2023年9月13日(水)〜9月15日(金)、東京ビッグサイトにて「TEST2023―第17回総合試験機器展」が開催される。
材料試験・環境試験および計測・評価に関する国内唯一の総合展である本展は、試験機メーカーをはじめとした55社/団体の出展を見込んでいる。
本記事では、本展主催である一般社団法人日本試験機工業会(以下:日本試験機工業会)への取材をもとに本展の見どころを紹介する。
■会期:2023年9月13日(水)〜9月15日(金)
■会場:東京ビッグサイト 東4ホール
■主催:一般社団法人日本試験機工業会
■展示会事務局:株式会社シー・エヌ・ティ
■公式サイト:http://www.cnt-inc.co.jp/test/
カーボンニュートラル実現へ向け業界を牽引していく「TEST」
出典:TEST2023 [第17回総合試験機器展]公式サイト「前回(TEST2021)レポート」より
「TEST2023―第17回総合試験機器展」は、材料試験・環境試験および計測・評価に関する国内唯一の総合展として、「未来につなぐ試験と計測 見せる信頼―確かな品質」をテーマに掲げている。
製品の「確かな品質」を担保するためには、製品性能を保証するための試験と計測が不可欠となる中、本展ではそれを叶える最新の試験機器が一堂に展示される。
試験機にまつわる最新動向を得ることができる本展は、1991年以降隔年で開催され、産業機器の品質管理・向上に不可欠な試験機の専門展として多数の試験機ユーザーが集い、業界内外から高い支持を得ている。
主催の一般社団法人日本試験機工業会は、1940年の発足以来、日本の技術基盤を支える試験機の製造販売業の支援・向上を掲げ、総合試験機器展や各種セミナーなどの開催、試験機規格化の推進、試験機市場調査報告、力計測と硬さ試験のトレーサビリティ推進活動などを行っている。
会期中に行われる『開催記念セミナー「基礎・応用」』は、製品の「確かな品質」の実現を目的とした、各分野での試験における取り組みを紹介する内容となっている。
出典:TEST2023 [第17回総合試験機器展]公式サイト「前回(TEST2021)レポート」より
基礎セミナーでは、試験の基礎から使い方についての10分野のセッションを設けている。
試験機ビギナーを主な対象に据えた本セミナーでは、試験機の一般的な使い方に関する講演後、セミナー参加者へ配布されるテキストにて、同テーマ製品・技術を扱う会員企業の出展情報を提供する。
セミナー聴講後に各社のブースを訪問することにより、セミナーで取り上げられた実際の製品や技術を見ることができる点は、会場に足を運ぶ大きなメリットとなるだろう。
応用セミナーでは、製品の軽量化と強度およびその試験に関する2つのセッションを設けている。
芹澤 愛氏(芝浦工業大学工学部材料工学科教授/大阪大学大学院工学研究科招へい教授)によるセミナー「水蒸気のみでアルミニウム合金に作製した多機能性皮膜の評価」では、近年開発された、水蒸気のみで実施可能なアルミニウム合金への新規表面処理技術について概説する。
さらに、作製した耐食性皮膜の耐食性、力学特性の評価法ならびに評価結果についても取り上げる。
国際的に脱炭素の動きが進むなか、自動車産業においては温室効果ガスを排出しない電気自動車を導入する動き(EV化)とともに車体軽量化が喫緊の課題となる中、超ハイテン鋼板に加え、アルミ合金やCFRTPなどの適用拡大が見込まれている。
このため、異種材料接合においては、継手強度の確保とガルバニック腐食対策などが必須となり、現象の機構や試験方法などが検討されている。
平田 好則氏(大阪大学名誉教授)による「自動車車体のマルチマテリアル化と異種材料接合」では、自動車を中心とした輸送機器の抜本的な軽量化に向けた技術開発の推進を目的として設立された新構造材料技術研究組合(Innovative Structural Materials Association:ISMA)でのプロジェクトの実施内容を中心に紹介する。
脱炭素社会の実現に向け、2050年までにCO2(二酸化炭素)の排出実質ゼロを目指す「2050年カーボンニュートラル」の実現にあたり、各分野において大きな変革が求められている昨今。
こうした潮流の中で、製品製造の根幹を支える試験機メーカーは、高度化・多様化していくニーズや変化に迅速に対応し続ける必要がある。
本展の展望について、主催の日本試験機工業会は、カーボンニュートラルの実現をはじめ最先端技術の発展に貢献することが試験機の役割であるとしたうえで、「今後も試験を必要とされる皆様からの要望やご期待に応えることで、技術振興と産業発展に貢献していきたい」と語った。
試験と計測はあらゆる業種に必要不可欠である。
材料・製品において多角的な試験(強度・疲労・衝撃・振動・気象環境・耐候性など)を行うことは、製品安全性と信頼性を担保しユーザの信頼を得ることにつながる。
前回の2021年開催での入場者業種分類においては、商社に次いで精密機器・機械・電機機器・化学/ゴムと続いた。
各種機器の安全・安心を担保する試験および計測の最新動向をキャッチアップできる本展は、こうした製品製造に関わる業種においては絶好の機会となるだろう。
出典:前回入場者登録分析|入場者業種分類
※ ( )内は2019年実績
日本試験機工業会は、「昨今リモートでのやり取りの利便性が広く認知された反面、実際に顔を合わせる機会の価値を再認識する機会にもなった。本展をオープンイノベーションのきっかけの場として皆様に活用していただき、実りある展示会となることを願っている」と開催への意欲を語った。
本展の入場には登録が必要となり、現在本展公式サイトで受け付けている「来場事前登録」から行うことができる。
「来場事前登録」により、出展社紹介ページでの製品情報PDFの入手、出展社への問合せや面談予約、セミナーの申し込みが可能となる。