同ポリプロピレン(PP)をフィラメント方式で使用すると、ステージにのりやシートを貼らなくても造形できたり、条件調整もほとんど必要ないなど、非常に使用しやすいことが同社の評価から明らかになっている。PPは産業的にはもっとも多く使用される樹脂のひとつであるため、同製品により3Dでの造形の幅が大きく広がると期待される。
本製品の特徴として、第一に造形物が反らないことが挙げられる。PPは産業的にはもっとも多く使用される樹脂のひとつであるが、FDM方式の3Dプリンタで造形しようとすると造形物が大きく反ってしまい思い通りの形にならなかったり、そもそも出力途中で失敗することが多くある。同社の開発品はその反りを大幅に低減し、PPでも反らずに簡単に造形できるという点で優れている。第二に、PP特有の柔軟性でヒンジ構造を実現することが可能になるという点が挙げられる。このようなヒンジは、現状よく用いられている材料のPLAでは難しいとされている。第三に、薬品に対する耐性が挙げられる。広く使われるABSにはない、幅広い薬品耐性を有している。
新規開発品ではあるがすでにサンプルワークを開始しており、ヒンジのある形状で出力したい、薬品が触れる用途で使いたいという要望で引き合いがあるほか、実際に試用した顧客からはその性能を評価されている。