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展示会レポート 2024.12.03

2024年11月5日(火)〜10日(日) 東京ビッグサイトにて開催

動画展示会レポート「JIMTOF2024」(後編)

基板の窓口編集部

プリント基板関連ピックアップ記事 動画展示会レポート「JIMTOF2024」(後編)

2024年11月5日(火)〜10日(日) 東京ビッグサイトにて「JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)」が開催された。

同展は、工作機械やその周辺機器を中心とした製品と最新テクノロジーが集まる、世界最大規模の総合展示会だ。6日間の来場者数は162,670名を記録した(11/11発表の速報値より)。

基板の窓口では、同展における注目の出展企業を総力取材。出展各担当者によるブースでのインタビュー動画をもとに、各社の最新製品や技術をお届けする。本記事では後編として、全取材動画のうち半分を紹介する。

公式サイト:https://www.jimtof.org/jp/index.html

同展の次回開催予定は下記のとおりだ
    日時:2026年10月26(月)〜 10月31日(土)
    会場: 東京ビッグサイト

株式会社東京精密

2つのカメラと接触式プローブですべての測定に対応!高精度画像測定機「ZEISS O-DETECT」

https://youtu.be/Q4bwglbFWNU

ZEISS O-DETECTは、高精度な測定を実現するために2種類のカメラを搭載した測定装置である。1つは測定用のカメラ、もう1つは全体を捉えるためのカメラであり、これにより全体形状を把握し、測定対象の詳細な位置を瞬時に特定できる点が特徴である。

さらに、カメラ測定では困難な高さの測定には接触式のプローブを併用しており、これによりあらゆる測定ニーズに対応可能である。同製品はこれらの特徴により幅広い分野で導入が進んでいる。

3D Systems

プロジェクター方式で6〜7倍の高速造形を実現!高耐久で製品製作にも対応!光造形3Dプリンター「PSLA 270」

https://youtu.be/DVvjblHMyIk

3D Systemsは今回の展示会で、新製品「PSLA270」を初公開した。同製品は光造形方式の3Dプリンターである。従来、光造形はレーザーを用いて点で硬化を行っていた。一方、PSLA 270はプロジェクターを用いた面での硬化を行うため、従来の約6〜7倍の造形速度を実現する。さらに、材料面でも改良が施され、長期間にわたり物性を保持できる性能を備える。この進化により、試作用途に留まらず、最終製品の製造にも対応可能となった。

本製品の活用により、金型の製作や保管に伴うコストや時間を削減でき、金型レスの射出成形品が実現する。これにより、多品種少量生産やオンデマンド製造にも適したデジタル製造が可能となる。また、同タイプの小型3Dプリンターは既に国内の大手事務機器メーカーや産業用機器メーカーで採用され、樹脂部品の製造やメガネフレームの生産といった実績がある。

ナトコ株式会社

塗膜剥がれなどの工作機械の塗装問題を解決!「スーパーワン®/エコナ®52T」

https://youtu.be/bgmvUwbYkyY

ナトコ株式会社が今回の展示会で紹介した製品は、工作機械向けに開発した粉体塗料スーパーワン、エコナ52Tである。本製品は、クーラント液による工作機械の塗膜の剥がれの問題に対応するため、塗膜の耐久性を高め、長期間にわたり美観と性能を維持できるよう設計されている。

従来の塗料ではクーラント液による塗膜の劣化が避けられなかったが、同製品を使用することで、この問題を大幅に軽減できる。結果として、見た目の美しさを保ちながら、塗り替えの頻度を減らし、メンテナンスコストの削減にも寄与する。実際、前回の出展後には複数の工作機械メーカーから採用されており、現場からも高い評価を得ている。

愛知産業株式会社

省スペースでオートメーションを実現!ATC活用式ワーク自動交換システム「ハウベックス」

https://youtu.be/d5Jxwdq7vWQ

ハウベックスは、従来のオートメーションシステムに必要だったロボットやパレットなどの付帯設備や、それらを設置するための広いスペースを必要としない点が最大の特徴である。機械単体で省スペースかつ低コストでオートメーションを導入できるため、特にスペースの制約でオートメーションを断念していた中小企業にとって魅力的なソリューションとなっている。

さらに、本製品はバイスを使ったオートメーションシステムであるため、少量多品種の加工を行うユーザーでも活用可能である。そのため、これまでオートメーション導入が難しかった企業にも導入の道を開き、幅広い業種や規模の企業に採用されている。

株式会社チタ製作所

ゲージを使ったオールインワンの自動測定機!「SMART-C」

https://youtu.be/Z2Tb4AX2usY

SMART-Cは、ゲージを用いた自動測定機であり、従来、人が手作業で行っていた製品の穴径や深さなどの測定プロセスを自動化するために開発された設備である。

同製品は、ゲージ専用メーカーと専用機メーカーである株式会社チタ製作所との共同開発により誕生した。労働人口の減少や作業者の負担軽減が求められる中、24時間稼働が可能な工場運営を目指す顧客に向けて設計されたものである。また、人手作業による測定のばらつきを解消し、測定精度を向上させる点も大きな特徴である。

株式会社イワシタ

超音波で脆性材加工の精度と効率を向上!超音波研削盤「IUG0101」

https://youtu.be/yu-bNYnjp-A

株式会社イワシタの超音波研削盤 IUG0101 は、超音波を用いて難削材加工における効率性と精度の向上を実現した製品である。同製品は、砥石径方向に超音波を振動させることで研削力を向上させ、さらに「超音波ハンマリング」による破砕力を加えることで効率的な加工が可能になる。

同番手の砥石を使用しても、本製品ではより細かく美しい加工面が得られる。また、砥石の目詰まりを軽減し、ドレスインターバルを延ばすことができる。これにより、切り込みピッチや送り速度を増加させ、加工時間を短縮できる点も大きな利点である。難削材加工が困難だった従来の課題に対し、本製品は加工時間短縮による生産性向上、チッピング軽減による不良削減、さらに後工程削減の可能性を提供する。

SHODA株式会社

1台で多様な加工を実現!クラウド管理で生産・経営・保守管理!5軸制御NCルータ「BS101F」

https://youtu.be/KvgR_NqwY7w

SHODA株式会社のBS101Fは樹脂やゴム、アルミなどの鉄より軽い素材をドライで加工するNCルータである。BS101Fは5軸制御機と言われ、立体的な材料、側面から加工したい材料の加工に適している。回転する刃物により大型の材料の上面・側面・斜めからの切断・切り抜き・穴あけなどを行える。

BS101FはSHODAが独自開発したフリーソフトSCP/Pアシストにより、誰でも短時間で加工作業ができるようになる。FANUC製NC装置を搭載した加工機をこのソフトで操作することで、信頼性が高い加工が可能になる。

株式会社エレニックス

コンパクトかつ自由なカスタマイズが魅力!細穴放電加工機「CT300FX」

https://youtu.be/Tzu9CP8rOMc

本製品は、顧客ニーズに応じた自由なカスタマイズが可能である。追加の軸や機械構成を柔軟に変更できる点が特長であり、ユーザーが求める仕様に合わせて装置を最適化できる。また、同等の加工能力を持ちながら他社製品に比べてコンパクトな設計がなされており、省スペース化を実現している。

同社は、装置の小型化が生産性向上につながると考え、限られたスペースで多くの装置を配置できる点を強みとしている。この装置を導入した顧客からは、業務効率が300~500%向上したという報告もあり、その実績を基に同様の装置を追加購入するケースが増えている。

グリーソンアジア株式会社

最新CNC技術で高い精度と生産性を実現!ベベルギヤ加工機「Gleason Phoenix 100C」

https://youtu.be/Tf20UgdGVoY

本製品は、日本初公開となる小型サイズの最新CNC搭載機である。これまで主流であった280サイズの自動車向け機械に加え、小型ギアボックスやロボットなどの量産用ベベルギア生産をターゲットに開発された。従来の手動モデルに代わり、最新のCNC技術を搭載したことで、高い生産性と高精度を実現している。

この新モデルは、人材不足や生産コストの削減、量産対応といった課題を解決する最適な設備として設計された。すでにアメリカの展示会IMTSで高い評価を受け、さらに歯車分野の専門家が集まる国際的なカンファレンスでもその性能が注目されている。

マツザワマシナリー株式会社

粗取りから仕上げまでをロボットで全自動化!8軸制御外周円筒研削盤「MZ-205」

https://youtu.be/eAg6ar1994Q

MZ-205は、これまで工具研削盤を専門に製造してきたマツザワマシナリー株式会社が、新たに開発した8軸制御研削盤である。この製品は、従来多くの顧客から要望のあった前工程、特に円筒研削やブランク研削に対応するために設計されたものである。

本機械の大きな特徴は、全自動運転が可能である点である。ロボットを活用したワークの自動交換機能を搭載しており、加工開始から仕上げまで一貫して自動で行うことができる。従来は職人が機械の前で1本ずつ手動でワークを交換していたが、この機械ではその作業を完全に自動化することで、大幅な効率化を実現している。また、夜間の無人運転が可能であり、朝にはすべての製品が仕上がっているという運用も可能である。

株式会社フュージョンテクノロジー

スーパーエンプラPPS-CFフィラメント対応!産業用高速3Dプリンタ「FUNMATPRO 310 NEO」

https://youtu.be/v-1-gQdlRf0

同製品は、FDM方式の3Dプリンターで、特にABSやポリカーボネートなどの材料を用いた大型造形に適している。チャンバーヒーターによるワークエリアの強制加温機能を備え、高い寸法精度を実現する点が特長である。治具や試作部品の製造においても、優れた精度と品質を提供する。

さらに、本機はノズル温度を最大350°Cまで対応可能とし、ABSやポリカーボネートだけでなく、PPS-CFのような高物性材料にも対応している点が革新的である。本製品は2024年12月発売予定であり、先行モデル「310」の販売実績を基にさらなる改良が施され、より洗練された操作性を実現している。
基板の窓口編集部

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