「高機能素材Week 2025」は、機能性フィルム、プラスチック、セルロース、炭素繊維複合材、金属、セラミックスなど、最先端の素材技術が一堂に集結する世界最大級の専門展である。2025年11月12日(水)〜14日(金)に幕張メッセで開催された。
近年、カーボンニュートラルや資源循環、脱炭素、海洋プラスチック問題といった地球規模の課題への対応が産業界に求められ、素材産業の重要性は一段と高まっている。こうした社会的背景も後押しし、会場は大きな賑わいを見せた。展示会運営事務局の発表によれば、2025年の来場者数は47,355人であった。
基板の窓口では、注目企業のブースを現地取材し、インタビュー動画をもとに最新技術や製品、ユーザー事例などを詳しくレポートしていく。
【公式サイト】
https://www.material-expo.jp/tokyo/ja-jp.html
【次回開催予定】
日時:2026年2月18日(水)〜20日(金)
場所:ポートメッセなごや
日時:2026年5月13日(水)〜15日(金)
場所:インテックス大阪
日時:2026年9月30日(水)〜10月2日(金)
場所:幕張メッセ
電気代わずか月5,000円で実現 ― 塗装ブース水の循環浄化システム
https://www.youtube.com/watch?v=W_RMkRDo900
同社はオゾン式塗装ブース水浄化装置を紹介した。
本システムは、オゾンの強力な酸化作用を活用し、塗装ブース水に含まれる腐敗菌の殺菌と悪臭の消滅を実現する。また、塗料スラッジを有機的に分解・減容することで、産業廃棄物処理費用を大幅に削減可能だ。ブース水を廃棄せずに再利用できるため、環境負荷を低減しつつ、薬剤やフィルターが不要でランニングコストを電気代のみ(月額約5,000円)に抑えられるという高い経済性も特長である。
高安定・高再現性を実現する光ファイバー接続ラマンシステム
https://www.youtube.com/watch?v=4KiXtxdwpfI
同社は、witec360 ラマン顕微鏡を紹介した。
本製品は、機能ごとのモジュール設計を採用することで導入後の機能拡張を可能にし、ユーザーの多様な研究ニーズに柔軟に対応できる。また、光ファイバー接続による高い集光性と蛍光の影響を抑える設計により、高精度なスペクトル測定を実現。25mmから300mmまで幅広いサイズの半導体ウェハの全面測定にも対応する多様な資料台ステージを用意している。グローバルで数千台、日本国内でも数十台以上の実績を持ち、汎用性の高いソリューションとして注目を集めている。
バイオマスから生まれる次世代素材「ネオシリカ」
https://www.youtube.com/watch?v=3QePnc4E21s
同社は、独自技術「ISI方式」により、廃棄物である籾殻を外部エネルギーに頼らず連続燃焼させて得られる、バイオマス由来の次世代素材「NEO SILICA(ネオシリカ)」を紹介した。
ネオシリカは、炭素とシリカの組成比を制御した複合素材であり、後工程で高比表面積多孔質炭素や非晶質ナノシリカなどへ誘導することも可能である。高機能デバイスへの応用が期待されており、余剰バイオマスを有効活用するグリーンな社会の実現に貢献する素材といえる。
現場で動かせるフレキシブルな破砕・選別ソリューション
https://www.youtube.com/watch?v=taCNqwT3Bfc
同社は、一軸低速破砕機「LS3600TX」と自走式ディスクスクリーン「Hextra」を紹介した。
LS3600TXは、建設廃材や混合廃棄物など、そのままでは処分が難しい大型廃棄物を粗破砕し、リサイクルや処分工程を効率化する。高い破砕能力を持つトランスミッション駆動方式を採用しつつ、過負荷時の自動逆転機能など安全面にも配慮がされている。一方のHextraは、回転するディスクによって固形物をサイズ別に効率よく選別する。土砂などが混ざった低価値な材料から不純物を取り除くことで、製品の価値向上や有価物化に寄与する。両機種とも現場内で自由に動かせる自走式ソリューションとして、柔軟なレイアウトと効率的な現場処理を実現する。同社は現在、国内でのデモ実施協力企業を広く募集している。
リサイクル需要と資源供給を同期させるマッチングプラットフォーム
https://www.youtube.com/watch?v=soh-ekoZI3I
同社は、資源循環クラウドを紹介した。
これは、廃棄物排出企業、リサイクル技術保有企業、再生素材利用企業の三者をAIで結びつけ、資源循環を最適化するマッチングプラットフォームである。資源発生タイミングと需要の不一致や販路開拓難といったリサイクル業界の課題を解消し、必要な資源の適切な調達を実現する。その結果、企業の廃棄コスト削減、再生素材の安定調達、およびCO2排出量削減を同時に実現できる。上場企業を含む繊維、プラスチック、自動車部品など多岐にわたる業種で利用されており、環境対応と経済合理性を両立する先進的な資源循環モデルとして注目される。
九州大学発 AI が実現する ESG インパクト分析プラットフォーム
https://www.youtube.com/watch?v=0qOH3236YmU
同社は、九州大学発のAI技術を基盤とするESG評価・改善クラウドサービス「aiESG Flow」を紹介した。同サービスは、製品単位でサプライチェーン全体を遡り、環境・社会・ガバナンスを含む3,290項目ものESGインパクトを網羅的に定量評価できる世界初のプラットフォームである。企業は本サービスを利用することで、従来の評価では困難であった人権・生物多様性といった潜在リスクを可視化し、持続可能な原材料調達やサプライチェーンの最適化を支援する。大手メーカーを中心に既に採用実績を重ねており、ESG経営の推進を力強く後押しするソリューションとして注目を集めた。
ガスインジェクション × カウンタープレッシャーによる成形革新
https://www.youtube.com/watch?v=zxEqc4ZU-VA
株式会社カケンジェネックスは、射出成形の品質向上と軽量化を実現する「成型アシスト装置」を紹介した。
同社の主力製品であるガスインジェクション装置は、成形品内部を空洞化することで肉厚部の冷却時間を大幅に短縮し、ヒケやソリといった不良を解消しながら軽量化を可能にする。また、カウンタープレッシャー装置は、発泡成形で発生しやすい表面のスワールマーク(表面の荒れ)を抑制し、ソリッド成形品のような平滑な外観を保ちつつ、製品内部を発泡させることで軽量化を両立する。同社の装置は、自動車部品や家電製品など幅広い分野で国内外に実績を持ち、成形工程の省資源化と効率化に貢献する。
99.8%以上の高純度アルミナ原料
https://www.youtube.com/watch?v=DaLv7lMBz14
拓鋭研磨株式会社は、高純度アルミナ原料を紹介した。
主力製品である低ナトリウム白色溶融アルミナ微粉は、99.8%以上の高純度と高い硬度を両立させている。主に鉄鋼業における耐火煉瓦などの高耐熱用途、およびサンドブラスト、精密鋳造、ファインセラミックスといった高硬度・耐摩耗性を必要とする分野で使用される。同社は、ドイツや日本など世界各地への10年以上の輸出実績を持ち、厳格な品質管理に基づいた安定供給体制を構築している。
電子部品製造向けジグ材ソリューション
https://www.youtube.com/watch?v=PYod8MKRXps
株式会社ヨータイは、電子部品製造向けに最適化された窯道具・ジグ材ソリューションを紹介した。
同社は定形耐火物メーカーとして、セラミックスや電子部品の焼成工程に不可欠なセッターや棚板などの道具材を展開。特に、セラミックスコンデンサー製造における容量ばらつきの課題に対し、同社製品の導入により容量精度の標準偏差を数%改善し、最終製品の歩留まり向上に大きく貢献した事例を提示した。また、還元雰囲気下での安定制御を向上させ、生産効率の改善にも寄与している。個々の製品ごとに必要な品質や形状を把握し、顧客と綿密な打ち合わせを通じて最適なジグ材を提案する個別対応力を強みとしている。
均一性・再現性に優れた蒸着源ソリューション
https://www.youtube.com/watch?v=1pyvfDbu7GA
長州産業株式会社は、誘導加熱方式蒸着源「IHES™」と対向ターゲット方式「ミラートロンスパッタ装置」を紹介した。
IHES™は、独自のEV-ALLるつぼと誘導加熱を組み合わせ、抵抗加熱方式に比べ、卓越したレート安定性と膜厚の再現性、均一性を実現する。これにより、大学や研究機関における実験条件のばらつきを低減し、研究成果を出しやすくする。また、ミラートロンスパッタ装置は、対向ターゲット構造により低プラズマダメージ、低基板温度での成膜を可能にし、有機ELデバイスやペロブスカイト太陽電池などの最先端分野における性能低下の課題解決に貢献する。同社は、これら装置により有機ELやペロブスカイト太陽電池の研究開発・製造分野での実績を拡大している。