国内外の画像処理機器/センシング技術が一堂に会する展示会『画像センシング展 2021』が、アドコム・メディア(株)の主催により、6月9日(水)~11日(金)の3日間、パシフィコ横浜で開催された。
同展示会では、安全性/快適性/効率性の向上に寄与し新たな可能性を提案する「QoL(Quality of Life)ゾーン」、総合的なシステム構築を紹介する「システムインテグレーターゾーン」、世界のものづくりを支える日本の精密加工、測定/計測、位置決め技術などが集まる「精密加工測定ゾーン」、ディープラーニング、セキュリティ、メディカル、産学共同の分野で躍進する出展社が集まる「特別コーナー」が設置され、3日間の来場者数は4,578名を集めた。
(株)ノアは、デジカメ感覚で使える3Dスキャナ『Hapimo:3DⅡ』の展示を行っていた。
同製品は、事前準備も専門技術も不要で、誰でもすぐに3Dスキャンが始められる。
3Dデータはカラー情報つきでリアルに形状を再現できる。
また、現実の空間情報を保持しているため、データ上で採寸や計測が可能。
撮影した3Dデータは、USBメモリで簡単に取り出すことができる。
3Dスキャナ『Hapimo:3DⅡ』
キュレコ(株)は、物体の種類を瞬時に識別できる画像認識AIソフトウエア『Vision AI』の展示を行っていた。
同製品は、Learning(学習用)とPrediction(推論用)の2つのソフトウエアで構成されている。
色/柄/形といった外観的な特徴を捉えて物体の種類を選別する。
1回あたり約0.5秒の高速で識別が可能。
識別(分類)に特化しているので、面倒なアノテーションは不要。
生産ラインの効率化や鳥獣害対策などの用途に適している。
画像認識AIソフトウエア『Vision AI』
4Dセンサー(株)は、非接触で分布計測が可能な『OPPA 振動分布計』の展示を行っていた。
従来の加速度計を用いて振動分布を計測するには、何度も繰り返し計測する必要があり、また接触式のため、振動の様子を変えてしまう恐れがあった。
同製品は、OPPA法を採用することにより、非接触で1枚の画像から、試料の変位量を計測することができる。
そのため、高速で振動している物体でもカメラの撮影速度を上げることにより計測が可能となる。
この変位量の時間変化から、試料の周波数解析が分布で簡単に求められる。
『OPPA 振動分布計』
(株)ナックイメージテクノロジーは、高速領域を100万画素以上の高精細で撮影(ブーストモード時)が可能なハイスピードカメラ『MEMRECAM ACS-1』の展示を行っていた。
同製品は、フルフレーム1280×896ピクセルで54000コマ/秒、1280×800ピクセル(100万画素)で60000コマ/秒、ブーストモード時にはフルフレーム100000コマ/秒という高速領域を高解像度で撮影可能。
研究開発/各種試験に対応したモデルになっている。
ハイスピードカメラ『MEMRECAM ACS-1』
同展示会の次回開催は、2022年6月8日(水)~10日(金)の3日間、パシフィコ横浜にて予定されている。