 

 

 

 東京計装(株)では、ストレートPFAチューブを採用した表示付きの変換器一体形超音波流量計『UFシリーズ』を紹介していた。

 クリーンな構造と低コストを追求した製品で、測定管は市販PFAチューブを採用。

 溶着レスで液だまりのない構造となっているため、超純水、純水、水の流量管理用として広範囲なアプリケーションに対応する。

 150ℓ/minまでの流量域の測定が可能で、1/2”、3/14”、1”のPFAチューブサイズをラインアップしている。

 可動部がなく、定期的な保守点検が必要ない他、完全ストレートで圧力損失がほとんどない。

 レンジアビリティは100:1で(ローカットオフ設定1%の場合)、表示部は180°回転させることができる。

 

 一体形超音波流量計『UFシリーズ』

 

 

 

 理化工業(株)では、リフロープロファイルを、無線でリアルタイム測定する多点温度監視システム『NWSMulti』を紹介していた。

 本製品は、最大6点入力(K熱電対)、最大300℃のリフロー炉内の実装部品温度を測定可能で(3分以内)、「はんだ付け温度範囲が適切であるか」「部品の耐熱保証温度を超えていないか」「プリント基板加熱時の温度分布」といった点を検証することができる。

 現場で使いやすいように機能が絞られ、専用のモニタソフトである『NWS-MM』も、現場での使いやすいレイアウトを採用。

 使用頻度の高い設定項目を常時表示して、ボタンなどを大きくしている。同社の生産ラインでも実際に導入され、大きな効果を上げているという。

 

無線式多点温度監視システム『NWS-Multi』
 

 

 

 エレクトロニクス実装学会 バウンダリスキャン研究会は、活動報告や最新の製品、技術動向を紹介。

 同研究会は、日本にバウンダリスキャンを普及拡大させて電子製造業の競争力強化に繋げること目的に、2018年に設立。

 技術発表会で会員相互を啓発し合ったり、企業や学校訪問を通じで認知度の向上に努めており、ブースでは大学での教育事例も展示していた。

 さらに、最新の製品として、29万種類の部品ライブラリから故障解析に最適な実装テスト用のアプリケーションを自動生成するなどの特徴をもつ、JTAG Technologies社のJTAGテスト統合ソフトウエア『JTAG Provision2020』についてもパネルで紹介していた。

 

 エレクトロニクス実装学会 バウンダリスキャン研究会のブース

 

 

 

 SEMICON Japan 2022の開催は、2022年12月14日(水)~16日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて開催される予定。

 

 

 

Gichoビジネスコミュニケーションズ株式会社エレクトロニクス 実装技術 編集部

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