日本ローターバッハ株式会社は、ドイツに本社を持つマイクロプロセッサ向けデバッガ「Trace32」を開発・提供する専業メーカーである。同社のデバッガは、150を超えるアーキテクチャと10,000以上の製品に対応し、事実上市場のほぼすべてのプロセッサに対応可能という圧倒的な汎用性を持つ。この特性により、ユーザーは新しいデバイスが必要になった場合でも、既存のデバッガを継続して使用でき、トータルコストの削減にも大きく貢献している。
Trace32の特長としては、開発現場のニーズを満たす高度なデバッグ機能が挙げられる。リアルタイムトレース、OS認識デバッグ、ハイパーバイザー認識デバッグ、さらにはマルチコア対応の機能などを備え、複雑化・高度化するマイクロプロセッサのバグ解析を効率的かつ迅速に行うことが可能である。たとえば、内部で複数のOSが異なるコアで動作するような複雑な状況でも、Trace32を活用することで発生した問題の原因を明確にし、解決に要する時間を大幅に短縮することができる。
また、近年の製品開発現場では、不測の事態や供給不足に対応する柔軟性が求められている。同社のTrace32は、プローブの交換やソフトウェアのアップデートのみで新しいデバイスにも対応可能であるため、災害やサプライチェーンの混乱、製品の突然のEOL(製造終了)宣言といった状況にも迅速に適応することができる。
同社は創業から45年の歴史を持ち、自動車、産業機器、医療機器、航空宇宙機器など、幅広い分野で採用されており、グローバル市場において40%以上のシェアを誇る。