2024年5月8日(水)~5月10日(金)、インテックス大阪(大阪市住之江区)にて、西日本最大の高機能素材・レーザー技術の総合展「第12回 高機能素材 Week 大阪」および「第4回 Photonix 大阪」(主催:RX Japan株式会社)が同時開催される。
高機能素材 Week内で併催される「第12回 FILMTECH JAPAN 大阪」「第12回 PLASTIC JAPAN 大阪」「第11回 METAL JAPAN 大阪」「第9回 CERAMIC JAPAN 大阪」「第8回 接着・接合 EXPO 大阪」「第7回 塗料・塗装設備展 大阪」「第4回 サステナブル マテリアル展 大阪」といった各専門展を含む本展は、昨年度は298社が出展し、来場者数は23,000人超に及んでおり、今年度も全展併せて330社の出展と来場者数25,000人を見込んでいる。
入場は無料。来場者登録制の本展は、公式サイトから来場登録を行える。
本記事では、「第12回 高機能素材 Week 大阪」と「第4回 Photonix 大阪」の見どころを中心に紹介する。
目次
■最先端の素材技術が一堂に会す「高機能素材 Week 大阪」/ 光・レーザー関連技術の総合展「Photonix 大阪」
-高機能素材 Week 大阪とは
-Photonix 大阪とは
■【主催者推薦文掲載】注目の出展企業ご紹介
-GX・脱炭素分野
-機能性材料分野
■高機能素材・加工技術に関するセミナーが多数開催予定
■「第12回 高機能素材 Week 大阪」/「第4回 Photonix 大阪」の来場事前登録はこちらから
出典:【大阪展】前回 結果報告 | 高機能素材 Week 大阪
本展は、特に電子部品・半導体などエレクトロニクス製品の製造・開発に活用できる機能材料や加工技術を探している方におすすめの展示会である。
複数の専門展が同日開催され、高機能セラミックスなどの機能性材料から、製造工程で活躍する溶接技術、微細加工技術、表面処理などが多数出展する。
各業界の研究・開発・設計・製造の担当者が来場し、出展社と活発な商談が行われているのが特徴である。
同展示会は、機能性フィルム・プラスチック・セルロース・炭素繊維複合材・金属・セラミックスなどの最先端の素材技術が一堂に出展する西日本最大規模の展示会である。
材料そのものだけではなく、材料の製造加工機械、検査測定分析機器など素材産業に関わるあらゆる技術が、併催の7つの専門展を含め多数出展している。
出典:【大阪展】前回 結果報告 | 高機能素材 Week 大阪
同展示会は、「レーザー加工」「光学部品・材料」「光計測・分析」の3つの専門ゾーンから構成される、光・レーザー関連技術の総合展である。
レーザー加工機、光学部品・材料、光計測器・光分析装置などが展示され、自動車・電機・二次電池メーカーの生産技術・工場関係者が多数来場している。
本展の特徴として、複数の展示会が同時開催されていることにより、来場者が幅広い分野の新製品・技術の知見を広めたり情報収集ができるほか、各出展社の専門の担当者に直接相談できる点や、最新の業界動向・トレンドを知ることができる点が挙げられる。
出典:会場案内図 | 第12回 高機能素材 Week[大阪]
素材産業界でも話題となっているGX(グリーントランスフォーメーション)であるが、今年度の高機能素材Week大阪にも脱炭素社会実現のカギとなるGX関連製品が出展している。
また、放熱、低誘電、抗菌、絶縁など製品を高機能化するための材料技術についても多数出展される予定である。
ここでは、主催のRX Japan株式会社による推薦文をもとに、基板の窓口厳選の注目の出展企業を紹介する。
■株式会社電通総研 GXコンサルティングサービス「グリーンイノベーションコンパス」
サステナブルな社会の実現に向け、多くの企業がGX(グリーントランスフォーメーション)の課題に直面し、最近では、経営企画部門やサステナビリティ部門だけでなく、開発・製造部門のような現場からも多くの悩みの声が聞かれる。
GXの取組みを推進・加速するには、プロセスを整備し、遂行することが重要である。また、ツール整備や組織力・人材力強化を行い、プロセス遂行力を最大化する必要も生じる。同社では、「グリーンイノベーションコンパス(GIコンパス)」というフレームを用いて、経営から現場まで、一気通貫でGXの取組みを支援するコンサルティングサービスを提供している。
■東洋クロス株式会社 トークロ離型フィルム 環境対応タイプ
同社からは、PETボトルリサイクルフィルムを用いた、環境に配慮した離型フィルムが出展される。
バージン樹脂使用のPETフィルムに比べ、製造工程で排出されるCO2が削減できることが特長である。同社工程における、トルエン・キシレン(揮発性有機化合物)不使用タイプが新たにラインナップされ、帯電防止処理などの機能性付与も可能となっている。
■王子エフテックス 株式会社 バイオマスプラスチック配合OPPフィルム「アルファンG」シリーズ
同製品は、バイオマスプラスチックを配合することで、石油資源の節約と温室効果ガス排出量の削減に貢献しており、バイオマスマーク商品として認定されている。
・アルファンG PLA:これまでのOPP製造で培った原料樹脂の混合技術と高度な製膜技術を駆使し、植物由来のプラスチック(ポリ乳酸:PLA)を配合している。
・アルファンG PP:食用廃油由来のバイオマスPPを配合している。
■中興化成工業株式会社 ふっ素樹脂×ポリイミドの離型フィルム「FPIシリーズ」
ポリイミドフィルムにふっ素樹脂をコーティングした製品であり、ポリイミドの優れた耐熱性、寸法安定性、表面平滑性に加え、ふっ素樹脂特有の離型性が付与されていることが特長である。
■株式会社ウエストワン 高機能コンパウンド|LUVOCOM
同製品は1894年に創業したドイツLEHVOSS(レーボス)社の高機能コンパウンド樹脂シリーズである。熱伝導性・摺動性・EMIシールド特性・導電性・金属探知対応性・高耐熱性などの特徴をもつコンパウンドを展開している。樹脂・フィラー・添加剤の知見が豊富にあり、要求特性に合わせた材料を提案可能である。
LUVOTECH eco(ルボテックエコ)は、環境に配慮したエンジニアリングプラスチックのコンパウンドである。リサイクル原料をベースとし、グリーンエネルギーを100%使用して製造されており、ISOに基づいたカーボンフット プリント証明書も発行可能である。
ベース樹脂はPC/ABS、PA6、PA66、PPS、PEEKなど、エンジニアリングプラスチックからスーパーエンプラまで 幅広く展開している。ナチュラル品のほか、PTFE配合の摺動グレード、ガラス繊維強化グレードなども用意している。
■株式会社ナノ新素材 透明導電性酸化物
ATO(Antimony Tin Oxide)、ITO(Indium Tin Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)などナノ超微粒粉末は半導体領域の非抵抗を持っている透明伝導性材料で、コーティング用高濃度超微粒分散液形態で適用され、各種ディスプレイパネルやガラス、プラスチックなどの帯電防止および透明伝導性が求められるすべての場所に応用されている。
会期中は3日間で40を超えるセミナーの開催が予定されている。
半導体や脱炭素社会、SDGsなどの近年より一層世間的な注目を集めているテーマから、素材や加工技術に至るまで多種多様なテーマが揃っている。本展のセミナーは事前申込制で、聴講は無料である。
本記事では、「半導体・エレクトロニクス」分野のセミナーについて紹介する。
セミナーの詳細・お申し込みはこちらから
5月8日(水)は、高機能素材week特別講演において、野口仁氏(富士フィルム株式会社 執行役員 エレクトロニクスマテリアルズ研究所長)が「富士フイルムにおける半導体分野の電子材料開発と今後の展望」と題した講演を行う。
野口氏は、今後のスマート社会を支える技術革新により、通信の高速・大容量化、自動運転の拡大、AIやメタバースの普及が期待され、半導体デバイスのより一層の需要拡大と高性能化が見込まれていることに言及している。このような状況を踏まえ、富士フイルムでは幅広い製品とコア技術を組み合わせて顧客の課題解決に注力しており、その一環として取り組んでいる半導体材料の開発について紹介する。
当日はほかにも、熊本玄昭氏(住友ベークライト株式会社 情報通信材料研究所 主幹)による「パワー・先端半導体向け実装材料の最新技術動向」と、野村幸矢氏(株式会社神戸製鋼所 素形材事業部門 銅板ユニット 銅板工場 開発室 主任研究員)による「半導体を支えるリードフレーム用銅合金の開発事例と今後の展望」という、半導体向け材料についてのセミナーが予定されている。
5月9日(木)は、フィルムテックジャパン セミナーにおいて、麓弘明氏(日東電工株式会社 情報機能材料事業部門R&D統括部 第2開発部 第2グループ)が「車載ディスプレイ用偏光板の特性とトレンド」と題した講演を行う。
麓氏は、車載ディスプレイの大型化とマルチディスプレイ化が進んでいること、車両あたりのディスプレイ搭載数が増加傾向にあることに言及し、そういった状況の中で開発が行われる車載用偏光板の特性とトレンドについて紹介する。
5月10日(金)は、PHOTONIX セミナーにおいて、瀧川勇気氏(GFマシニングソリューションズ株式会社 機械営業部 部長)が「半導体業界で活躍するフェムト秒レーザ微細加工技術」と題した講演を行う。
瀧川氏は、金型や精密部品の微細加工で高い評価を得ている同社の3Dレーザテクスチャ加工技術を紹介するとともに、独自開発のソフトウェアとハードウェアがリードタイムの短縮やコストダウンに寄与している点に言及している。その中で今回は、フェムト秒レーザ加工技術と半導体業界での事例を紹介する。
当日はほかにも、中村典永氏(大日本印刷株式会社 ファインデバイス事業部 フェロー、副事業部長)による「大日本印刷の機能性フィルムの現状と将来展望」と、石井利昭氏(日立Astemo株式会社 技術開発統括本部 技術プラットフォーム本部 材料技術開発部 チーフエンジニア)による「車載パワーモジュールの実装動向と接着技術」という、機能性材料や加工技術についてのセミナーが予定されている。
なお、本展公式サイトでは、下記のキーワードに絞ってセミナーの検索も可能である。
・フィルム
・プラスチック
・セラミックス
・メタル
・接着・接合
・塗料・塗料設備
・サステナブルマテリアル
・光・レーザー 技術
・マテリアルズインフォマティクス
・自動車関連
・半導体・エレクトロニクス
・二次電池
・出展社による新技術紹介セミナー
セミナーの詳細・お申し込みはこちらから
全来場者登録制の本展は、公式サイトから来場事前登録を行うことで、当日のスムーズな入場ができる。
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