2023年4月13日(水)〜4月15日(金)、ポートメッセなごやにて「第7回名古屋ものづくりワールド」が開催されました。
430社が出展するものづくり専門展示会である本展は、製造業IT、機械部品、省エネ製品などをはじめ、開発・製造期間の短縮やDX・IT化の推進、業務を自動化・効率化する製品・サービスが多数出展しました。
会期:2023年4月13日(水)〜4月15日(金)
会場:ポートメッセなごや
主催:RX Japan株式会社
来場者数:27,500人*
公式サイト:https://www.manufacturing-world.jp/nagoya/ja-jp.html
「基板の窓口」では、出展企業15社に取材を行い、出展ブースにて実際の出展製品/サービスを紹介いただきながら、製品/サービスの強みを中心に話を聞きました。本記事では、その内容について動画を交えてお届けします。
・取材企業
タキゲン製造株式会社/兵神装備株式会社/株式会社木村鋳造所/株式会社アテクト/株式会社UCHIDA/A-SAFE株式会社/日建塗装工業株式会社/第一電通株式会社/ユニパルス株式会社/ツカサ工業株式会社
・まとめ
https://www.youtube.com/watch?v=0pK87ISbnGc
タキゲン製造株式会社は、産業用金物の総合メーカーとして、約8000アイテムの製品を取り扱っています。現場の困りごとを解決するために、世の中にない製品を創り出し、製造現場を支えています。
《ワンタッチ接合で人手不足解消に貢献!「ワンタッチピンファスナー C-584」》
同社の「ワンタッチピンファスナーC-584」は、ボルト・ナットを使用せず、差込むだけのワンタッチ接合でパネルを固定することができる製品です。
その誕生にあたっては、「締付ける必要のない箇所はボルトナットでなくてもいい」「ワンタッチで取付けられたら大きな省力化になる」という声を受け開発がスタートしました。
本展において、対応サイズや板厚のバリエーションについて意見が寄せられたことから、ラインナップの増加を検討しています。
詳細:https://www.takigen.co.jp/products/detail/C-584
https://www.youtube.com/watch?v=8d8sTSbxBUM
兵神装備株式会社は、産業用モーノポンプ、モーノディスペンサーの専業メーカーです。
同社独自の技術と50年以上の難液移送の経験を武器に課題を解決し、あらゆる産業界から支持されています。
本展においては、食品医薬品用途として、高粘度のサクションブースターや多連充填機、電池塗工用途の精密定量ポンプ、自動車用途での高精度ディスペンサーや2液混合の展示を行いました。
《接着材・放熱材を高精度に塗布可能!「モーノディスペンサー/モーノポンプ」》
近年の自動車業界における、電動化が進み設備投資計画が進む潮流を受け、同社製品は電動車用の電池パック製造工程にて、接着材や放熱材としての引き合いや実績が増えてきました。
シール材を高精度に塗布するケースなど、摩耗性の高い放熱材をアルミナローターを使用し、生産ラインを止めることなく長寿命で使用することができます。
詳細:https://www.heishin.jp/products/(モーノポンプ)
https://www.mohno-dispenser.jp/features/#tokuchou02(モーノディスペンサー)
https://www.youtube.com/watch?v=SpOMI3F9524
株式会社木村鋳造所は、大型鋳造品製造、砂型3Dプリンターを活用した鋳造を展開する鋳造メーカーです。
大型鋳造品分野では、木型を用いないフルモールド鋳造法を展開しています。本来単品に特化した鋳造法ですが、工作機械用鋳物では量産(400個/月)の対応も可能です。
砂型3Dプリンターを活用した鋳造分野では、金属の直接積層ではなく製品を作るための砂型を直接プリントすることで複雑な形状を可能にし、さらにリードタイムの短納期化の提案を行っています。
《試作リードタイムの短縮可能!「モーターケース(冷却穴構造)」》
同社の「モーターケース(冷却穴構造)」は、3Dプリンターにて砂型を作成して製作し、砂型3Dプリンターでしか実現できない冷却穴構造を持つ製品です。
プリンターを使用することで、設計の自由度と試作・開発の幅が広がります。
https://www.youtube.com/watch?v=t5Ir1YXYWMU
株式会社アテクトは3つの事業(半導体資材事業・衛生検査器材事業・PIM事業)を行っています。
その中でも、PIM事業においては、PIM工法のコア技術である有機バインダーの開発、製造、販売から射出成形、脱脂焼結、金型製造、2次加工まで幅広く対応し、金属部品やセラミックス部品の開発、製造、販売を行っています。
同社の強みとして、PIM工法のコア技術となる有機バインダーにおいて、同社独自の有機バインダーを保有していることが挙げられます。
詳細:https://www.atect.co.jp/pim/
《パワー半導体の絶縁と放熱に貢献!「セラミックス製ヒートシンク」》
同社の「セラミックス製ヒートシンク」は、パワー半導体の絶縁と放熱に貢献することができます。
一般的なヒートシンクはアルミなどで製造されている中、同社のヒートシンクはPIM工法により製造を行った、セラミックス製のヒートシンクとなっています。
それにより、絶縁と放熱の2つの機能を備えたヒートシンクを実現しています。
https://www.youtube.com/watch?v=EIEar31UaaI
株式会社UCHIDAは、CFRPを中心として、複合材料を用いた設計から製造・品質保証・塗装までワンストップで対応しています。
創業55年の歴史を誇り、オーナー企業の柔軟さを生かした幅広い分野での試作開発から少量生産に特化し、多様な成形方法に対応できる点を強みとしています。
《あらゆるCFRP試作開発に柔軟に対応!》
柔軟さに強みを持つ同社では、幅広い環境設備・長年の技術開発力による提案力を武器とした製品化を行っています。
試作開発においては、図面やデータのない構想段階から相談が寄せられる機会も多い中、現場を経験した技術営業が製品化の実現を叶える柔軟な提案を行うことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=dFZ-wwk11do
A-SAFE株式会社は、特殊ポリマー製防護柵の国内販売をメイン業務としています。
グローバル本社のイギリスで開発・製造された、強靭で柔軟性のある(衝撃吸収能力の優れた)防護柵を国内企業に短納期で提供しています。
同社は日本法人として2018年の立ち上げ以降、「事故が起こりえない職場づくり」を推進する大手企業を中心に、人や設備・建屋の保護、荷崩れや転落防止対策などに取り組み、800社以上の現場での採用実績を誇ります。
《フォークリフト事故対策の決め手!衝突しても壊れない新世代の防護バリア「iFlex歩行者バリア3レール」》
同社の「iFlex歩行者バリア3レール」は、新世代の防護バリアです。
今後企業にはますます高度な安全レベルが求められるとされる中、本製品は職場環境の改善に貢献します。
優れた視認性で歩行通路を明確化し、万が一の衝突時には衝撃を吸収し、歩行者と運転者および車両を守ることができます。さらに、従来の金属製ガードレールにはない、形状記憶性も備えています。
衝突時には、伸長・衝撃吸収・原形回復を繰り返すことで、交換頻度が極めて少なく車両修理費も抑えることができます。
また、設置床面には衝撃のわずか20%しか届かないため、フロアダメージも防ぐことができます。
これにより、長期にわたり優れた視認性を保持することで、事故が起こりえない誰もが安心して通行できる歩行者通路を実現します。
詳細:https://www.asafe.com/ja-jp/製品/iflex-歩行者バリア-3レール/
https://www.youtube.com/watch?v=eR8zQcp-uSM
日建塗装工業株式会社は、樹脂材料のコーティング加工メーカーです。機能を付与した加工により、お客様の課題解決に貢献しています。
詳細:http://www.nikken-toso.co.jp
《①高耐久・高離型のコーティング「サーモプロリリース」/②極薄膜・超非粘着のコーティング「ノンスティックSTC」》
①高耐久・高離型の熱溶着用コーティング加工「サーモプロリリース」
熱溶着で樹脂残りがほとんどなく、従来のフッ素加工より約2〜3倍の耐久力を誇る加工です。
②超非粘着、超薄膜高耐久の加工「ノンスティックSTC」
超非粘着を特徴とし、100ナノの薄さにもかかわらず、高耐久を誇る加工です。
加工したカッターを用いて、市販で一番強力なガムテープを23万回切断した場合にも効果が変わらないという実績があります。
https://www.youtube.com/watch?v=GCz5Vw0sw4E
第一電通株式会社は、トルクセンサを搭載したねじ締めナットランナー、ハンドナットランナー、荷重センサを搭載した圧入・カシメのサーボプレスの製造販売を行っています。センサを搭載していることで、製造工程のトレーサビリティが可能となります。
詳細:https://www.daiichi-dentsu.co.jp/
《ねじ締めの困りごとを解決!「AFC3000 ねじ締めナットランナー」》
「AFC3000ねじ締めナットランナー」は、斜め締めやかじりなどねじ締めの困りごとを解決する製品です。
微小トルク検出にこだわった機械構造を採用し、微小トルク検出を利用した斜め締め・ねじ浮き・かじりといったエラー検出機能も備えています。
併せて、ねじ吸着やねじ供給機も提案することが可能です。
https://www.youtube.com/watch?v=vgApOyJ3vxA
ユニパルス株式会社は、ロードセルやトルク計など、力や重さを測定するセンサーの開発・製造・販売を行っています。
ひずみゲージから同社で開発しているため、特注対応に柔軟に対応できるという強みを持ちます。
《累計販売台数2500台超え!重量物をまるで無重力感覚で搬送できる「電動バランサ Moon Lifter(ムーンリフタ)」》
パワーアシスト装置である「電動バランサ Moon Lifter(ムーンリフタ)」は、0.1 kg〜 2 tのワークを吊り上げて軽い力で移動させることができる助力装置です。
重量物であってもまるで軽量物を持っているかのように、人の手感覚で搬送・位置決めを行うことができます。
操作は簡単で誰でもすぐに使いこなすことができ、重筋作業の解消を強力にサポートします。
累計販売台数は2500台を超え、自動車や鉄道、住宅、食品業界のみならず、農業や漁業など幅広い分野で使用されています。
詳細:https://www.robotec.tokyo/moonlifter/
https://www.youtube.com/watch?v=hir94BJw6ZY
ツカサ工業株式会社は、設計・配管工事から各種付帯工事まで一貫対応を行っています。金属配管、特にステンレス配管等の溶接技術のスピード、高品質、安定性に強みを持っています。
さらには配管のみならず、各製造設備や大きなユニット製作も短納期、高品質で提供しています。
特に製薬業界においては、ニーズに合わせて検査報告書も作成し、顧客のニーズに適した書類作成も実施しています。
製薬業界のみならず、食品・飲料関係のHACCPにも適応できる体制を確立し、安心して依頼することができます。
《「特殊継手」で既存ユニットのコンパクト化を実現!》
同社の「特殊継手」は従来の継手ではなく、ブロック継手を応用し新しい継手を用いたユニット製作を供給することができます。
従来技術においては、エルボやチーズといった継手を組み合わせ、供給ラインなどの配管を製作し、できるだけ配管系を短くするため、ローネック継手を使用しコンパクトなユニットを製作していました。
同社の新たな継手は、3方から6方まで分離できる特殊継手です。配管の距離のみならず、フローそのものを大きく変更できるため、従来のユニットよりコンパクト化を実現し、ユニットの大きさを2/3程度に縮小できると考えています。
同社では、今後もさらなる改良を目指した取り組みを行います。
詳細:https://tukasa-kk.co.jp/product/special_joints/
愛知県名古屋市の「ポートメッセなごや」での開催となり、愛知県に本社を置く地場企業が多数出展した本展。
同県は、製造品出荷額などが43年連続日本一の”ものづくり大国”として、自動車・航空機部品をはじめとした製造や鉄鋼業などを中心に、日本の製造業を支えています。
さらに、愛知県を中心とした中部地方は、航空宇宙産業の一大集積地として「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」にも指定されています。
本展においても最新の航空機向け部品や技術の出展がみられ、航空宇宙産業へのさらなる成長への期待がうかがえました。
また、製造現場における自動化、省人化が叫ばれる昨今。本展においても、目視検査を代行するロボットや、設備や装置の状態を遠隔監視できる製品や、設備情報の取得からデータ分析/活用まで、生産現場のIoT導入をワンストップでサポートするサービスなど、自動化、省人化に貢献する製品・サービスが多数出展されました。
製造現場へのAI・IoT技術や協働ロボットの導入により、人手不足の解消や生産性・品質向上につながるのみならず、設備の予知保全や業務の自動化・省人化も叶えることができます。
本展によって生まれた数々の出会いや商談が、製造業界全体の成長を加速させる原動力となることを期待しています。