特集記事

展示会レポート 2024.12.09

2024年11月20日(水)〜22日(金) パシフィコ横浜にて開催

動画展示会レポート「EdgeTech+ 2024」(後編)

基板の窓口編集部

プリント基板関連ピックアップ記事 動画展示会レポート「EdgeTech+ 2024」(後編)

2024年11月20日(水)〜22日(金) パシフィコ横浜にて「EdgeTech+ 2024」が開催された。

同展は、エッジコンピューティング、半導体/デバイス、エッジAI、IoT、5G/ローカル5G、ソフトウェア、ハードウェア、セキュリティなど、インターネットに接続される端末側における技術(エッジテクノロジー)に関わる技術が集結する展示会だ。2024年展における、3日間の来場者数は32,427名となった。

基板の窓口では、同展における注目の出展企業を総力取材。出展各担当者によるブースでのインタビュー動画をもとに、各社の最新製品や技術をお届けする。本記事では後編として、全取材動画のうち半分を紹介する。

公式サイト:https://www.jasa.or.jp/expo/

 

「EdgeTech+」概要

EdgeTech+は1986年にMST(Microcomputer System & Tool Fair)としてスタートした。2002年からの
組込み総合技術展など、時代の要請に応える形で対象範囲を更新し続け、2022年の横浜開催からは新名称「 EdgeTech+(エッジテックプラス) 」のもと、エッジテクノロジーと事業変革のためのキーワードを結び付け、応用産業分野への実装推進、そしてユーザー起点の価値創出を実現するための情報を発信するイベントへとコンセプトを進化させた。

出展製品・サービスは、クラウドネイティブ、アジャイル、DevOps 、リスキリング/ソフトウェア人材育成、AI、IoT、オープンソースソフトウェア、組み込みソフト、組み込みハード/半導体デバイス、開発支援、開発環境、セーフティ&セキュリティ、ワイヤレス、SDV、画像認識AI など多岐にわたる。

株式会社クレスコ

ユーザーが車の挙動をスマホやタブレットで設定できる「OTAで実現!ノーコードで簡単に車両カスタマイズ」

https://youtu.be/4gF6hkKM2_U

株式会社クレスコは、スマートフォンやタブレットを活用して車両の機能を簡単にカスタマイズできる「OTAで実現するノーコード車両カスタマイズ」を参考出品した。同システムの特徴として、エンドユーザーが自らのスマートデバイスを使い、直感的な操作で車両の動作をカスタマイズできる点が挙げられる。

例えば、ドアを開けた際にシーケンシャルウインカーが光るなど、ユーザーが気分や好みに応じて機能を調整できる可能性を追求している。このような新しい体験を実現するシステムは、エンドユーザーの自由度を高めるだけでなく、車両のパーソナライズを可能にするものである。

現在、本システムは研究・模索段階にあり、自動車や家電業界を含む多様な分野の関係者からフィードバックを収集している。この意見を基に改良を重ねながら、ユーザーが感覚的にカスタマイズを楽しめる技術の実用化を目指している段階である。

株式会社シキノハイテック

多品種・小ロットに対応「大型基板実装」

https://youtu.be/95bFsmHUHhQ

株式会社シキノハイテックは、600mmから700mmといった大きな寸法の基板実装を得意としている。特に、一品一様の多品種・小ロットの基板実装に強みを持ち、柔軟かつ高品質な対応を実現している。今回展では、主に半導体工場や半導体メーカーで使用される検査ボードを展示した。

同社は、こうした分野において大手半導体メーカーとの取引実績が豊富であり、確かな技術力と信頼性を提供している。

株式会社デンソークリエイト

システム・ソフト開発現場のさまざまな課題を解決「 Next Design/TimeTracker NX/Lightning Review」

https://youtu.be/TbM_N0ykISc

株式会社デンソークリエイトは、開発現場の効率化と業務改善を支援する3つの製品を出展した。

1つ目は「Lightning Review」で、レビュー業務を支援する開発支援ツールである。2つ目は「Next Design」で、設計業務を効率化する設計支援ツールである。そして3つ目は「TimeTracker NX」で、現場の工数の可視化を通じて業務改善に寄与するプロジェクト管理ツールである。

これらのツールは、ソフトウェア開発現場で生じる多様な課題を解決するために設計されており、特に製造業界を中心に多くのユーザーに活用されている。すでに8万以上のユーザーに採用されている実績があり、その信頼性と実用性が評価されている。

アポロ技研株式会社

注文書一枚で、基板の納入までをワンストップで対応!「開発・製造支援サービス」

https://youtu.be/KLv4iZ1hx-Y

アポロ技研株式会社は、フジプリグループの一員として、基板製造に関する幅広いサービスを提供している。同社の特徴は、基板製造の上流工程から対応可能な点にある。具体的には、回路設計やアートワーク設計、基板製造に加え、昨今の部品調達難に対応したリプレース開発にも注力している。

生産終了となった部品に対する代替品の提案や、それに伴う周辺回路の設計まで、一貫して対応可能である点が強みである。これにより、クライアントの多様なニーズに応えるとともに、部品調達や製造の課題を総合的に解決している。

株式会社メリテック

ノーコードでのIoTデバイス開発を実現!「monoZ:Jet/MonoZ:Link」

https://youtu.be/71skpUmQub8

株式会社メリテックは、IoTソリューションを専門とする企業であり、今回の展示では独自のIoT製品「monoZ」を紹介した。

同社の特徴は、センサーから取得したデータをクラウドに迅速かつ効率的に送信する仕組みを提供する点にある。特に、通信やネットワークの課題がIoT導入の障壁となることが多い中、それを解決するノーコードソリューション「monoZ:Jet」と「monoZ:Link」を開発している。

実績の一例として、セルラー接続対応の体重計が挙げられる。従来のBluetooth接続やスマートフォンを介したデータ送信の手間を省き、計測データを直接クラウドへ送信する仕組みを実現した。

また、大手メーカーであるダイキン工業の研究用環境センサーにも採用され、センサー情報をセルラー経由で同社のIoTプラットフォームに送信するシステムが構築されている。

サイエンスパーク株式会社

SBOMを生成し、ソフトウェアの脆弱性を診断「SBOMスキャナ」

https://youtu.be/ehCr4BpgtXg

サイエンスパーク株式会社の製品「SBOMスキャナ」は、ソフトウェアに含まれるコンポーネントを解析し、ソフトウェア構成を部品表(SBOM)として作成するツールである。さらに、このSBOMを脆弱性情報と突き合わせることで、対象ソフトウェアがどのような脆弱性を持っているかを一覧化し、出力する。

この製品の導入により、ソフトウェアの脆弱性を迅速に特定できるため、早期の対策が可能となり、脆弱性を悪用したサイバー攻撃への対応力を向上させることができる。また、バイナリ解析にも対応しており、特にIoT機器メーカーなど、バイナリを扱う業界で広く採用されている。

株式会社コマス

設計品質を担保し、開発効率化を実現!「ECUソフトウェア設計検証 自動化」

https://youtu.be/BtfoS9qF6_E

株式会社コマスは、ソフトウェア設計に特化したアプローチを取る自動化ソリューションを展示した。このシステムは、制御モデルとソフトウェア設計の差異に着目することで、設計の正確性を検証する仕組みを提供している点が最大の特徴である。この設計検証により、ECU全体の開発期間やコスト、品質に関する課題を解決することを目指している。

現在、このサービスは社内で実験的に導入されている段階であり、まだ外部のユーザーに向けた完全な実績はない。今後、社内での試験を繰り返しながら、最適化を図り、サービスとしての完成度を高めていく計画である。

株式会社グレープシステム

コンパクトかつ高速! POSIX API リアルタイムOS「PX5 RTOS」

https://youtu.be/pSlYS_kp1-I

グレープシステムは、2023年に発売されたリアルタイムOS「PX5 RTOS」の展示を行った。PX5は、POSIX pthread APIに準拠しており、Linuxエンジニアが馴染みやすい点が大きな特徴である。また、機能安全認証を取得しており、高い信頼性と安全性を兼ね備えたOSとなっている。

PX5のネットワーク機能を活用したデモでは、100Mbpsの回線で98Mbpsという高速性能を発揮している。また、LinuxエンジニアがPX5を活用することで、リアルタイムOSの開発における人材不足を補うことが可能である。

さらに、同社では「ThreadX」や「TOPPERS-Pro」など複数のリアルタイムOSを提供しており、ライセンスや開発期間、費用などクライアントのニーズに応じた最適なソリューションを提案している。

株式会社大阪エヌデーエス

Linuxをもっと、みんなに、かんたんに!組込みLinuxパッケージ「BRICK eLinux」

https://youtu.be/r_o6F1U-M0Y

大阪エヌデーエスの「BRICK eLinux」は、Linuxの開発を体系化したサービスを提供する点が大きな特徴である。このパッケージにより、ユーザーが開発したカスタムボードへのOSポーティング、製品仕様に合わせたLinuxのカスタマイズ、さらに教育や保守運用などがトータルでサポート可能だ。

Linux開発には、全体の規模が見えにくい、見通しが悪いといった課題があるが、同社のサービスは体系化されているため、開発の進め方や必要コストが明確化されている。これにより、見通しの良い効率的な開発が可能となる。

搭載実績としては、産業用PLC、表示装置、民生用車載機器などが挙げられる。どのような開発状況からでも量産・出荷までを実現できるのがBRICK eLinuxの強みである。

NXTech株式会社

出荷ライセンス数3,000の実績!「Centeミドルウェアパッケージ」

https://youtu.be/rp8pEQxrDPg

NXTech株式会社は、組み込み機器向けのミドルウェア製品を提供している。具体的には通信プロトコルスタック、USBドライバー、ファイルシステムなど、組み込み機器の開発に必要な基盤機能を幅広く取り揃えている。

特徴として、量産ロイヤルティを一切求めず、プロジェクト限定のライセンス方式を採用している点が挙げられる。このため、開発初期段階の予算内で計画を立てやすく、非常にリーズナブルな製品提供を実現している。

同サービスの最大の利点は、開発者が基盤部分の開発を省略できる点である。これにより、ユーザーは自社の差別化要素にリソースを集中投下できる。サービス開始から21年、これまでに1000以上のプロジェクトで採用され、3000ライセンス以上の導入実績を持つ。
基板の窓口編集部

基板の窓口に寄せられたプレスリリース、投稿記事をご紹介します。記事の掲載に関するお問い合わせはお気軽にお声がけ下さい。

基板関連工場の
無料登録 のご案内
貴社の設計、製造、実装の仕様、製造実績の登録をお願いします。