2025年1月22日(水)〜24日(金) 東京ビッグサイトにて「第39回 ネプコン ジャパン」が開催された。
「ネプコン ジャパン」はエレクトロニクス機器とその実装をテーマとし、国内外のエレクトロニクス、電子機器・半導体の部品・材料、製造装置などが一堂に会する総合展示会だ。同展の2025年における3日間の来場者数は 85,430名となった。
基板の窓口では、同展における注目の出展企業を総力取材。出展各担当者によるブースでのインタビュー動画をもとに、各社の最新製品や技術をお届けする。本記事では前編として、全取材動画のうち半分を紹介する。
公式サイト:https://www.nepconjapan.jp/tokyo/ja-jp.html
次回開催情報
第1回 ネプコンジャパン 関西展
会期:2025年5月14日 (水) 〜 16日 (金)
場所:インテックス大阪
第4回 ネプコンジャパン 秋
会期:2025年9月17日 (水) 〜 19日 (金)
場所:幕張メッセ
ネプコンジャパン概要
第39回ネプコンジャパンでは、半導体技術の進化と応用分野の拡大が大きく取り上げられている。特に、AIやEV(電気自動車)の発展、データセンターの拡充などによる半導体産業へのインパクトが顕著である。
注目すべき技術トレンドとしては、チップレット技術が挙げられる。この技術は、複数のチップを1つのパッケージに実装する手法で、大規模チップの効率的な配置を可能にする。また、次世代パワー半導体の動向も大きな注目を集めている。特にSiC(シリコンカーバイド)を採用したEVが2025年以降のトレンドになると予測されており、この分野での技術革新や市場動向が注目されている。
同展は、半導体技術の進化、パワーデバイスの発展、製造プロセスの改善、材料技術の革新など、エレクトロニクス産業の多岐にわたる最新動向を一度に把握できる貴重な機会を提供している。
3D検査データを読み込み、自動リワークが実現!!大型・多層基板対応リワーク装置「Rework Station MS9000XL」
https://youtu.be/Frfn5im7jU0
今回発表されたリワーク装置「MS9000XL」は、ヤマハ発動機の検査装置とデータ連携を行い、確実にNG箇所へ搬送できる点が特徴である。従来のSMT工程では、検査装置でNG判定を行った後、その後の工程は手作業に依存していた。特にNG品の処理やリワーク工程では、作業者の手間と時間が大きな課題となっていた。
「MS9000XL」は、検査工程とリワーク工程をシームレスに接続することで、作業効率を大幅に向上させる。これにより、自動化が従来よりも一歩進み、手作業の負担が軽減されることが期待される。本装置はインターネプコンにて正式に発表された。
最終外観検査システム「TY-VISION シリーズ」
https://youtu.be/rhjuoPxxyoE
太洋テクノレックス株式会社は高精度な最終外観検査システム TY-VISIONシリーズの展示を行った。
TY-VISION M109SC:大判サイズに対応し、さまざまなワークに対応
TY-VISION M111SC:分解能2.5μmに対応し、より高精細なワークの検査が可能
TY-VISION XAIS:虚報削減と欠陥検出が可能なAIシステム
同社の外観検査装置により、検査の工数削減、人件費削減、検査品質の安定化を実現できる。また、AIを利用した検査では従来の検査方法では検出できなかった薄いキズやクラックについても検出可能だ。
同製品は国内外の量産メーカーへの導入実績が多数ある。
全固体電池!高い耐熱性・高い安全性・長寿命!
https://youtu.be/gZvQwtWWwL8
マクセル株式会社の全固体電池は、耐熱性・長寿命性・高い安全性という三つの特徴を備えている。第一に、125℃の高温環境下でも放電が可能であり、過酷な条件でも安定した性能を発揮する。第二に、長寿命である。第三に、本質的に安全で、産業用途においても安心して使用できる点が強みである。
現在、多くの産業機器では一時電池が使用されており、定期的な電池交換の手間が発生している。同社の全固体電池は二次電池として利用できるため、電池交換の負担を軽減し、コスト削減にも寄与する。
同製品はすでに複数の企業で採用されている。例えば、コー・ワークスと吉屋の共同開発による調理用の温度測定デバイスに活用されているほか、産業機器向けのエンコーダーやRTCモジュールにも搭載されている。
自動はんだ付け装置!工品質なはんだ付け!「FXL-1」
https://youtu.be/Xuxy6NTR04A
FAシンカテクノロジー株式会社は、今回、自動はんだ付け装置「スマートディップⅡ FXL-1」を展示した。
この装置は、樹脂製のパレットにセットしたプリント基板を、はんだ槽に沈めることではんだ付けを行う。特に、熱復帰が難しい基板に対しては、はんだを攪拌することで均一な熱伝導を実現し、高品質なはんだ付けを実現している。
本装置は発売されたばかりであるが、装置サイズのバリエーションを含めると、すでに130台の導入実績があり、特に車載関係での利用が多い。そのほか、通信ボードやロボットコントローラーなど、多様な用途に対応している。
また、本製品には、はんだ付け直前に酸化膜を除去する機構が組み込まれており、常に最適な状態でのはんだ付けを可能としている。
1工具4役!?1つで4つの作業が可能な神ペンチ!「PZ-75 ネジザウルスVAX」
https://youtu.be/P5C5U8sPjDU
株式会社エンジニアが展示した多機能ペンチ「PZ-75 ネジザウルスVAX」は、1本で4つの作業が可能である。ネジの取り外し、電線のカット、圧着、針金の切断といった作業を1つの工具で行える点が最大の特徴である。
本製品により複数の工具を持ち運ぶ必要がなくなり、特に電気工事に従事する作業者から高い評価を得ている。多様な作業を1本のペンチで対応できるため、作業負担の軽減にもつながる。
一般的なVVFケーブル(2.6mm3芯や2.0mmの2芯)を容易にカットできる性能を備えており、外皮ごとスムーズに切断可能である。
SMT部品に貼付された吸着用テープを自動除去!吸着用テープ除去機「Hummingbird-550」
https://youtu.be/7e78JKCaoL8
「Hummingbird-550」は、基板実装後の吸着用テープを自動で除去する装置である。従来は作業者が手作業で剥がしていたが、本装置を導入することで作業の自動化が可能となる。
一般的に使用されるセロハンテープを剥がし用テープとして使用できる。剥がし作業後は画像処理によって剥がし残しがないかを確認し、必要に応じてリトライ機能による再度除去を行う。使用済みの吸着用テープはセロハンテープに巻き取られるため、回収や廃棄作業が簡単になる。
近年、基板実装において使用される部品やコネクターは小型化・高密度化が進んでおり、手作業での吸着用テープの除去が難しくなっている。特に大量生産の現場では、手作業による剥がし残しや異物の付着といった課題が発生していた。本装置を導入することで、これらの課題を解決し、生産効率の向上が図れる。
業界初!エアーブローで基板のゴミを除去!
https://youtu.be/WvfgL6Ukr3k
株式会社ナガオカ製作所が紹介した同製品は、エアブローによって基板に付着したゴミや異物を除去する装置である。高さ40mmまで実装済み基板に対応し、エアブローによる効果的な清掃が可能である。
基板製造の現場では、乾燥工程において材料由来の微細な粉などが付着するケースが多く、品質管理上の課題となっている。本装置は、非接触のエアブロー技術を活用し、静電気の発生を抑えながら基板をクリーンな状態に保つことができる。
リノベでクリーンルーム!?「クリーン環境ソリューション」
https://youtu.be/kdRdZQP2tC4
クリーン環境の構築を専門とする蒲田工業株式会社は、大空間のクリーンルームから局所的なクリーンブースまで、さまざまな製造環境のソリューションを提供している。近年では、半導体分野において既存工場の改築やリノベーションを通じて、クリーン環境を導入する案件が増加している。
同社の強みは、ユーザーの製造環境を迅速に提案できる点にある。製造過程において異物の付着や混入が製品の精度低下につながるため、クリーン環境の確保が不可欠である。また、製造精度向上のためには温度・湿度管理も重要であり、同社はこれらを総合的に設計し提供している。
半導体分野に限らず、医薬・製薬業界など幅広い分野にクリーン環境を提供しており、これまでの約30年間に約3,500件のプロジェクトの実績を持つ。