近年、電子機器の高機能化・小型化が急速に進む中で、プリント回路板(PCB)の設計はますます複雑化しています。医療機器や航空宇宙、防災・エネルギー分野など、社会の根幹を支える装置に搭載される基板には、極めて高い信頼性が求められます。わずかな不具合が人命や社会インフラに影響を及ぼす可能性があるため、検査工程の重要性はかつてないほど高まっています。
こうした背景の中、タカヤ株式会社が2024年に発表した最新モデル「APT-2400F / APT-2600FD」は、フライング式インサーキットテスターの技術をさらに進化させ、多数の新機能を搭載。検査精度、信頼性、保守性、そして自動化対応力において、次世代の検査装置としての地位を確立し、「微細化・高密度化する基板に対する高精度検査」という技術課題を着実にクリアします。

プリント回路板の検査工程は、製品の品質と信頼性を左右する極めて重要なプロセスです。従来主流だった治具式インサーキットテスターは、基板ごとに専用治具の設計・製作が必要であり、開発リードタイムやコスト、保守性に課題がありました。
タカヤ株式会社が開発した「フライング式インサーキットテスター」は、これらの課題を根本から解決する革新的な検査装置です。治具を使用せず、高速・高精度に移動するプローブが基板上の任意ポイントに直接コンタクトし、電気的検査を実行します。この方式により、以下のようなメリットが得られます。
・治具不要による設計・製作工数の削減
・高密度・微細部品への柔軟なアクセス
・多品種少量生産への迅速な対応
・検査工程の自動化・省人化による生産性向上
・人為的ミスの削減と品質の安定化
特に、最大50Gの移動加速度とミクロン単位の停止精度を両立する技術は、タカヤ独自の制御アルゴリズムとメカ設計によって実現されており、世界的にも類を見ない性能を誇ります。

2024年に発表されたAPT-2400FおよびAPT-2600FDは、フライング式インサーキットテスターの技術をさらに進化させ、検査精度・信頼性・保守性のすべてにおいて飛躍的な向上を遂げています。
プローブが基板に接触する瞬間の衝撃を極限まで抑制。ばね荷重のみでの接触により、超精密基板や新素材基板にも対応可能となり、検査による物理的影響を最小限に抑えます。

従来の固定焦点レンズでは困難だった深い被写界深度(40mm)と高分解能(10μm未満)を両立。さらに、AIベースのOCR(光学式文字認識)エンジンにより、傾き・ノイズ・異体字にも強く、工程自動化の信頼性が大幅に向上しました。

基板上のコンポーネントの高さ・傾き・位置関係を立体的に取得。プローブとの空間的な接触点を可視化し、設計データでは把握しきれない実装状態を正確に反映。プロービングポイントの自動最適化にも貢献します。

庫内の状態を常時監視し、トラブル発生時には自動で映像を記録。検査前の安全確認や異常検知による検査中断機能も搭載し、保守性と安全性を高めています。

業界初の自動クリーニング機能により、プローブ先端に付着したフラックスや酸化物を定期的に除去。接触安定性が向上し、導通検査や抵抗測定の再現性が飛躍的に改善されます。

コンポーネントの温度をリアルタイムでモニタリングし、温度ドリフトによる測定誤差を補正。異常過熱箇所の検出にも対応し、不良解析の精度向上に寄与します。

可視光だけでなく、紫外(UV)・赤外(IR)領域の波長も測定可能。色差や波長ずれを数値化し、表示装置や照明機器の品質保証に新たな価値を提供します。

IPC-CFX、OPC UA、SEMI ELSなどの最新通信規格に対応。製造ライン全体の情報統合とトレーサビリティを実現し、スマートファクトリー化を強力に支援します。
APTシリーズは、単なる検査装置ではなく、社会の安全性と信頼性を技術的に支える中核的存在として、さまざまな分野で活用されています。
心臓ペースメーカー、人工呼吸器、内視鏡診断装置など、患者の生命に直結する装置に搭載される基板の検査に使用。わずかな不具合も見逃さない高精度検査により、医療現場の安心を支えています。
人工衛星やロケットなど、極限環境下での安定動作が求められる機器において、APTシリーズは信頼性確保の要となっています。打ち上げ後の修理が困難な機器に対して、事前検査の精度が極めて重要です。
長期安定運用が前提となる制御装置や通信機器において、APTシリーズは製品の信頼性を担保する重要な役割を果たしています。災害対策機器や電力制御装置など、社会の持続可能性を支える技術として注目されています。
APT-2400F / APT-2600FDシリーズは、その革新性と技術力が高く評価され、以下の名誉ある賞を受賞しています。
電子回路実装技術の発展に顕著な貢献を果たした技術に贈られる賞で、APTシリーズは高精度・高速検査技術と自動化・省人化への貢献が評価されました。

機能性・安全性・社会性・市場性など多角的な視点から審査されるデザイン賞で、APTシリーズは検査精度と操作性を両立したインターフェース設計やスマートファクトリー対応の柔軟性が高く評価されました。


JPCA Show 2025出展製品において電子回路技術および関連産業の発展に寄与する優れた製品・技術に贈られる賞で、APTシリーズが選出されました。

APT-2400F / APT-2600FDは、フライング式インサーキットテスターの新たなスタンダードとして、検査工程の自動化・省人化を加速させ、製造現場の品質保証と生産性向上を両立します。
今後は、AIとの融合による自動解析技術の確立や、クラウド連携による遠隔保守・データ分析の高度化など、さらなる進化が期待されています。タカヤは、検査技術を通じて社会課題の解決と産業の発展に貢献し続けます。
2025年12月より新製品「APT-T400J」の販売を開始いたしました。
電子機器の高密度化・多機能化が進む中、実装基板の検査には従来以上の精度と信頼性が求められています。一方で、製造現場では人手不足やコスト削減といった課題が顕在化し、高性能でありながら導入しやすい検査装置へのニーズが急速に高まっています。こうした状況を踏まえ、タカヤは長年培ってきたフライングプローブテスト技術をベースに、より幅広い現場で活用できるモデルとして 「APT-T400J」を開発しました。検査品質を妥協することなく、導入のハードルを下げることで、より幅広い製造現場の課題解決に貢献します。
